水稲冷害研究チーム

2005年東北稲作動向



 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.


10月

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○10月1日(土) トップブランド米販売 自信を持って5種類 JA秋田やまもとキャンペーン
 JA秋田やまもとは9月28日、管内のえりすぐりのトップブランド米を販売する「産直純米」新米キャンペーンを始めた。農家から直接、信頼できる米を買いたいという消費者の要望に応えたもの。種子の純度の高さや生産履歴を明記したのはもちろん、純粋なJA秋田やまもと米を玄米のままで消費者に届けるのが最大の売り物。「産直純米」として売り出しているのは、管内の水田で収穫されたこだわりの「あきたこまち」を中心に、良質な土壌の三種川流域で栽培された「岩川水系米」、米作を土づくりから見直した減農薬、減化学肥料栽培の「自信作」、JAオリジナルの肥料を使用し通常より大きいふるい(1・95ミリ)にかけた「大粒こまち」、さらに八森町に隣接する白神山地を水源とする清流で作られた「ササニシキ」。いずれもJAが自信を持って販売する5種類。販売は、八竜町の直売所ドラゴンフレッシュセンター、琴丘町直売所グリーンぴあ、秋田市産直庵こいかわで扱っている。また、インターネットでの注文も受け付けている。問い合わせはJA秋田やまもと営農販売課、(電)0185(87)4603。アドレスはhttp://www.shirakami.or.jp/〜jakiyama
(日本農業新聞)

○10月1日(土) 売れる米作り 高品質大豆を JA新あきたライスセンター完成
 JA新あきたが、売れる米作りと高品質大豆の実践を目的に秋田市雄和芝野新田地内に建設していたライスセンターが完成し、行政担当者や地元生産者代表らが参加して竣工(しゅんこう)式がこのほど行われた。本格的米乾燥調製施設は150ヘクタール規模で常温除湿乾燥方式と色彩選別機を備え、米1100トン、大豆100トンの乾燥調製ができる。すでに新米の受け付けを開始し、本格稼働している。JAは、この施設が生産振興の拠点となっていくことを期待している。
(日本農業新聞)

○10月2日(日) 1等米72% 9月15日現在 農水省
 農水省が9月30日に発表した2005年産米の検査結果(9月15日現在、速報値)によると、検査数量は、収穫が早かった前年産より12%少ない57万5000トン(水稲うるち玄米)。1等米の割合は、72%で前年産を2ポイント上回っている。早期米地帯を中心にカメムシ被害による着色粒などが発生、2等米の比率が25%となっている。前年産米の検査総量は、500万トン弱となっており、検査は今後、本格化する見通し。
(日本農業新聞)

○10月2日(日) 小麦1等79% 9月15日現在 農水省
 農水省が9月30日に発表した2005年産麦の検査結果(速報値)によると、9月15日現在で78万1000トンが検査を終えた。1等比率が前年産より高く、普通小麦で79%と、前年産の69%を上回っている。小麦以外の1等比率は、普通小粒大麦が63%(前年産は38%)、普通大粒大麦は77%(同64%)、普通はだか麦が79%(同50%)、ビール大麦が6%(同0%)。麦の年間検査量は、北海道産の生育・収穫遅れなどで前年産より1割ほど少ない状況だ。
(日本農業新聞)

○10月2日(日) つがるロマン初出荷 消費者に安全・安心提供 青森
 JA全農青森は9月30日、「青森クリーンライス」の新米を初出荷した。「青森クリーンライス」は消費者の安全・安心志向に応え、国の「特別栽培農産物の表示ガイドライン」に沿った「特別栽培米」と、農薬を減らした「農薬節減米」で、今年産は県内23JAで2万3900トンの収穫量を見込んでいる。今回出荷された「青森クリーンライス」は、尾上町で生産された「つがるロマン」1等米21・6トンで、販売先は名古屋市の大和産業。
(日本農業新聞)

○10月2日(日) 純情米に仲間入り「どんぴしゃり」 いわてめぐみ<tェアで名称発表 岩手
 岩手県のオリジナル水稲品種「どんぴしゃり」の名称発表式が1日、北上市で開かれている「いわてめぐみ<tェア」会場で行われた。全国から多数の応募があり、2人が表彰された。「どんぴしゃり」は、今年から県の奨励品種に編入された「岩手68号」。食味は「あきたこまち」に匹敵。倒れにくく、寒さや病気に強いのが特徴。応募数9806通の中から、江刺市立人首小の千葉麻理香さん(10)と盛岡市の高橋紅子さん(49)の2人が選ばれた。千葉さんは「私の考えた名前が選ばれてうれしい」と感激していた。「いわて純情米」ブースでは早速、「どんぴしゃり」おにぎりが無料で配布された。岩手の食材が大集合する「めぐみフェア」は4日まで、北上総合運動公園で開かれている。
(日本農業新聞)

○10月4日(火) 水稲、上位4品種で68% 売れる米に傾斜 05年産作付け
 農水省は3日、2005年産水稲の品種別作付け状況調査結果を発表した。上位10品種の作付け順位は、前年産と同じで、「コシヒカリ」などの銘柄栽培が微増した。「売れる米づくりへの対応の一環で、生産者や生産地側が、消費者に知られている品種を作る動きが出ている」(同省食糧部)。「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」「あきたこまち」の4大品種の作付け合計割合は、67・9%で、前年産より0・9ポイント増、5年前の2000年産と比べると5・2ポイントの増加。「コシヒカリ」の伸びが顕著で、2000年産の35・5%から05年産の38%へと上がった。上位20位の品種で、前年産と比べ順位が変わったのは、栃木県などで増えた「あさひの夢」(15位→12位)、東北で減った「ササニシキ」(12位→15位)、千葉県で栽培されている「ふさおとめ」(21位→20位)。
 もち米の上位10品種は前年産と同じで、うち上位3品種は上から、「ヒヨクモチ」「ヒメノモチ」「はくちょうもち」。醸造用も、上から順に「山田錦」「五百万石」「美山錦」で、前年産と同じだった。

水稲うるち米品種別作付け状況(上位20品種) (速報)
(単位:%、ポイント、ha)
順位品種名作付け比率(参考)作付面積
05年産04年産05年産対前年産差05年産
コシヒカリ38.10.3551,123
ひとめぼれ10.60.2152,879
ヒノヒカリ10.20.2148,320
あきたこまち9.00.2129,317
キヌヒカリ3.4▲0.148,944
きらら3973.40.148,883
はえぬき3.10.144,847
ほしのゆめ2.5▲0.135,999
つがるロマン1.70.124,431
1010ななつぼし1.30.118,642
上位10品種計83.10.91,203,685
1111ゆめひかり1.10.115,212
1215あさひの夢1.00.214,045
1313あいちのかおり0.80.012,280
1414夢つくし0.80.011,108
1512ササニシキ0.7▲0.110,601
1616日本晴0.6▲0.19,392
1717ハツシモ0.6▲0.19,188
1818ハナエチゼン0.60.08,868
1919こしいぶき0.60.18,564
2021ふさおとめ0.40.06,239
上位20品種計90.41.01,309,182
合計100.01,447,779
注 作付面積は、稲の作付面積が10a以上の生産者から8月25日までに申告のあった面積
(沖縄県を除く)の集計であり参考値。農林水産省「水稲作付面積調査」とは異なる。
(日本農業新聞)

○10月4日(火) ひとめぼれ 8年連続1位 東北農政局が品種別作付け速報
 東北農政局は3日、2005年産水稲の品種別作付け状況(速報)を公表した。うるち品種では東北地方全体で「ひとめぼれ」が1998年産以降8年連続1位となるなど、市場ニーズを意識した売れる米作りのため、良食味品種への作付集中がより顕著になっている。東北全体では1位で全体の32%を占める「ひとめぼれ」(作付け面積12万6988ヘクタール)と、2位「あきたこまち」(同10万1010ヘクタール)がともに前年産に比べシェアを微増、3位「コシヒカリ」(同5万86ヘクタール)がややシェアを下げたものの、上位3品種で全体の7割を占め、大きな変動はみられない。県別(表参照)でも上位品種に大きな変動はなかった。各県の主力品種に作付けが集中し、シェアを微増させた。農政局は「昨年と比べても大きな変化は見られない。耐冷性による品種選びだけでなく、売れる米づくりが東北地方でも生産者に浸透した結果だ」としている。調査は、稲の述べ作付面積が10アール以上の米穀生産者から申告された05年産水稲の品種別作付面積を取りまとめたもの。

