図説:東北の稲作と冷害
秋田県の水稲うるち米作付品種
秋田食糧事務所の公表データから最近の作付品種の動向を紹介する。最も大きな特徴は、「あきたこまち」が80%を超す作付シェアを占め、秋田県を象徴する良食味品種であることだ。
秋田県の水稲うるち米作付品種
図1の作付面積シェアからみた秋田県の基幹品種は、「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ササニシキ」の3品種であるといえる。それら3品種は県全体の作付面積の93.9%を占める。平成13年度の同速報値によると、「あきたこまち」が81.6%、「ひとめぼれ」7.7%、「めんこいな」4.2%となっている。
次に各品種の作付割合の動向を図2で紹介する。
平成9年当時の上位3品種は「あきたこまち」80.8%、「ササニシキ」7.8%、「ひとめぼれ」3.3%であった。秋田県のお米といえば、「あきたこまち」といえるように、その作付面積は80%を超す状態が続いている。現在作付面積第2位の「ひとめぼれ」は最近徐々にではあるが増加傾向を示す。山形県が育成して同県の主力品種である「はえぬき」は平成10年から作付が始まり、平成13年度作付シェアは1.5%にとどまる。秋田県オリジナル品種で「あきたこまち」よりは穂のでる時期が遅い「めんこいな」は平成11年から作付が始まり、平成13年には4.2%で、作付面積第3位になってきている。
主力品種である「あきたこまち」は今後ともその地位を占めると予想されるが、冷害などの気象災害や病害虫の多発などに対する危険分散のため、同県は成熟期の異なる「めんこいな」の作付面積の増加に期待を寄せている。