水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(10月5日)
No.24
- 早期警戒態勢解除のお知らせ -

 2002年産水稲の冷害警戒態勢を本日で解除いたします。
 本年の稲作は5月中旬に気温が低く、6月上旬には高く、6月下旬にかなりの低温という気温の大きな変動の下で、草丈は短いものの、ほぼ平年並の生育となりました。
 しかし、7月には2つの台風が通過するなど、東北北部を中心に日照不足となり、葉いもちの多発が心配され始め、梅雨明け後は晴れたものの、8月には停滞前線の影響で再び日照不足となり、さらに中旬には低温となり、出穂・開花期の日照不足と低温が作柄にどのように影響するかが早期警戒のポイントとなりました。
 これらの日照不足の影響を調査するため、8月中旬から各地を回り穂のサンプルを集め、不稔籾と褐変籾の発生状況、登熟歩合への影響などの調査・分析・診断に追われる日々が続きました。そして、9月26,27日の最低気温の低下には緊張させられ、登熟の停止が懸念されました。10月3日の青森県モニター圃場の坪刈りと現地調査、4日の生育作柄診断試験区の坪刈りをもって、本年度の活動をほぼ終えたといえます。この間緊張の続く約2か月を費やしました。
 本年度の作柄は出穂・開花期の日照不足と低温に特徴づけられます。今後時間をかけて日照不足と低温の影響を分析したく考えています。
 さて、本システムの運営を支えて頂いた東北地域水稲安定生産推進連絡協議会の関係機関(仙台管区気象台、東北農政局、管内6県、東北農業研究センター)、東北大学・岩手大学の研究者やアメダス気象情報の提供とシステムの維持管理をして頂いた民間の方々に厚く御礼申し上げます。また、チームと生産現場との接点にある早期警戒モニターの方々、本年も技術的なヒントとたくさんの思い出を頂きました。また一般の方々からは難問を頂き、返事に困ったこともあります。それぞれの方々に感謝申し上げます。
 前編集長が急に転出して、初めての運営で不慣れな点も多く、情報更新の遅れなどでご不便をおかけしましたが、変わらないご愛顧をいただきました閲覧者の皆さま、そして、最後になりますが、警戒活動を支えてくれたチーム長、メンバー、支援関係者に感謝申し上げます。

 
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