図説:東北の稲作と冷害
山形県の水稲うるち米作付品種
山形食糧事務所の公表データから最近の作付品種の動向を紹介する。最も大きな特徴は、耐冷性が強くて良食味米の「はえぬき」が60%を超す作付シェアを占める主力品種に成長してきたことである。
山形県の水稲うるち米作付品種
図1の作付面積シェアからみた山形県の基幹品種は、「はえぬき」「あきたこまち」「ひとめぼれ」の3品種であるといえる。それら3品種は県全体の作付面積の83.6%を占める。平成13年度の同速報値によると、「はえぬき」が63.9%、「あきたこまち」10.4%、「ひとめぼれ」10.2%となっている。
次に各品種の作付割合の動向を図2で紹介する。
平成7年当時の上位3品種は「はえぬき」37%、「ササニシキ」19%、「あきたこまち」7%であった。山形県のお米といえば、昔は「ササニシキ」であったが、平成5年の冷害後に県のオリジナル品種「はえぬき」が急速に普及面積を拡大している。反対に、「ササニシキ」の作付面積は急激に減ってきている。現在作付面積第2位の「あきたこまち」は平坦地より気象条件の悪い中山間地に主として作付けされている。宮城県が育成して同県の主力品種である「ひとめぼれ」は平成8年から作付が始まり、平成13年度作付シェアは10.2%に達している。また「コシヒカリ」は平成10年から作付が始まってきている。
耐冷性が強くて良食味米の品種である「はえぬき」は、平成13年現在作付シェアが60%を超え、山形県の主力品種としての地位を占め、今後もその地位を維持するものと見込まれる。