水稲冷害研究チーム

2004年東北稲作動向



 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課児玉課長さんにご協力をいただいています.


5月

上旬へ 中旬へ 下旬へ
 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−




○5月1日(土) 国産大豆1万4000円に迫る 思惑で上昇、前年の3倍 4月入札結果
 日本特産農産物協会は30日、2003年産大豆の4月の入札結果を発表した。4月の入札取引は2回開かれ、上場数量は前年同月の1割強の2931トンと少なく、全量落札された。平均落札価格は60キロ1万3879円で、前月に比べ13%高と続伸し、ついに前年の3倍を超える価格水準になった。最高値は北海道・大粒「音更大袖振」の同2万4687円。主要銘柄では栃木・中粒「タチナガハ」が前月比13%高の1万2430円、愛知、大粒「フクユタカ」が前月比11%高の同1万2168円などとなっている。思惑で動いている側面もあり、相場の歯止めがかからない状態だ。
(日本農業新聞)

○5月1日(土) 寒暖の差大きく 平均気温、全国で高め 4月の天気
 各地で真夏日、台風並の低気圧通過…。4月の天気は、暑い日と寒い日が例年よりはっきりした形で現れた。高温対策に追われる最中に、降雪に見舞われるなど、農家にとっては、"慌ただしい春"だった。「寒暖の差は、周期的に天候が変わる春の特徴。特に珍しい現象ではないが、全体的に暑い日が多かったため、寒さが目立ったのではないか」と気象庁の予報官は指摘する。特に東・西日本で暑い日が多く、東日本は1・4度、西日本は1・2度、平年より高かった。22日には真夏日が続出。全国で暑さの記録ラッシュとなった。例年以上の暑さをもたらした"犯人"は、低気圧の位置だ。例年と異なり、「今年は日本海側を横切ることが多かった」(同庁)という。北日本を除いて日照量も多く、東・西日本は平年より30%多かった。半面、降水量は全国的に少なく、南西諸島では平年の60%。西日本は75%、東日本は80%、北日本は92%にとどまった。寒冷前線の通過後に強い寒気が入り、下旬は一転して厳しい寒さに見舞われた。22日に最高気温27・4度を記録した山形では24日、10・1度にまで低下。最低気温は1・3度に下がった。
(日本農業新聞)

○5月1日(土) お待たせ「えさし乙女」 ひとめぼれ原料の焼酎 増産、きょう発売
 江刺市農協は、江刺金札米ひとめぼれを100%使用した本格焼酎「えさし乙女」の販売を、一日から市内酒販店で始める。えさし乙女は同農協が精米した際に出る加工用米の付加価値を高めようと、熊本県の酒造会社に原料を送って製造。こうじも金札米で、蒸留ろ過用の木炭も江刺産にこだわった。初めて売り出した昨年は十一月から六千本(一本720ミリリットル)を販売。米本来の味わいで、くせがなく飲みやすいと好評で、年内に売り切れたため今回は二倍の一万二千本に増産する。菊池秀明同農協農産課長は「市内外から販売はいつかという問い合わせがきている。地域の特産品として位置付けられたらしい」と期待する。価格は、小売店が設定。おおむねアルコール度数40度が二千百円、25度が千三百十三円(いずれも720ミリリットル)となっている。
(岩手日報)

○5月2日(日) 10年連続で"特A" 記念キャンペーン開始 山形 はえぬき
 「山形はえぬき」が、食味ランキングで10年連続"特A"を受賞したのを記念してパールライス山形は、1日から100万円の消費者還元キャンペーンを開始した。「はえぬき」は山形が開発した新品種。1992年にデビュー。94年には早くも日本穀物検定協会が実施する食味検定で最高の特Aを受賞するなど、おいしい米を証明。以来、生産者やJAグループ山形、県など指導機関の一体となった努力で、二度の異常気象による全国的な不作を克服、昨年産まで連続10年、特Aに輝いている。キャンペーンは、パールライス山形扱いの「山形はえぬき」5キロ、10キロ米袋が対象。米袋に貼ってあるシールを5キロなら2枚、10キロなら1枚を応募はがきか官製はがきに貼って、住所、指名、電話など必要事項を記入して郵送する。抽選で現金1万円が100人に当たるほか、JA全農山形が支援するプロサッカーチーム、モンテディオ山形のホームゲーム招待券(1万円分)が100人に当たる。期間は6月15日まで。全国の「山形はえぬき」販売店が対象。
(日本農業新聞)

