1999年仙台管区気象台発表予報
7月2日発表1ヶ月予報
本情報は仙台管区気象台発表の1ヶ月予報内容をお知らせします.
○7月2日発表 1ヶ月予報(7月3日から8月2日)
向こう1ヶ月の気温、降水量、日照時間、降雪量の各階級の確率(%)。

注)気温・降水量・日照時間は低い・平年並み・高い(少ない・平年並み・多い)の3階級で予報されます。階級幅は、平年値(1961年から90年)における各階級の出現頻度が30%対40%対30%となるように決める。
<予想される天候の特徴(予報期間:7月3日〜8月2日)>
期間の前半は梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響をうけやすく、太平洋側を中心に平年同様曇りや雨の日が多いでしょう。後半は平年同様晴れの日が多くなる見込みです。
平均気温は「平年並」でしょう。(平年の晴れ日数は約13日です。)
<概 要>
[気 温]:東北地方は「平年並」の可能性が大きく、その確率は50%です。次に大きい確率は「低い」で30%です。「高い」確率は20%と小さい。
[降 水 量]:日本海側は「少ない」か「平年並」の可能性が大きく、その確率はそれぞれ40%で、「多い」確率は20%と小さい。
太平洋側は「平年並」の可能性が大きく、その確率は50%です。次に大きい確率は「多い」で30%です。「少ない」確率は20%と小さい。
[日照時間]:日本海側は「平年並」の可能性が大きく、その確率は50%です。次に大きい確率は「多い」で30%です。「少ない」確率は20%と小さい。
太平洋側は「少ない」か「平年並」の可能性が大きく、その確率はそれぞれ40%で、「多い」確率は20%と小さい。
○7月3日(土)から7月9日(金)
3〜4日頃にかけて梅雨前線の影響で全般に雨となるでしょう。その後は、梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で太平洋側南部を中心に曇りや雨の日が多い見込みです。日本海側北部では晴れる日があるでしょう。
平均気温は低い見込みです。
(平年の晴れ日数は約3日です。詳細は週間天気予報を参照して下さい。)
○7月10日(土)から7月16日(金)
梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響をうけやすく、太平洋側を中心に平年同様曇りや雨の日が多いでしょう。
平均気温は平年並の見込みです。
(平年の晴れ日数は約3日です。)
○7月17日(土)から7月30日(金)
梅雨前線や低気圧の影響で曇りや雨の日もありますが、平年同様晴れの日が多くなるでしょう。
平均気温は平年並の見込みです。(平年の晴れ日数は約7日です。)
<予想される天候に関する循環場の特徴(アンサンブル平均天気図)>
・500hPa高度・偏差
月平均では、日本付近は広く正偏差に覆われている。また、5880m線が日本の南海上に位置する。一方、オホーツク海には優勢なリッジがあり、日本付近は逆位相パターン。
2週目(各週の図略)は、1週目と同様にオホーツク海に優勢なリッジがあり、日本付近は逆位相パターンが続く。しかし、3〜4週目にはオホーツク海付近のリッジは見られず、5880m線が東日本まで北上する。
・地上気圧と降水量
月平均では、梅雨前線に対応して日本の南岸にまとまった降水域がかかる。また、太平洋高気圧が日本の南に張り出すが弱く、オホーツク海高気圧が明瞭。
2週目以降の地上の降水量(図略)は、日本付近に広がるが、まとまったものは見られない。また、2週目までオホーツク海高気圧が顕著だが、3〜4週目にははっきりしない。
850haの気温偏差の実況と各アンサンブルメンバーの予想
北日本850hPaの気温は、アンサンブルメンバーの平均でみると3週目にかけて平年を下回るが、その後は昇温して平年を上回る。
2週目以降はアンサンブルメンバーのバラツキが大きいが、昇温傾向は同様。
北日本850hPa高度(上空約1500m)での気温偏差の実況と予想縦軸:気温偏差(℃)、横軸:日付発表日以降の細線は各アンサンブルメンバーの予想値、太線は平均値。
注)・資料の内容を他の要素により修正して予報を組み立てることがあります。
・850hPaの気温は、地上の気温と必ずしも対応しないことがあります。
注:1か月予報では、よく似た初期値から出発した10個の数値予報結果のバラツキ具合から予報の信頼度や確率を計算します(この手法をアンサンブル予報といい、10個の予報結果のそれぞれをアンサンブルメンバーといいます)。一般に予報結果がばらつかないほど、大気の流れが予測しやすい状態にあると考えられます。このような状態の時は、信頼度が高くなり、確率の大きな予報を出すことができます。

図 北日本850hPa高度(上空約1500m)での気温偏差の実況と予報
最近1週間の天候の経過
この期間、日本の南岸に停滞した梅雨前線や低気圧の影響をうけ、曇りや雨の日が多かった。特に、30日は梅雨前線の活動が活発化したため、太平洋側を中心に大雨となり、各地で土砂崩れや家屋への浸水等被害が発生した。30日の各地の雨量は、白河で119.5mm、福島で116.0mm、大船渡で108.0mm、仙台で107.0mmに達した。
気温は平年を上回る。降水量は平年を上回り、特に太平洋側で多い。日照時間は平年を下回り、特に太平洋側で少ない。
| 気温偏差(℃) | 降水量(%) | 日照時間(%) |
東北全域 | +0.3 | 239 | 68 |
東北日本海側 | +0.3 | 123 | 83 |
東北太平洋側 | +0.3 | 317 | 58 |
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