図説:東北の稲作と冷害

エルニーニョ現象を監視する(熱帯域の海面水温予測)


エルニーニョ現象は太平洋赤道域の海水温の状態変化に現れるが、その発生機構は全球の大気と海洋の影響を受けるため予測が難しい。しかし、同現象は世界的な気候に影響するため、予測技術の高度化が進められている。熱帯域の海面水温の予測結果を公開するホームページの一つを紹介する。

 熱帯域の海面水温の偏差予測図を提供している"気候予測のための国際研究所"のホームページ(http://iri.ldeo.columbia.edu/ 下図)を紹介する。
気候予測のための国際研究所
 同ページにある「Climate Information System」をクリックすると、次のページに進む。そこにあるメニューのうち、「Climate Forecasts」をクリックすると、次のページにさらに進む。そこにあるメニューの「SST Predictions」をクリックすると、熱帯域海面水温の偏差予測図のコーナーへ進む。(下図参照)。
熱帯域海面水温の偏差予測図のコーナー
 上の選択メニューには、予測年月(2002年1月)と予測結果(Forecast SSTa)が配置されている。予測図は3か月単位(1〜3月(JFM)、2〜4月(FMA)、3〜5月(MAM)、4〜6月(AMJ)、5〜7月(MJJ))で表示される。このように、先6か月までの熱帯海域の海面水温偏差の動向予測を見ることができる。
 さて、予測結果を見てみる。2002年3月〜5月の3か月の予測図を図1に示す。エルニーニョ監視海域に注目すると、ペルー沖の沿岸海域の海面水温が平年より高くなると予想されている。
2002年3月〜5月の海面水温予測偏差図
図1 2002年3月〜5月の海面水温予測偏差図
(同ホームページより引用)
 次に、2002年5月〜7月の3か月の予測図を図2に示す。太平洋赤道海域に注目すると、ペルー沖から東経180度付近まで海面水温が平年よりかなり高くなると予想されている。これは、エルニーニョ現象に特徴づけられる海面水温偏差分布といえる。
2002年3月〜5月の海面水温予測偏差図
図2 2002年5月〜7月の海面水温予測偏差図
(同ホームページより引用)
 この予測情報は実験的な試みであり、常に正確な予測がなされるとは限らない。しかし、これら情報は1か月単位で予測が修正されるため、月に一度情報を入手しておけば、気象庁が発表する季節予報内容を理解する上で参考になる。

 
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