2005年産水稲うるち米作付け上位3品種
県名順位品種名2005年2004年シェア
作付面積(ha)シェア
青森1(1)つがるロマン24,43153.3%52.7%
2(2)ゆめあかり15,21233.2%32.2%
3(3)むつほまれ4,5099.8%10.6%
岩手1(1)ひとめぼれ34,63063.2%62.4%
2(2)あきたこまち13,92925.4%25.3%
3(3)いわてっこ3,0225.5%5.8%
秋田1(1)あきたこまち77,91187.3%85.0%
2(2)ひとめぼれ6,7167.5%7.8%
3(3)めんこいな2,5532.9%4.1%
宮城1(1)ひとめぼれ61,46785.1%82.9%
2(2)ササニシキ7,62110.6%11.5%
3(3)コシヒカリ1,4862.1%2.2%
山形1(1)はえぬき42,69766.1%63.7%
2(2)ひとめぼれ6,89310.7%10.6%
3(4)コシヒカリ6,1639.5%9.4%
福島1(1)コシヒカリ42,65063.7%62.9%
2(2)ひとめぼれ17,28226.0%25.1%
3(3)あきたこまち2,7024.1%3.6%
※順位のかっこ内は2004年産
(日本農業新聞)

○10月4日(火) 05年産水稲品種別作付け つがるロマン 6年連続1位 青森県
 東北農政局青森農政事務所は三日、本県の二〇〇五年産水稲うるち米の品種別作付け状況(八月二十五日現在)を発表した。県産米のエース、つがるロマンが53・3%と前年より0・6ポイント増加し、〇〇年産以降六年連続で一位となった。二位は三年続けてゆめあかりで、前年比1・0ポイント増の33・2%。全国の作付面積に対する比率はつがるロマンが1・7%で九位、ゆめあかりが1・1%で十一位と、ともに前年と同じだった。三位はむつほまれで、前年比0・8ポイント減の9・8%。四位はあきたこまちで前年と同じ1・5%、五位の華吹雪も前年と同じ0・3%だった。上位五品種の順位は前年と変わらず、五品種合計の作付け割合は98・1%と、0・8ポイント増加した。水稲もち米の品種別はアネコモチ84・5%(前年比23・7ポイント増)、ユキミモチ8・8%(同5・1ポイント増)。醸造用は花吹雪83・3%(同1・2ポイント減)、華想い14・3%(同2・4ポイント増)。調査は、稲の作付面積が十アール以上の生産者からの申告を取りまとめた。
(東奥日報)

○10月5日(水) 宮城米情報 HPで発信 宮城県とJA全農みやぎ
 宮城県やJA全農みやぎなどで組織する、みやぎ米情報ネットは4日、ホームページ(HP)「みやぎ米(こめ)情報ネット」を開設した。県産米の情報を生産者、消費者、流通関係者それぞれに配信、売れる米づくりを支援する。全農みやぎでは、米改革が進む中でネットを活用し販売力強化に結び付ける方針だ。生産者と消費者の情報交流を図るだけでなく、流通・販売業者が求める詳しい生産情報まで充実させた。同情報ネットは「行政とJAグループが共同で、生産、消費、流通を網羅した米専用ホームページを立ち上げるのは全国的にも珍しい」という。
(日本農業新聞)

○10月5日(水) 独自農法「はえぬき」香港のスーパーに 品質に高評価 山形県食糧
 精米卸などの山形県食糧(山形市、金山昭次朗社長)は、契約農家が独自の方法で栽培している内陸産はえぬきを香港の大手スーパー「シティ・スーパー」に輸出した。シティ・スーパーは高級食材の扱いでは、アジア随一の規模とされる。同社は「今回の出荷を弾みに今後も海外市場を開拓したい」としている。輸出したのは、同社が契約農家とともに、十五年以上取り組んでいる「太古活性農法」で栽培した米。古代の植物堆積(たいせき)体と家畜ふんで作った肥料で、ミネラルや微生物を豊富に含んだ土作りを行うなどの栽培法で、米には深い味わいと日持ちの長さなどの特徴がある。生産者は約二十人で「山形米作研究会」というグループを組織。県内では、一部スーパーや百貨店などで、一キロ当たり九百円〜千円程度で販売されている。県や日本貿易振興機構(ジェトロ)山形貿易情報センター、県経済国際化推進協議会の招きで、七月に来県したシティ・スーパーの仕入れ担当者が土壌へのこだわり、品質管理体制などを高く評価、その後の商談で輸出が決まった。先月第一回の商談をサポートした漆原意・県海外取引等支援員は「高級食材店としてこだわりを持つシティ・スーパーへの納品は、極めてハードルが高い。山形産のブランドとして、納品できたことに大きな意味がある」としている。
(山形新聞)

○10月6日(木) コンバインで児童が稲刈り 秋田・横手市の小学校
 横手市立睦合小学校は3日、児童たちがコンバインに乗って稲を刈る農業体験学習を行った。これは、同小5年の児童たちが総合学習の一環として、現代農業を体験する目的で行っているもので、春には田植え機に乗って田植え作業を行っている。この日は、水田所有者の斉藤光司さん・庄英さん親子の指導で、19人の児童が交代でコンバインに乗って60アールを刈り取った。児童たちは、6条刈りの大きなコンバインに戸惑っていたが、ひとたび運転席に座ると、斉藤さんの説明を聞き、刈り残しのないよう、まっすぐに進むようにと操作に集中していた。
(日本農業新聞)

○10月6日(木) リスナーが体験 岩手・胆沢町
 大阪ABCラジオの「ゆめろく2005稲刈り体験ツアー」が2日、胆沢町南都田の石川千早さんの水田で行われた。ツアーに参加した男女30人のリスナーらは、出来秋の収穫を実感した。同局の、阿部憲幸アナウンサーが同町を訪れた際、刈り取った稲を乾かすホニオが並ぶ田園風景に魅せられたことがきっかけで始まった。ラジオ局のリスナーが春と秋に農作業体験を行い、同ラジオの生放送で紹介する。今年で8年目を迎えた。稲刈りは小雨のなか、5歳から78歳まで参加し、石川さんやJA稲作研究会員らの指導でかまで稲を刈り取り、収穫の喜びを肌で感じていた。
(日本農業新聞)

○10月7日(金) 米、また1万5000円割れ 第4回入札45%が不落札
 全国米穀取引・価格形成センターは6日、2005年産米の第4回入札取引(3、5日実施)の結果を発表した。米主産地である東北産米12銘柄が上場。平均落札価格は60キロ1万4944円で、第1回入札に続き1万5000円を割った。前回取引と比べると、4・5%(698円)安、1銘柄だけの上場だった前年同期の取引と比べると6・6%(1056円)安い水準だ。上場量2万1000トンのうち、45%が売れ残った。不落札の発生は4回連続。宮城「ササニシキ」と山形「コシヒカリ」は全量落札した。9月15日現在の作況指数が102で、全体として作柄が良好な見通しとなっていることから、米卸の仕入れ意欲は低調だった。不正入札取引問題で上場を禁止されていたJA全農あきたが、処分解除を受けてほぼ半年ぶりに上場。主力の秋田「あきたこまち」の価格は1万4955円で、前年9月末の取引を5・7%下回った。宮城「ひとめぼれ」は同3・9%安の1万4900円となった。
(日本農業新聞)