○5月2日(日) コシヒカリの直播作業実施 福島・JAあぶくま石川管内の部会
 JAあぶくま石川感合いの新屋敷組合直播(ちょくは)部会は4月24日から4日間、新屋敷地区の水田約30ヘクタールに「コシヒカリ」の直播作業を実施した。同部会は、1998年度から6ヘクタールの水稲直播に取り組み、年々面積を拡大している。今年は、直播作業前に行う種子の酸素供給剤(カルパー)コーティングも専用の機械を導入し、準備作業も効率化。今後も面積を拡大し、直播による省力化と低コスト農業を進める。
(日本農業新聞)

○5月4日(火) 乾田直播 実用化にめど 10アール420キロを期待 宮城・JA古川
 田植え作業が本番を迎える1日、古川市清滝地区の渋谷賢一さんの所有する55アールのほ場で、「乾田直播(ちょくは)栽培」の播種(はしゅ)作業が行われた。JA古川では、2002年から実施し、管内では「ひとめぼれ」の種もみを約340アールのほ場で直播栽培する。実用化が進めば、育苗、耕起、代かきの作業が省かれ、大幅な生産コスト削減となり、環境保全型稲作としても関心が高い。使用した機械は、JA全農と三菱農機が開発した稲・大豆・麦の不耕起直播機(MJS180−6型)をトラクターに装着したもの。作業は、逆転ロータリーつめで5センチの幅、深さ6センチに浅耕しながら、約3センチの深さに施肥し埋め戻す。さらにディスクで深さ3センチ前後の溝を作り、2〜3センチ程度の深さに直播し、その後、覆土・鎮圧する。同JA営農担当者は「03年産米は冷害にもかかわらず、収量は10アール当たり360キロと平均収量に近い結果だった。今年は420キロを目指し取り組む。本格的な実用化も近い」と、大きな期待をしている。
(日本農業新聞)

○5月5日(水) 有機日本酒 続々店頭に 商品提案やイベント企画 蔵元5社が"共同戦線"
 消費者の安心・安全志向などを背景に、有機日本酒が続々と店頭に登場している。全国に先駆けて、2001年に認証取得した秋田県本荘市の齊彌酒造店が売るのは、地元産有機栽培米で作った純米吟醸「雪の芽舎」。02年に認証を取得した青森県八戸市の八戸酒造は、地元の有機栽培「むつほまれ」を使い、純米吟醸「陸奥田心」を販売する。だが、流通量はまだ少なく、オーガニックワインなどと比べ、認知度が低いのが課題。そこで、4月半ば、齊彌酒造店、八戸酒造などの秋田県や、青森県、新潟県で有機日本酒を造る蔵元5社が、日本有機米使用蔵元会を設立した。計画では、共同販促に力を入れる。有機専門の食品展や飲食店、百貨店など「有機の重要性を理解してくれる販路を選び、共同で商品を提案、相乗効果を高める」(同会)。同会のリーフレット作成や、有機食品展への出展、有機日本酒と料理を楽しむオーガニックパーティーといったイベントも企画、有機日本酒の認知度を上げ、ファンを拡大していきたい考えだ。
(日本農業新聞)

○5月5日(水) 1等米比率向上へ 色彩選別機を導入 山形地区カントリーエレベーター組合
 JA山形市とJAやまがたが共同経営する山形地区カントリーエレベーター組合は、カメムシなどの被害粒を取り除くため、新たに色彩選別機を導入した。近年は山形市平たん部でもカメムシが発生し、2003年産米の1等米にならない米の半分以上がカメムシ被害となっている。被害粒は精米しても黒い斑点が残るため、消費者から敬遠されやすい。同組合役員会は、それらの被害粒を取り除いて1等米の比率を高め、消費者に高品質・良質米を提供し、売れる米作りを目指すため、処理能力1時間当たり3・6トンの色彩選別機1機を設置することにした。取得価格は約3500万円。
(日本農業新聞)

