NARO 農研機構 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

図説:東北の稲作と冷害

平成10年度主要品種の作付動向


東北地域における10年度産米の品種別作付状況を上位5位で概説する。

平成10年度主要品種の作付動向

 東北地域の平成10年産米の品種別作付状況を上位5品種でみると、前年産の1位と2位が入れ替わり、次の通りとなっている。

順位品種名作付面積(ha)割 合(%)
1位ひとめぼれ110,05426.3
2位あきたこまち104,68025.1
3位コシヒカリ45,52510.9
4位むつほまれ38,4429.2
5位ササニシキ37,4109.0
東北全体の品種別作付状況
1) 品種別作付動向の特徴
・1位の「ひとめぼれ」:福島県で減少したものの、宮城県、秋田県、山形県で増加したことから約6,900 ha増え、作付面積割合は3.9ポイント増えた。
・2位の「あきたこまち」:山形県で増加したが、岩手県、秋田県で減少したことから約5,400 ha減った。
・3位の「コシヒカリ」:福島県で増加したことから約1,100ha増えた。
・4位の「むつほまれ」:品種交換が進んだため約6,000 ha減った。
・5位の「ササニシキ」:品種交換が進んだため約23,100 ha減った。
この5品種による東北の作付面積割合は80.5%となり、前年産に比較して1.6ポイント増加し、中生品種主体の状況が続いている。

2) 県別品種別作付動向の特徴(下図参照)
・青森県:「むつほまれ」が約6,000 ha減少し、「つがるロマン」が約7,400 ha増加した。「つがるロマン」は作付面積割合が14.6ポイント増加し、約18%になる。
・岩手県:「あきたこまち」「ササニシキ」が減少し、「かけはし」が増加した。「ひとめぼれ」はほぼ横ばいとなっている。
・宮城県:「ササニシキ」が大幅に減少し、「ひとめぼれ」が増加した。いもち病の真性抵抗性遺伝子品種「ササニシキBL」は約2,400 ha減少した。
・秋田県:「あきたこまち」「ササニシキ」が減少し、「ひとめぼれ」が増加した。
・山形県:「あきたこまち」「ひとめぼれ」が増加し、「はえぬき」「ササニシキ」「どまんなか」が減少した。
・福島県:上位5品種(コシヒカリ、ひとめぼれ、初星、チヨニシキ、まいひめ)のうち「コシヒカリ」と「まいひめ」が増加し、他の3品種はすべて減少した。

県別品種別作付動向の特徴


<参考資料>
東北農政局「東北農業情勢報告(平成11年版)p48-53.
食糧庁「米穀の品種別作付状況」

 
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