○10月7日(金) 古代米から健康食品 弘大と東京の研究所が共同開発 商品化、23日から発売
 弘前大学は六日、東京・八重洲の同大学東京事務所で記者会見し、東京都にあるオリジン生化学研究所との共同研究により、抗老化食品「発酵古代米」を開発したと発表した。発酵古代米にビタミンEなどを加え、顆粒(かりゅう)状にした健康食品「オリゴールド」が十月二十三日、コスメディカルジャパン(本社・東京都)から発売される。記者会見には、加藤陽治・弘大地域共同研究センター長、野呂治・弘大地域共同研究センター産学官連携コーディネーター、前田浩明・オリジン生化学研究所長、伊藤聖子・同研究所主任研究員が出席した。弘大と同研究所は今年四月から共同研究を始めた。古代米の「紫黒米」はぬかの部分の割合が高く、健康に良いとされる成分もその部分に存在している。このぬかの部分を発酵させることで、脳機能改善作用があるアミノ酸の一種の「ギャバ(GABA)」、免疫強化作用と抗酸化作用を有するオリゴ糖「オリザロース」などが生成された。古代米がもともともっている各種栄養素にプラスして機能性を高めた。前田・オリジン生化学研究所長「寝たきりにならないための食べ物の一つに位置付けられる」と話した。加藤・弘大地域共同研究センター長は「今回の成果は今後の共同研究の弾みとなる」と語った。弘前大学は、昨年四月に東京事務所を設置。首都圏での産学共同研究を積極的に進めている。同事務所によると、県外との共同研究は二〇〇三年度は全体の35%だったが、〇四年度は40%を超えた。
(東奥日報)

○10月7日(金) 「青系138号」十和田で稲刈り 青森県全体の最盛期は3日
 県内の稲刈りが終盤を迎えている。十和田市深持の県指導拠点ほでは六日、来秋デビューする県の水稲新品種「青系138号」の稲刈りが行われた。倒伏や病害虫もなく、順調な生育ぶり。栽培を担当した米田一典さんは「ゆめあかりを上回るまずまずの収量が期待できる」と話す。ただ、追肥時期の見極めが難しいといい「慣れるまで時間がかかるかもしれない」と米田さん。県によると、青系138号は二〇〇六年に約四千ヘクタール、〇七年には約二万ヘクタールで作付けされる見通し。一方、県「攻めの農林水産業」推進本部は六日、県内の稲刈り進ちょく状況を発表した。県全体の刈り取り面積割合が50%に達した「稲刈り最盛期」は三日で、平年に比べ一日早く、昨年より七日遅かった。地域別の最盛期は下北が九月二十九日、西北が同三十日、中南が今月二日、上北が同四日、東青が同五日。平年に比べ上北と下北は三日、西北は二日、東青と中南は一日、それぞれ早かった。三八はまだ最盛期に達していないもようだ。
(東奥日報)

○10月8日(土) 3CE稼働100%超す 特別栽培ササも荷受け 宮城・JAいしのまき
 JAいしのまき桃生、河南、河北の3カントリーエレベーター(CE)の稼働率が昨年に続き、100%を超えた。9月16日から始まったCEの荷受け作業は、好天が続き稲刈りが順調に進んだことから、桃生、河南CEが9月30日、河北CEが3日にそれぞれ最大貯蔵量を突破した。稼働状況は、3日現在で桃生が102・3%、河南が109・2%、河北が104・7%で平均稼働率は105・27%となっている。また、今年から減農薬・減化学肥料栽培による特別栽培米「ササニシキ」の荷受けが行われ、品質の安定した「いしのまき米」ブランドの確立と「売れる米・産地づくり」に向けた取り組みを今後も実践していくことにしている。
(日本農業新聞)

○10月8日(土) 児童が稲刈り はせ掛けに汗 岩手・遠野市の上郷小学校
 遠野市の上郷小学校5年生26人は3日、農業体験学習を行った。菊地正則さんの田んぼ8アールで、昔ながらの稲刈りとはせ掛けに汗を流した。JAとおの青年部上郷支部の主催。地元の農業を体験してもらおうと、5年生を対象に今年で5年目。稲は児童たちが田植えしたもの。児童は、JAの営農指導員にかまの使い方や稲の束ね方などの手ほどきを受け、黄金色に実った「いわてっこ」を手刈りした。農家育ちの児童が多い半面、ほとんどが稲刈りは初めて。なかなか切れなかったり、わらを束ねられず大苦戦。うまく出来るようになると早さを競い合っていた。
(日本農業新聞)

○10月8日(土) 「いわてっこ」特栽米を収穫 岩手・岩手町の一方井小学校
 岩手町立一方井小学校5年生21人は4日、特別栽培米「いわてっこ」の稲刈り体験学習を今松一広さんの水田で行った。JA新いわての主催。岩手町、玉山村、八幡平市松尾地区(旧松尾村)は、地産地消推進のため昨年11月から学校給食に地元産「いわてっこ」を取り入れている。福士範美JA東部営農経済センター長は「農家は、学校給食に使われることで特別栽培米作りに意欲的に取り組んでいる」と相乗効果が現れていると話している。
(日本農業新聞)

○10月9日(日) 売り込め花巻米 外食産業が産地訪問 岩手
 稲刈り終盤を迎え、高品質の米を確保しようとJAいわて花巻に多くのバイヤーが訪れている。6日は大手外食チェーン店の担当者が訪問し、JAから商品の概要、施設の説明を受けた。以前から岩手県産「ひとめぼれ」を納入する同社は、JA全農いわてに安定供給を見込める産地の紹介を依頼していた。気象条件で産地を変える必要がある場合、米の品質が変われば商品にも影響が出るからだ。JA本店では、平賀守営農推進部長と阿部勝昭米穀販売課長が対応。阿部課長は「今年産米は昨年に比べ品質で劣る要素はない。サイロや施設の指定など、徹底した管理で一定した品質で供給に努める」とPRした。さらに、花巻市鍋倉のJA中央カントリーエレベーターでは、施設の概要を説明した。外食チェーン店の担当者は「花巻地方はやませのなどの被害が少なく、安定供給を見込める有力地。米の品質のほか、施設やJAの米に対する姿勢も含めて取引を検討したい」と話した。同JAには、今月末までに十数社が訪問する予定。
(日本農業新聞)

○10月9日(日) 共同田を次代に 地域の仲間が稲刈り 秋田・八郎潟町
 八郎潟町川崎地区で7日、冨郷会(ふごうかい)の会員が稲刈りを行った。この会は、凶作に備えて結成されたもので、今年で99年目を迎える。共同田を地域の会員が助け合いながら作業している。現在の会員は24人。全員が晴天の中、3台のコンバインで63アールの共同田の稲刈りを行った。来年は100周年を迎えるため記念祭を予定している。
(日本農業新聞)

○10月9日(日) 園児が稲刈り 岩手・二戸市
 二戸市立金田一保育所と同市土地改良区は6日、「園児とのふれあいイネ刈り」を行った。刈りごろを迎えた保育所近くの金田一営農組合の田んぼは、田植えも園児が行っている。稲刈りしたのは年長組15人。軍手を両手にはめた園児たちは、金田一営農組合の5人の担当者に1対1で指導を受けた。家の稲刈りの手伝いをしているのか、どんどん稲を刈る子もおり、指導する方を驚かせる場面もあった。稲刈り終了後は、JA北いわて女性部からくしもちやリンゴが振る舞われ、園児は「おいしい」と元気よく食べていた。
(日本農業新聞)

○10月10日(月) 収穫後は温泉でゆったり 宮城で「稲刈り湯治」
 稲刈りの後は、温泉でゆったりと。宮城県鳴子町の旅館関係者や農家で組織する鳴子ツーリズム研究会は9日、稲刈りと湯治を組み合わせた「稲刈り湯治」を開いた。30人を超える参加者が、農業体験と温泉を楽しんだ。鳴子町は湯治場として知られているが、最近は観光客が減少している。「稲刈り湯治」は、種まき、田植え、草取りなどの農業体験と温泉をセットにした催し。昨年から行っている。9日は東京、仙台の観光客も加わり、かまで稲刈りを行った。
(日本農業新聞)