○5月8日(土) 東北各県の田植え状況 宮城で遅植え顕著
 東北各県で田植え作業が始まっている。ほぼ平年並みの進度で推移しているが、宮城県では、昨年の冷害を踏まえて、全県的に作業を遅らせる傾向がみられる。青森県はまだ始まっていないが、平年並みの予想だ。平年だと12日ころから始まる。県では「昨年の反省を踏まえ、深水管理を徹底するため、けい畔の盛り方をしっかりするなど指導していく」(農産園芸課)。岩手県では、「平年並みの推移でいくのではないか。県南部から進み、今週末の8,9日で10%くらいになる」(農業技術普及課)とみている。秋田県は5日現在、1034ヘクタール(県全体の約1%)で終了。県では「ーカ月予報をみると、田植えは平年並みくらいで推移するのでは」という。宮城県によると、水稲作付け見込み面積7万8300ヘクタールのうち、5日現在の田植え進行率は33・2%(2万5978ヘクタール)で、昨年同期の58・5%を大きく下回った。育苗期間中は高温多照で、生育が順調に推移。田植え始期(5%終了時)は平年並みの3日だった。山形県では、庄内地方で7日現在、全体の5%ほどが終了。盛期(50%終了時)は平年並みの10日ころ。内陸地方は17日ころが盛期の見込み。福島県では、播種(はしゅ)時期は平年並みだったが、浜通り地方を中心に田植え時期は平年並みか若干早めになっている。
(日本農業新聞)

○5月9日(日) 04年産もち米契約取引 2倍の6万トン提示 産地の意向強く
 JA全農と、切りもちメーカーなど需要者の間で、もち米の取引数量を出来秋前に決める「2004年産契約栽培取引」で、全農は需要者約400社に対し、産地側の契約希望数量を8日までに通知した。数量は、前年産実績に対してほぼ2倍の6万1500トンと大幅に増えた。新規に参加したのが3県あり、佐賀県や北海道を中心に、各産地とも契約希望量を前年産より大幅に積み上げた。「ヒヨクモチ」が主力の佐賀産は前年産の1・8倍の2万2700トン、「はくちょうもち」が主力の北海道産は2・3倍の2万100トン。米改革に伴って売れる米づくりが求められる中、売り先を事前に確保したい産地側の意向が強く表れた格好だ。19日まで申し込みを受け付け、5月末に結果をまとめる。取引数量だけを決め、価格は秋に決める。今回の取引が全量成約すれば、集荷・販売目標数量の5割の米について売り先が出来秋前に確定することになる。
(日本農業新聞)

○5月9日(日) 「天花」の里で田植え 東京の親子が体験 宮城県仙台市
 NHKで放映している朝の連増テレビ小説「天花」(てんか)のロケ地になっている仙台市で8日、田植えを体験しようと、東京都武蔵野市から親子連れらが訪れた。地元住民やJA関係者も大歓迎で、昔ながらの手植えで汗をかいていた。天花は、仙台市の米作り名人の祖父の下から、主人公が武蔵野市に出て保育士になる物語。ロケ地の両市が放映にちなみ、米作り体験を通して交流を深めようと企画した。参加者は、「みやこがねもち」の苗が入ったかごを腰に縛り、軍足を履いて水田に入り、苗を2、3本ずつ丁寧に植えた。武蔵野市から北主婦は「子どもに実際に体験してもらいたくて来た。田植えは結構大変だけど楽しい」と話していた。8月に田の草取りや稲の観察、10月に稲刈りなどを予定している。
(日本農業新聞)

○5月9日(日) 乾田直播栽培始まる 秋田県雄物川町
 田植え作業の省力化や低コスト化が期待できる「乾田直播(ちょくは)栽培」の種まき作業がこのほど、雄物川町の佐藤修さんが所有する80アールの圃場(ほじょう)で行われた。作業は、秋田県農業試験場の乾田直播専用機で行われ、近隣住民や関係者ら約20人が見守る中、約2時間で終了した。この栽培方法は、耕起した非常に、被覆肥料を施肥しながら種もみを直接播種するため、播種作業や育苗管理などの作業が省かれ、生産コスト削減が期待でき、環境保全型稲作としても関心が高い。同JAでは、2001年に直播栽培研究会を設立。現在の会員は9人で、約6ヘクタールで直播栽培を行う。今月8日からは、代掻(しろか)きした圃場に種をまく「潤土直播栽培」が始まる予定。
(日本農業新聞)


