1999年仙台管区気象台発表予報
8月13日発表1ヶ月予報
本情報は仙台管区気象台発表の1ヶ月予報内容をお知らせします.
○8月13日発表 1ヶ月予報(8月14日から9月13日)
向こう1ヶ月の気温、降水量、日照時間、降雪量の各階級の確率(%)。

注)気温・降水量・日照時間は低い・平年並み・高い(少ない・平年並み・多い)の3階級で予報されます。階級幅は、平年値(1961年から90年)における各階級の出現頻度が30%対40%対30%となるように決める。
<予想される天候の特徴(予報期間:8月14日〜9月13日)>
東北地方は、この期間高気圧に覆われ晴れる日もありますが、気圧の谷の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。日本海側の著しい高温状態は解消し、東北地方の雨の少ない状態は解消に向かっています。
この期間の平均気温は平年並か高い見込みです。平年の晴れ日数は約15日です。
<概 要>
[気 温]:東北地方は「平年並」か「高い」の可能性が大きく、その確率はそれぞれ40%です。「低い」の確率は20%と小さい。
[降 水 量]:日本海側は「平年並」か「多い」の可能性が大きく、その確率はそれぞれ40%です。「少ない」の確率は20%と小さい。太平洋側は「多い」の可能性が大きく、その確率は50%です。「平年並」の可能性は30%で、「少ない」の可能性は20%です。
[日照時間]:日本海側は「平年並」か「少ない」の可能性が大きく、その確率はそれぞれ40%です。「多い」の確率は20%と小さい。太平洋側は「少ない」の可能性が大きく、その確率は50%です。「平年並」の可能性は30%で、「多い」の可能性は20%です。
○8月14日(土)から8月20日(金)
気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多く、期間のはじめは雨の強く降る所があるでしょう。
平均気温は高い見込みです。平年の晴れ日数は約4日です。
詳細は週間天気予報を参照して下さい。
○8月21日(土)から8月27日(金)
高気圧に覆われ晴れる日もありますが、気圧の谷の影響で天気がぐずつく時期があり、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
平均気温は平年並の見込みです。平年の晴れ日数は約4日です。
○8月28日(土)から9月10日(金)
高気圧に覆われ晴れる日もありますが、気圧の谷の影響で天気がぐずつく時期があり、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
平均気温は平年並の見込みです。平年の晴れ日数は約7日です。
<予想される天候に関する循環場の特徴(アンサンブル平均天気図)>
・500hPa高度・偏差
月平均でみると、日本付近は広く正偏差に覆われるが、夏型の安定した晴天をもたらす太平洋高気圧は、日本の南海上に後退する予想となっている。
2週目、3〜4週目とも月平均とほぼ同様の傾向を示しており、太平洋高気圧は、平年同様次第に弱まる見込みです。また、北海道を中心に東西流の卓越する流れの場となり、東北地方は低気圧や前線の影響を受けやすくなる。
・地上気圧と降水量
月平均では、太平洋高気圧は日本の南海上に張り出しているが、北海道の東方海上には別の高気圧が予想される。このため、日本付近は2つの高気圧の割れ目に入り、低気圧や前線の影響を受けやすい。
週別(図略)でも月平均図と同様の傾向が予想され、これまでの雨の少ない状態から、雨の降りやすい状態へと変わってくる見込み。
850haの気温偏差の実況と各アンサンブルメンバーの予想
北日本850hPaの気温は、アンサンブルメンバーの平均でみるとこれまで高めで推移してきたが今後下降し、1週目後半以降は平年並が予想されている。ただし、最近の傾向として予想より実況が高めに推移しているので、今回は予想よりも高めと考える。
北日本850hPa高度(上空約1500m)での気温偏差の実況と予想縦軸:気温偏差(℃)、横軸:日付発表日以降の細線は各アンサンブルメンバーの予想値、太線は平均値。
注)・資料の内容を他の要素により修正して予報を組み立てることがあります。
・850hPaの気温は、地上の気温と必ずしも対応しないことがあります。
注:1か月予報では、よく似た初期値から出発した10個の数値予報結果のバラツキ具合から予報の信頼度や確率を計算します(この手法をアンサンブル予報といい、10個の予報結果のそれぞれをアンサンブルメンバーといいます)。一般に予報結果がばらつかないほど、大気の流れが予測しやすい状態にあると考えられます。このような状態の時は、信頼度が高くなり、確率の大きな予報を出すことができます。

図 北日本850hPa高度(上空約1500m)での気温偏差の実況と予報
最近1週間の天候の経過
この期間、東北地方は太平洋高気圧に覆われ、日本海側を中心に暑い晴天がつづいた。10〜12日にかけては、日本の南海上を北上してきた弱い熱帯低気圧の影響で大気の状態が不安定となり日本海側の所々で雷雨となった。また湿った東よりの風の影響で太平洋側南部では曇りの所が多かった。平均気温は、東北全域の平年差が+3.3度と先週に引き続き高温状態が持続したが、太平洋側南部では+2度前後で著しい高温状態はおさまった。降水量は、北部で平年の44%、南部で1%と少なく、日照時間は、東北全域で平年の146%と多かった。
| 気温偏差(℃) | 降水量(%) | 日照時間(%) |
東北全域 | +3.3 | 18 | 146 |
東北日本海側 | +3.9 | 44 | 160 |
東北太平洋側 | +2.9 | 1 | 137 |
reigai@tnaes.affrc.go.jp