 
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○10月13日(木) 水稲作況実態反映を 農政局に要請 青森・上北地区
 上北地区管内の11JAで構成する上北地区農協連絡協議会は11日、東北農政局十和田統計・情報センターを訪れ、2005年産水稲作柄概況に関する要請を行った。JA十和田市の程川節男組合長が「9月27日、南部・下北地帯の作柄状況(9月15日現在)が105と発表されたが、実際収穫してみると、もみ数不足と青未熟粒が多く見られ、集荷円滑化対策による過剰米を確保すると出荷予定数も達成できない状況も出ており、発表された作況指数より下回っているという声が強い。今月発表予定(10月15日現在)の作柄状況については、十分実態を反映した発表をお願いしたい」と要請書を手渡した。対応した佐藤秀二センター長は「調査手法は変えられられないものの、網目幅の大きさなど生産現場との違いは認識している。農家、JAの実情を十分考慮して対応したい」と述べた。上北地区管内では、現在収穫後期を迎えている。
(日本農業新聞)

○10月13日(木) 特別調製の「ひとめぼれ」 首都圏へ出荷 JA岩手ふるさと
 JA岩手ふるさとは、2005年産米の卸業者向け出荷を本格化している。8日は、胆沢町産の「ひとめぼれ」108トンを首都圏に出荷した。主力品種の出荷本格化は、平年に比べ、1週間早まった。この日出荷されたのは、JA大谷地低温農業倉庫の「グレードアップシステム」で選別調製された同町産「ひとめぼれ」の1等・限定ふるさと米。約1トンのフレコンに詰められ、倉庫内に設置されたクレーンでトラックに積み込まれた。倉庫では、農家が乾燥調製して出荷した玄米を再度調製して整粒歩合を引き上げ、需要に応じた出荷体制を整えた。JA米穀課は「一部にカメムシ被害がでているが品質や味は良い」と作業を進めている。JAは、今年産米の集荷数量を75万俵(1俵60キロ)に設定し、集荷、販売の両面の強化を図っている。
(日本農業新聞)

○10月14日(金) パンや麺にピッタリ! 小麦「ゆきちから」 東北で作付け急増
 東北農業研究センターが開発し、02年に登録された小麦「ゆきちから」の栽培面積が東北の数県で昨年、今年と3倍のペースで増えている。食料・農業・農村基本計画の生産目標である80万トンを達成している小麦だが、課題は品質。農水省は「ニーズを踏まえた品質改善」を掲げ、各研究機関が新品種を開発してきた。パン用品種として開発された「ゆきちから」は、硬質でタンパク質含有量が多い。岩手、宮城、福島で県の奨励品種に採用され、「需要に追いつかない」(各県担当者)ほどの人気だ。学校給食への提供や中華麺(めん)の材料となるなど、各地で特色ある使われ方をしている。岩手で主に作られている南部小麦は、パンを作るには軟質でべとつきやすく、生地をこねる作業が大変だ。それに比べ、ゆきちからは、たんぱく、グルテンの量はほぼ同じだが、硬質でべとつきにくい。「本州の秋まき小麦の中ではかなりパン適正が高いのでは」(岩手県農産園芸課)という。岩手では03年に奨励品種となって以来、04年産(春収穫)は60ヘクタール、05年産はその3倍の182ヘクタール(825トン)へ倍増する見込みだ。全量がJAを通じて県内の製粉業者に販売され、ほとんどパン用に向けられる。05年産の指標価格は1トン当たり3万2千円と、主流の南部小麦より約5千円安い。全農岩手県本部は「業者からの注文は増えている。生産量を増やせば取引が安定し、価格も上がる」と、1千トンを目標に増産を目指す。宮城でも。昨年産の61ヘクタールから今年は205ヘクタールへ急増した。同県では学校給食に絞った販売を行う予定で、今年度から提供を始めた。食育や地産地消とからめて作付けを伸ばしていく方針だ。
特産ラーメンにも 福島・喜多方市  小麦生産の少ない福島でも、同品種が昨年産の6ヘクタールから今年産は27ヘクタールと増えた。「作ればすぐ買ってもらえる状況」(県担当者)という。喜多方市では、特産品である喜多方ラーメンでの活用を戦略に掲げる。それ以前は、市内で小麦が作られることは無かったが、同品種の完成後、03年に農業委員会の三星正喜会長が麦作組合を立ち上げた。全量を県内製粉業者を通じて市内ラーメン店に販売する。三星さんは「中華麺にも向いている。すごくおいしいと評判だった」と話す。市が催す「ラーメンフェスタ」では、今年初めて「ゆきちから」製のラーメンを出店し、昨年より1千杯近く多く売れたという。問題はここでも「販売価格が安い」(三星さん)こと。このため麦作安定資金以外に、市が転作奨励金として10アール3万5千円を助成する。06年産は昨年の培にあたる8ヘクタールを作付けるまでに増える。順調に拡大する「ゆきちから」だが、生産面での課題が残る。東北農業研究センターの調査によると、寒さや赤さび病への抵抗性が高いが、赤カビや雪腐れの発生も見られ、不安材料の1つだ。
(全国農業新聞)

○10月15日(土) 米の異品種混入防げ 農家が点検表提出 JA秋田しんせいがプロジェクトチーム
 秋田県のJA秋田しんせいは、プロジェクトチームを立ち上げて、米の異品種混入を防いでいる。新米の荷受け時に、農家に「異品種混入チェック表」の提出を求めるほか、栽培過程では種子更新から刈り取りまで4段階で管理を徹底している。また、農家からの米を搬入するカントリーエレベーターは、1日1品種に限定した。単位JA段階で取り組みを徹底し、産地の信頼確保に結び付けている。品種混入は、発生すれば産地に大きな打撃となることから、農家に注意を促し、消費地には産地の信頼を高めようと取り組んだ。JA管内の今年産水稲作付面積は約9000ヘクタール。「ひとめぼれ」59%、「あきたこまち」33%で、多くの農家が2品種を手掛ける。「意図せざる混入」の恐れがある。プロジェクトチームは、今年初めに立ち上げ、各支店の稲作担当、カントリー、農家機械の技術担当がメンバー。混入防止は@種子更新100%と、種まき時の品種確認A苗運搬B田植えC補植と段階を分けて、その都度具体的な栽培管理を農家に呼び掛けた。荷受け時に提出するチェック表では、栽培品種数や品種変更した水田はあるか、コンバイン・乾燥機の掃除をしたかなど8項目を記入する。カントリーでは1日1品種のみ扱う。
(日本農業新聞)

○10月15日(土) 宮城米情報ネット人気 1日の閲覧200〜300件 産地と消費者交流の場に
 4日に開設した、宮城県産米の情報を発信するホームページ(HP)「みやぎ米情報ネット」が早くも人気を集めている。1日の閲覧数は200〜300件と、好調な滑り出しだ。HPは「売れるみやぎ米作り」を支援しようと、宮城県とJA宮城中央会、JA全農みやぎが協力し、みやぎ原種苗センターが運営するもの。産地と消費者の情報交流で、県産米のPRを図る。生産者には生育状況や病害虫情報、米政策や需給流通情報を提供する。また、実需ニーズを分析し、宮城県内の稲作農家に限定してメールマガジンを配信。売れる米作りに役立ててもらう。消費者には「みやぎ米」のこだわり生産情報を提供。県内各JAなどの取り組みを紹介、出穂の様子を撮影した動画や、米と地元食材を使ったレシピなどもあり、盛りだくさんの内容だ。事務局では「今後も内容を充実させていく。生産者・消費者にはもちろん、卸業者など実需者にも見てもらいたい」と呼び掛けている。アドレスはhttp://www.kome-miyagi.jp/
(日本農業新聞)

○10月15日(土) 市民が地米酒造りを応援 宮城・気仙沼市で稲刈り
 地元で作った酒造好適米で造る地酒、「地米酒」造りを応援する「酒米サポーターズクラブ」が8日、気仙沼市廿一地区で稲刈りを行った。市やJA、地元蔵元などで組織する「地米酒づくり研究会」が募った、市内外から親子連れ50人が参加。体験田一面に黄金色に実った稲をかまで刈り取り、はぜ掛けし、天日干しにし、地元農家とともに収穫の喜びを味わった。同地区の「蔵の華」の栽培面積は、昨年と同じ4・57ヘクタール。このうち、市民サポーターらによる稲刈りは、8アールの体験田で行われた。酒造好適米生産者、蔵元、消費者が有機的につながることで、地米酒を醸造・消費することを目的に始まった同研究会の取り組みは、今年で4年目を迎える。生産者組織「清流蔵の華廿一会」の吉田敏会長は「今年の蔵の華の収量、質ともよい。来年の蔵出しが楽しみ」と笑顔で話す。収穫された「蔵の華」は、11月10日の米の検査を受け、男山本店と角星の両蔵元が買い取り、仕込みに入る。
(日本農業新聞)

○10月15日(土) 1等は84・4% 今年産米 9月30日現在
 東北農政局は14日、今年産米の検査結果(9月30日現在)を発表した。東北全体のうるち玄米の1等比率は、84・4%になった。昨年時期を2・3ポイント下回っている。検査数量は30万2795トンとなった。2等以下に格付けした主な理由は、カメムシ類による着色粒の混入や、充実不足や心白・腹白粒の混入が多かったため。最も検査数量が多かったのは秋田で、9万4251トンに上がっている。

2005年産米の検査状況(9月30日現在)
(単位:t、%)
 検査数量1等2等3等
青森2005年3941182.515.71.7
2004年8380088.011.40.5
岩手2005年1001488.59.91.4
2004年1564093.46.00.6
宮城2005年5380874.124.41.5
2004年8592384.914.40.7
秋田2005年9425188.210.41.2
2004年5838384.012.73.2
山形2005年5649587.211.70.8
2004年5609184.613.41.9
福島2005年3279886.912.30.7
2004年4128892.76.80.5
(日本農業新聞)

○10月15日(土) 岩手県産の一等米比率低下 カメムシ被害 あきたこまちに集中
 東北農政局岩手農政事務所が十四日発表した本県の二〇〇五年産うるち米の検査結果(九月末現在)によると、一等米比率は88・5%と前年同期を約5ポイント下回った。カメムシ被害による品質低下が主因で、あきたこまちに被害が集中した。各農協は被害粒の除去などで一等米比率の向上を図る方針だ。九月末現在の検査数量は約1万トン。二等以下に格付けされた理由の80%はカメムシ被害による着色米の混入で、あきたこまちの一等米比率は73・6%と極端に低い。主力のひとめぼれは92・9%で被害は少なかった。あきたこまちは出穂期とカメムシの発生時期が重なったことから被害が集中したとみられる。等級検査では千粒に着色米が二粒以上混入するだけで一等から二等になる。同事務所は「被害粒以外の品質は高い」としており、各農協は色彩選別機を活用した被害粒の除去などで一等米比率の向上に努めている。同時期の一等米比率は、〇二年に稲の倒伏が影響し85%だった以外、ここ五年間は95%前後を確保している。最終的にもほぼ毎年90%以上で全国でもトップクラスだが、二年前からカメムシ被害で一等米比率は低下傾向にある。県農産園芸課の斎藤恭総括課長は「減農薬栽培が主流となり被害を完全に防げなかった面がある。機械選別の強化などで一等米比率を向上できるよう農協への支援に努めたい」としている。
(岩手日報)

○10月15日(土) 1等米比率は88・2% 9月末現在 秋田県内17年産米
 東北農政局秋田農政事務所は十四日、九月末現在の県内十七年産米検査結果を発表した。うるち玄米の検査数量は、前年同期比61・4%増の九万四千二百五十一トン。一等米比率は88・2%で、台風による塩害被害を受けた前年同期を4・2ポイント上回っている。地域別の一等米比率は▽本荘由利95・7%▽湯沢雄勝94・8%▽大曲仙北92・0%▽大館北秋鹿角90・7%▽横手平鹿89・5%▽能代山本89・4%▽秋田河辺85・8%▽男鹿南秋81・1%の順。品種別では▽あきたこまち88・1%▽ひとめぼれ95・1%▽めんこいな85・8%となっている。全県二等米比率は10・4%、三等米比率は1・2%だった。二等以下に格付けされた主な理由は▽着色粒の混入73・0%▽充実度の不足15・8%など。 同事務所は「今年の検査数量は約四万トンと見込んでいる。カメムシ類の被害がみられるものの、一等米比率は現在の水準で推移していくのではないか。農家には刈り取遅れや乾燥調製の失敗などに注意してほしい」としている。
(秋田魁新報)

○10月18日(火) 土にこだわり 売れる米 独自肥料が普及 JA秋田しんせい
 秋田県のJA秋田しんせいは、土づくり運動によるこだわり米に力を入れている。JAが独自に開発した土づくり肥料の散布実績は今年、水稲作付面積の65%、6700ヘクタールに広がった。管内の水稲面積は約9000ヘクタール。独自肥料「大地の息吹」の散布率は、運動を始めた7年前の3%から年々増え、来年は75%の目標を掲げる。「大地の息吹」を散布するなど一定の生産基準をクリアし、さらに整粒歩合75%以上、たんぱく質含有率6・5%以下の品質に達した米は、土づくり実証米として出荷する。運動を推進するため、JAは出荷農家すべての米の食味値を測定した数値を農家に戻し、施肥設計の見直しに役立ててきた。土づくり運動は、農家、JA、行政の地域が一体となって食味の底上げを図り、売れる米づくりを目指す。散布作業はJAが無料で行い、土づくり実証米には独自加算がある。管内1市10町の自治体は、土づくり肥料の散布農家に助成金で支援する。消費地の評価も高まりJAは今年、取り扱いの1割強に当たる5000トンを直接販売する計画だ。土づくり実証米は商標登録を申請中だ。独自販売の米袋には実証米のロゴと、「うまい米は土が元気」とPRする。
(日本農業新聞)

○10月18日(火) 土づくりで着実な成果 良質米生産に自信 JA秋田しんせい
 土づくりが食味の良い米生産に直結する。秋田県JA秋田しんせいの土づくり運動は8年目を迎え、成果を挙げている。土壌分析の結果や、米の食味測定を農家にフィードバックするなど、運動を見えるかたちで指導してきたからだ。土壌分析は1997年度から始めた。400地点で14項目を調査。その結果、団粒化が促進されて丈夫な根の増加が確認できた。土づくりが5年以上経過した土壌は@PHの改善A保温・保水・通気性の向上B保肥力の向上などが見られた。土壌中の有効態リン酸は、乾土100グラム当たり13ミリグラム、ケイ酸は同32ミリグラムと上昇し地力が向上した。土づくり前は、食味値で低レベルだった。JA営農経済部の阿部芳和次長は「5年間続けたころから、作土が深く空気が入った軟らかい土に変化し、1等米比率も向上した」と話す。今では県内有数の高品質米地帯となった。土づくりにより養分吸収が促進され、丈夫な根と茎葉が形成されることかで登熟歩合が高くなる。粒の大きい低たんぱく米生産につながっている。土づくりのもととなる独自開発肥料「大地の息吹」は、古代の植物が腐植した亜炭という原料を12%含み、完熟堆肥(たいひ)の8倍の効果があるという。稲刈り後から、10アール当たり100キロを投入する。散布による土壌変化を稲作部会や集落座談会などことあるごとに数値で農家に示してきた。地力が向上した結果、減農薬・減化学肥料も可能となった。JAでは土づくり優秀農家と集落を表彰するなど、地域一帯の取り組みが大きな武器となっている。
(日本農業新聞)

○10月20日(木) 早く食べたいな 小学校で稲刈り 青森・十和田市
 十和田市立ちとせ小学校の5年生95人が14日、たわわに実った水稲うるち米「ゆめあかり」を刈り取って、収穫の喜びを味わった。稲刈りした「ゆめあかり」は、5月中旬に同校児童が田植えしたもの。3アールの田んぼで児童たちは、稲刈りかまで株元を刈って、稲穂をひもで束ね、稲穂を上に向けて島立てした。同校では刈り取った稲を11月中旬に脱穀し、精米して授業の中で調理し味わう予定。
(日本農業新聞)

○10月20日(木) 世代間交流で古代米刈り取り 岩手・江刺市
 江刺市梁川の「小林自然に親しむ会」は16日、同地区小林地内の水田で、無農薬・無肥料で育てた古代米と、もち米の刈り取りを行った。約8アールの休耕田を利用して6月5日に田植えを行い、会員が手作業で除草やあぜの草刈りなどを管理。古代米ともち米は、地域の子どもたちやJA青年部員、地区民ら約70人の手によって刈り取られ、はさ掛けされた。昨年7月に地元有志で結成された同会は、県の「ふるさとと水と土保全基金対策事業」を活用。昔ながらの米作りを体験させながら、水田周辺を環境観察の場とした。大人と子供が一緒に、水田農業の多面的機能を学び、維持増進につなげていくことを目的に、水田とその周辺を「小林ビオトープ(略称・コバビー)」と名付けた。刈り取った稲は、古代米と同地区で約50年前まで栽培されていた冷水に強いもち米「水口もち」と「清水もち」。収穫した米は、参加者で試食会を行うほか、今月末に行われるJAふれあいフェスティバルの会場で、青年部が試食販売を行う。
(日本農業新聞)

 
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○10月21日(金) 昨年よりもうまく刈れた 岩手・一関市の学校田で収穫
 田植えや稲刈り体験を通して、地域産業の農業について学ぼうと、一関市立滝沢小学校5、6年児童61人は17日、同校の学習田で稲刈り体験を行った。児童は「稲刈りの達人」ことJAいわて南青年部真滝支部の部員10人の指導を受けながら次々と稲を刈った。体験に先立ち刈り方を指導した菅原吉昭青年部副委員長は「かまの持ち方に気を付けること、10株を1束にして切り口をそろえ、しっかりひもで結んでください」と分かりやすく説明した。児童らは穂先の垂れた稲を丁寧に刈りながら収穫の喜びと作業の大変さを実感していた。中には稲の持ち方が逆手なので本手に持ち替えるよう指導される児童もいた。5年の和賀都さんは「初めてかまを持った。難しかったけど頑張りました」と話し、6年の千葉裕也さんは「昨年よりうまく刈れた。家に帰ってみんなに話します」と得意げに話した。
(日本農業新聞)

○10月23日(日) 足踏み脱穀機 興味津々 青森・JA下田町米軍基地家族と稲刈り
 日本の米作りを知ってもらおうとJA下田町は15日、米軍三沢基地の家族を対象に稲刈り・収穫祭を行った。JAでは基地内の軍人ら家族を対象に春の田植えから秋の収穫作業の実体験を企画。第35施設隊環境課が仲介し、30人の親子がかまを使っての稲刈りと、昔ながらの足踏み脱穀機を使っての収穫作業を楽しんだ。この日は同町木ノ下地区の松林繁志さんの水田で、かまの使い方や稲の束ね方など往路の手ほどきを受けての初挑戦となった。また、足踏み脱穀機は初めて見る装置で全員が興味深げ。零細農業が使ってきた小さな機械に子どもたちはおもしろがって作業をしていた。作業終了後は、地元町内の女性グループの協力でもちつきも体験し、「とり汁」と一緒に味わった。
(日本農業新聞)

○10月23日(日) 黒米稲刈りで消費者と交流 JAいわて花巻で神奈川コープ組合員
 JAいわて花巻と連携し精米を取り扱う生協・神奈川ゆめコープはこのほど、稲刈りツアーで組合員の親子34人が東和町を訪れ、生産者と交流を深めながら、作業に汗を流した。同町安俵の赤坂俊典さんの水田13アールで、JA水稲部会東和支部の役員の指導で、参加者らは黒米「朝紫」を丁寧に刈り取った。黒米のため「稲穂の色が少し違うね」と話し、生産者と交流を深めた。JAの担当者は「消費者の皆さんに体験を通じ、米はもちろん、花巻の特長である雑穀にも理解を深めて欲しい」と強調し、魅力ある産地を発信したい考えだ。
(日本農業新聞)

○10月23日(日) 減農薬に助成上乗せ 環境保全型農業で新制度 農水省
 農水省は二十二日、農地や農業用水路の保全など環境に配慮した活動をする団体に助成する制度の概要を決めた。精度は農家の高齢化で荒廃する農地を地域ぐるみで守るのが主な狙いで、用水路管理などに加え、減農薬など環境に負担をかけない農業も進める団体には助成金を上乗せする仕組み。二〇〇七年度から導入する予定。対象は、活動内容について市町村と協定を結んだ農家や住民のグループや民間非営利法人団体(NPO)など。農地や農業用水路の点検、維持のほか、棚田など農村景観の維持、子供らを対象にした環境学習などの活動を継続的に行っていることを助成の要件とする。こうした活動に加え、家畜排せつ物の堆肥(たいひ)や天敵の昆虫などの利用で、化学肥料や農薬の使用を減らしている団体には助成金を上乗せする。同省は全国約四百カ所で保全活動の実態調査をしており、調査結果を踏まえ、どの程度の活動内容を対象にするかや助成金額などを今後詰める。同省は「農村環境を守ることで、担い手の生産活動を支援することにもなる」と説明している。
(河北新報)

○10月24日(月) 世界の米在庫 30年ぶりの低水準 増産も需要増賄えず
 世界の米期末在庫率が5年連続で落ち込む見通しとなった。2005/06年度の米生産量は前年を上回るものの、増加する需要を賄い切れず、在庫量は前年度より892万トン減る計算だ。1970年代の「食料危機」の水準まで在庫率が低下することになる。米国農務省が12日までにまとめた世界の農産物需給予測によると、米の生産量(精米)は4億471万トン。3年連続の増産だが、過去最高の99/2000年度には達しない。需要量は4億1363万トンで、期末在庫は6429万トンまで減る。期末在庫率は15・5%で、食料危機の74/75年以来の最低に落ち込むことになった。世界の米生産は、品種改良やかんがい施設の拡充など「緑の革命」を背景にした面積当たり収量の増加と作付け拡大で、右上がりで増えてきた。しかし、90年代後半に需要の伸びが鈍化。米在庫が積み上がったため、中国、インドなどの主要な生産国が他産地への転換を進め、在庫率の急減に結びついた。
(日本農業新聞)

○10月25日(火) 収穫の喜び味わう 秋田・二ッ井町の小学校で稲刈り
 農作業を通じて農業や食への理解を深めようと、二ッ井戸町立富根小学校が17日、稲作体験学習を行い、児童らが秋晴れの下、かまを手に、たわわに実ったあきたこまちの手刈りに挑戦した。稲刈りに挑戦したのは、3〜6年生の46人。児童らは、祖父母やJAあきた白神青年部の指導を受けて、5月に田植えの体験学習で植えた苗の成長驚きながら、黄金色に実った稲をかまで1株ずつ丁寧に刈り取り、収穫の喜びを味わっていた。
(日本農業新聞)

○10月25日(火) 米、前回比3%高 4割が不落札 第5回入札
 全国米穀取引・価格形成センターは24日、2005年産米の第5回入札取引(19、21日実施)の結果を発表した。平均落札価格は、60キロ1万5387円で、上場が少なかった前回取引(10月上旬)と比べると3・0%(443円)高と小幅上昇した。前年同期に比べると2・9%(458円)安い。豊作の見通しから、米卸の買い意欲は依然として低調で、全体の4割が売れ残った。全国から67銘柄、9万9900トンが上場。出来秋を迎え主要な銘柄が出そろった。不落札の発生は5回連続となった。上場量に対する米卸の注文倍率は1・0倍で、過去4回の取引と比べても最低となり、買い手の仕入れ意欲の低さを映した。北海道「ほしのゆめ」、宮城「ササニシキ」など13銘柄は全量落札された。初登場の「ヒノヒカリ」は、佐賀産が1万4803円、福岡産1万4003円の初値を付けた。高級銘柄の新潟・魚沼「コシヒカリ」、秋田「あきたこまち」や北海道「きらら397」が前回並みとなった。
(日本農業新聞)

○10月25日(火) 05年産米 豊作予想で2・9%安 山形コシは1万6083円
 全国米穀取引・価格形成センターが二十四日発表した二〇〇五年産米の第五回入札結果によると、上場された六十七銘柄の平均落札価格(六十キログラム)は一万五千三百八十七円で、前年同時期の入札に比べ2・9%(四百五十八円)値下がりした。本県産米は、内陸、庄内の計七銘柄が上場され、いずれも前年同期に比べて値下がりした。価格は、山形産が、コシヒカリ(確認米)が一万六千八十三円で4・3%安、あきたこまち(同)は一万四千七百八円で4%安、はえぬき(同)は一万四千九百六十五円で4・1%安、はえぬきは一万千八百六十円で2・9%安。庄内産は、コシヒカリ(確認米)が一万五千九百一円で3・6%、ひとめぼれ(同)は一万四千九百一円で3・9%、ひとめぼれ(同)は一万四千八百五十円で3・6%のそれぞれ値下がりとなった。庄内産は三銘柄とも落札率が60%に達せず、参考価格。
(山形新聞)

○10月27日(木) 「コシヒカリ新潟BL」 いもち病の発生ゼロ 新潟県
 新潟県で今年から導入された「コシヒカリ新潟BL」がいもち病の発生抑制に大きな効果を挙げ、調査圃場(ほじょう)レベルでは過去10年に比べて最も少ない水準だったことが分かった。県は「栽培期間中を通じて発生がまったく確認できなかった」と話す。県は今年から、農家に配布する種子をすべて、「BL」に切り替えた。これにより県は、昨年まで3回を基本にしてきたいもち病の防除剤の散布回数を平場地帯でゼロ回、いもち病が出やすい中山間地でも1回だけにするよう指導してきた。県の病害虫防除所が6〜9月に6回・県内83カ所の圃場で調査したところ、発病度はいずれも、まったく発生していないことを示す「0」だった。県によると、いもち病の発生には温度、湿度ともに最適の年で、従来の「コシヒカリ」やほかの品種を栽培した水田では発病が見られたという。「BL」は5年前から有効性を試験してきたが、いもち病への抵抗性の高さが今回あらためて確認されたことになる。県は「農薬を減らした栽培が可能になる。環境保全型の稲作を積極的に進めていきたい」(農産園芸課)と強調する。「BL」は新潟県が20年近くをかけて開発した品種。約9万3000ヘクタールある「コシヒカリ」の作付面積のうち、今年は「98%が同品種に切り替わった」(農産園芸課)と推測される。
 メモ 
 発病度 新潟県では、田んぼ1枚ごとに25株を検査。1株当たり発病の度合いを0〜4の5段階で判別する。最も重い発病がすべての株で見られた場合は発病度100(4×25株)となる。新潟県の5段階での平年値は3・59。
(日本農業新聞)

○10月27日(木) 青森産米の催し多彩に 需要拡大推進本部がイベント
 青森県産米需要拡大推進本部は22、23日の両日、東京のお米ギャラリー銀座で「あおもり米inお米ギャラリー青森米新米イベント」を開いた。2日間の来客数は約7000人。ステージでは、ミス・クリーンライスあおもりの門藤亜美さんによる青森県および県産米のPRや、アンパンマンでおなじみのやなせたかしさんが、青森県の誇る豊かな自然をイメージしてデザインした青森米応援キャラクター「青森お米大使」による記念撮影、「つがるロマン」「ゆめあかり」の試食・販売、ゲーム大会を行った。ギャラリーを訪れた人々は「つがるロマン」と「ゆめあかり」の2種類の新米を食べ比べ、自分の好みを話したり「甘くておいしい」「つやがあって、もちもち感がある」と話していた。また、お米ギャラリー2階の「ごはん亭」で使用されたのは「つがるロマン」。食事をして「おいしい」ということで、買い求めに来る人もいた。
(日本農業新聞)

○10月27日(木) 地域の稲収穫に貢献 農家の作業請け負い 久慈・宇部中部機械利用組合
 久慈市宇部町で稲刈りなどの作業受託を行う宇部中部機械利用組合(大沢広組合長、組合員三人)は、集落営農組織として地域の米づくりに貢献している。出稼ぎや高齢化のため自前で稲刈りができない農家の作業を請け負い、設立十一年目の今秋は約820アールを受託した。古里の田園風景維持を目指す組合員の使命感が活動を支えている。同組合の本年度の受託状況は町内三地区に居住する農業者三十人分、計822アールで、三地区居住の農業者の水稲栽培面積に占める割合は約70%。組合所有のコンバイン一台と乾燥機三台を稼働させ、今月十四日までに一連の作業を終えた。同組合は一九九五年、同市の認定農業者だった大沢組合長と大沢勝雄さんら三人で設立した。町内の三地区(計百十七地帯)を対象に、主に稲刈りともみの乾燥作業を受託。同市農業委員会が定めた農業労賃標準額に基づく委託料で運営している。県の補助事業でコンバイン一台と乾燥機二台を購入し、事業をスタート。初年度から十八人分、計563アールを請け負い、次年度以降は毎年700〜800アールを受託してきた。同組合によると、本年度の委託理由は▽出稼ぎ▽高齢化で全体面積の50%弱を占めた。地域の稲作は兼業による自家消費が中心で農家一戸当たりの栽培面積が小さく、個別の大型機械の導入は困難。人手不足や高齢化のため、コンバインを使わない時に稲を乾燥させるはせ掛けなどは負担が大きい。市内で同種の組合は数団体だけで、大沢組合長は「地域で米を作る人を減らさない手伝いと思って頑張ってきた。今後もできる限り期待に沿えるようにしたい」と意欲を新たにしている。
(岩手日報)

○10月28日(金) 手慣れた手つき 楽しく収穫 秋田・羽後町の小学校
 羽後町立西馬音内小学校はこのほど、総合学習の一環で「稲刈り体験学習」を行った。昔ながらの手刈りで、小松正行さんが所有する黄金色に染まった田んぼで収穫した。農業の楽しさと収穫の喜びを伝えようと同校とJAこまち青年部が行った。けがをしないように正しいかまの使い方を習うと、「家でお手伝いしている」と言う児童は手慣れた手つき。われ先にとあっという間に収穫を終えた。11月中旬には、自分たちが育て収穫したお米を味わう収穫祭を行う。
(日本農業新聞)

○10月28日(金) 日本酒、お燗専用 一ノ蔵「冷酒よりコク」
 日本酒製造の一ノ蔵(宮城県松山町、桜井武寛社長)は、お燗(かん)専用で飲む清酒「一ノ蔵 燗上がり純米酒」=写真=を発売した。「蔵の華」など四種類の宮城県産米を使用、冷酒に比べてコクがあり、甘みも増しているという。燗専用の清酒は全国でも珍しく、低迷する清酒需要の回復につなげたい考えだ。販売期間は出荷状況によって変動するが、最長で来年二月末まで。一・八リットルと七百二十ミリリットルの二種類で、価格はそれぞれ二千五百円と千二百五十円。四五−五〇度の「上燗」という「熱燗」と「ぬる燗」の中間の温度帯に温めると、最もおいしく味わえるという。昨年末に試験販売したところ好評だったため、宮城県内の酒販店を中心に本格販売に踏み切った。
(日本経済新聞)

○10月29日(土) 101の平年並みに 青森103、岩手101、秋田100 15日現在水稲作況
 東北農政局は28日、10月15日現在の2005年産水稲の作柄概況を発表した。秋田で100となったものの、東北地方の作況指数は前回(9月15日現在)と変わらず101の平年並み。10アール当たりの収量は前年対比3%増の563キロと予想している。9月15日以降、カメムシ被害などのマイナス要因もあったが、天候が良好に経過したことから、登熟が進み、全体では平年並みとなった。刈り取り済み割合は、東北全体で96%。県別では、青森103、岩手101、秋田100。地帯別で前回に比べて1ポイント上昇したのは、やませの影響が少なかった、青森の青森地域103、南部・下北地域106、岩手の北部102、下閉伊103。一方で1ポイント低下したのは、一部、カメムシの被害などに見舞われた岩手の北上川上流100、東南部104。10アール当たりの収量は、青森で600キロ(前回比3キロ増)、岩手で538キロ(2キロ減)、秋田で575キロ(3キロ増)となった。
(日本農業新聞)

○10月29日(土) 秋田県平年並みの100 前年比で19%増加 15日現在作況指数
 東北農政局秋田統計・情報センターは二十八日、十七年産水稲の十月十五日現在の作柄概況を発表した。十アール当たり収量は五百七十五キロと見込まれ、全県の作況指数は前回調査(九月十五日現在)と変わらず、「一〇〇」の平年並み。全県の予想収穫量は五十四万四千トンで、台風による塩害を受けた前年から八万七千七百トン、19%増加すると予想されている。地域別の作況指数は、県北部が「一〇二」のやや良、中央部と県南部がともに「一〇〇」だった。県北部と中央部は前回調査と変わらず、県南部は九月後半から日照に恵まれたことで登熟が当初予想より良好だったことにより、前回調査から1ポイント上昇した。十アール当たり予想収量と地域全体の予想収穫量を地域別にみると、県北部五百六十五万トン、十二万四千九百トン、中央部五百七十五キロ、十八万九千八百トン、県南部五百八十一キロ、二十二万九千五百トンとなっている。作柄概況の確定値は十二月上旬発表されるが、同センターは「十月十五日現在で刈り取りの進ちょく率は99%となっており、今回発表した数字が、ほぼ最終的な内容になるだろう」としている。大幅な価格下落を防ぐ目的で過剰米を市場から隔離する「集荷円滑化対策」は、十月十五日現在の作況指数が全国、都道府県、地域のいずれも一〇一以上となった場合、その地域に発動される。全県の作況指数が一〇一に達しなかった本県では一七年産水稲について、三地域いずれでも発動されないことが確定した。
(秋田魁新報)

○10月29日(土) 1等米比率87・8% 17年 秋田県産
 東北農政局秋田農政事務所は二十八日、十月十五日現在の県内の十七年産米検査結果を発表した。うるち玄米の検査数量は、前年同期比20・3%増の二十七万千四百四十三トン。一等米比率は87・8%で、台風による塩害を受けた前年同期を6・7ポイント上回っている。前回調査(九月末現在)からは0・4ポイント低下した。地域別の一等米比率は▽本荘由利95・0%▽湯沢雄勝93・5%▽能代山本90・2%▽大曲仙北89・3%▽大館北秋鹿角88・8%▽横手平鹿87・7%▽秋田河辺85・0%▽男鹿南秋80・4%の順。銘柄別では▽あきたこまち87・6%▽ひとめぼれ95・4%▽めんこいな84・1%など。全県の二等米比率は10・6%、三等米比率は1・3%だった。二等以下に格付けされた主な理由は▽着色粒の混入63・4%▽充実度の不足21・7%などとなっている。
(秋田魁新報)

○10月29日(土) 水稲作況 会津102 中通り101 過剰分、初の区分出荷へ 福島県
 東北農政局福島統計情報センターは二十八日、十月十五日現在の水稲の作況指数を発表した。県平均は一〇一(平年作=一〇〇)の「平年並み」となった。地域別では会津が一〇二の「やや良」、中通りが一〇一、浜通りが一〇〇でともに「平年並み」。十五日現在の十アール当たりの県平均予想収量は五百四十三キロで、前年より十二キロ減った。同センターによると、田植え期に気温が低い状況が続いたが、その後は平年を上回る日が多かった。日照量や降水量も平年程度で、台風などの被害も少なかったため、平年並みの作柄となった。作付面積は八万二千七百ヘクタールで、前年の八万二千百ヘクタールより六百ヘクタール増えた。全国の作況指数は一〇一となり、平年作を超えたため、コメ価格の下落を防ぐため昨年設けられた国の「集荷円滑化対策」が初めて発動される。都道府県と、コメの産地別などの基準で設けた地域で、指数が共に一〇一以上の地域が対象で、県内では会津と中通りが該当する。集荷円滑化対策では国の需要見通しを超えた場合に価格を安定させるため、過剰分を主食用以外に区分して出荷する。一年間保管するか加工用に回すことで市場のコメ余りを防ぐ。県内では稲作農家の約半数の三万五千六百二十五人が対策に加入しており、会津で千五百トン、中通りで九十九トンの計千五百九十九トンが主食用以外の出荷量として農家に割り当てられる。区分出荷されるコメは六十キロ六千円で米穀安定供給確保支援機構が買い上げる。市場価格の半値以下で農家にとっては痛手だ。初めての対策発動だけに市場への影響は未知数。全国で発動されるのは二十四都道府県の計六十三地域になる。昨年は本県平均で一〇四の「やや良」だったが、全国が九八の「やや不良」だったため発動されなかった。国は今年産のコメの収穫量を九百六万三千トン、消費見込み分などを差し引いた余剰分を約四十万トンと予想。このうち豊作による約九万トンが対策の対象となる。残りは政府備蓄米などとして買い上げられる。
(福島民報)

○10月29日(土) 山形県内は「101」変わらず 水稲作況指数
 東北農政局山形統計・情報センターは二十八日、十月十五日現在の県内における作況指数などを発表した。作況指数は九月十五日時点と変わらず「一〇一」の「平年並み」で、県全体で四十二万九千五百トン(前年比三万二千九百トン増)の収穫が見込まれる。地域別では、村山が前回の「一〇二」から「一〇一」に下方修正された以外は、最上の「九九」、置賜と庄内の「一〇一」と変わらなかった。作付面積は七万千七百ヘクタールで前年より千ヘクタール増加した。十アール当たり収量は五百九十九キロで平年を五キロ上回る見込み。
(山形新聞)

○10月29日(土) 一等米は87・5% 本年産山形県産米
 東北農政局山形農政事務所は二十八日、本年産県産米の検査結果(十月十五日現在)を発表した。水稲うるち玄米の一等米比率は87・5%となっている。検査数量は十七万五百五十四トンで前年同期の105・6%。品種別の一等米比率は「はえぬき」(検査数量十一万四千五百九トン)が88・9%、「あきたこまち」(同一万九千六百五十九トン)が72・7%、「ひとめぼれ」(同一万九千五十九トン)が93・5%、「コシヒカリ」(同九千九十四トン)が95・1%、「ササニシキ」(同四千四百十八トン)が77・9となっている。地域別の一等米比率は、酒田96・9%、鶴岡95・2%、村山84・1%、新庄85・2%、南陽82・4%、山形84・8%。二等以下に格付けされた主な理由は、カメムシ類による着色粒が74・7%、充実度(不足)が12・8%だった。
(山形新聞)

○10月30日(日) 1等米78% 10月15日現在 農水省
 農水省は29日までに、2005年産米の検査結果を発表した。10月15日現在で、前年産と同水準の294万トン(水稲うるち玄米)が検査を終了。1等米の割合は、78%で前年産を5ポイント上回る。1等米比率をみると代表銘柄では、新潟「コシヒカリ」が81%、宮城「ひとめぼれ」が74%、秋田「あきたこまち」が88%。大豊作の北海道は「きらら397」が96%。台風や病害虫被害が出た九州は2、3等比率が高い傾向が出ている。
(日本農業新聞)

○10月30日(日) 小麦1等75% 10月15日現在 農水省
 農水省は29日までに、2005年産麦の10月15日現在の検査結果をまとめた。受検数量は前年より7%少ない99万8000トンで終盤に入った。麦の年間検査量は110万トン程度。検査量全体の8割を占めている普通小麦の1等比率は75%で、前年産より4ポイント高い。普通小麦の産地別1等比率は、主力の北海道で68%、群馬県が93%、福岡県が97%、佐賀県が98%。小麦以外の1等比率は、普通小粒大麦が63%(前年産は38%)、普通大粒大麦は74%(同62%)、普通はだか麦が79%(同50%)、ビール大麦が5%(同0%)。
(日本農業新聞)

 
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