 
−−−−−−−−−   中旬   −−−−−−−−−


○5月11日(火) 余力をサクランボに集中 水稲直播き拡大 山形・JAさがえ西村山
 JAさがえ西村山管内で今年度、水稲の直播(じかま)きを導入する果樹農家が増加している。移植による田植えは、サクランボやツルムラサキなど野菜栽培農家にとっては、収穫作業の重複が悩みだった。農作業の重複を解消するため県や市、同JA営農生活センター直播き栽培組合を中心に直播きの普及拡大を進めており、今年度は一気に25ヘクタールを超す勢いだ。中でも寒河江市箕輪地区では集落の15人が参加し、昨年の4倍、12ヘクタールで栽培。用水路に沿って直播き田を集積、作業効率のアップにつなげている。同市認定農業者協議会は直播きによる複合経営の確立が、地域農業の振興の鍵を握ると考え、このほど、箕輪地区で直播き栽培の現地視察研修会を開いた。同協議会は「育苗、田植えの手間を省き、直播き栽培を行い、安全で安心できるおいしいサクランボを作ろう」と呼び掛けた。
(日本農業新聞)

○5月11日(火) 収穫まで頑張ります 農家と初の米作り 岩手・一関市の一関中
 一関市立一関中学校は、今年度初めて米作りに挑戦し、食べ物を育てる喜びや大切さを学ぶ。6日、同校で米作りに取り組む2年生98人と、水田を提供し指導役を務める同市の農業、佐々木幸子さんとの出会いの会が開かれ、米作りの質疑応答を行い、決意表明で収穫まで頑張ることを誓い合った。同日は、佐々木さんと技術指導に当たる一関農業改良普及センターの鈴木茂寿主任改良普及員を招き、生徒たちから「8アールの田んぼから何キロの米が取れるのか」「稲が育つのに必要な水の量は」など、中学生らしく踏み込んだ内容の質問がだされた。佐々木さんは「8アールからは玄米で約400キロ」「水は8アールで約400トン、10トントラックで40台分必要だと言われています」など簡潔に分かりやすく答えていた。
(日本農業新聞)

○5月12日(水) 価格交渉ほぼ終了 据え置きから2割高 03年産酒米
 酒造好適米販売最大手のJA全農と、各県の酒造組合との間で行われてきた2003年産の酒米価格交渉がほぼ終了し、全農は11日までに交渉結果の概要を明らかにした。不作を背景に値上げが争点となり、全農と酒造組合側が激しく対立。その結果、銘柄によって差があるが全体では、据え置きから2割高の範囲の価格で合意した。全農は「多くの銘柄で値上げはできたが、決して満足のいく結果とはいえない」としている。全農の03年産取扱量は酒造好適米で6万トン弱、かけ米として使われる酒造用一般米で7万5000トン。出来秋に全農全国本部・県本部などと酒造組合との間で取引量を決め、価格交渉は例年1〜3月に行うが、03年産は4月にずれ込むところが多かった。不作による数量減少や主食用米の価格上昇を踏まえた価格を要求した全農側に対して、酒造組合側は日本酒の消費低迷で原料費アップに抵抗、交渉が難航した。酒造好適米では、代表銘柄の兵庫「山田錦」(B地区、特等)が据え置きの60キロ2万6350円で合意。新潟「五百万石」(特等)が前年産比13%高の2万310円、岡山「雄町」(特等)が据え置きの2万4950円、広島「八反錦」(特等)が6%高の1万7600円などとなった。主食用米が使用されるかけ米は、主要銘柄では、滋賀「日本晴」が17%高の1万6704円、岡山「中生新千本」が19%高の1万6794円、香川「オオセト」が17%高の1万6564円で合意。かけ米価格について全農側は、主食用の価格上昇に連動し2、3割高を目指していた。今回の結果について全農は「各地とも組合側の抵抗が強く、ぎりぎりの判断となった。交渉時期など、酒米取引を見直すべきだとの声も産地が上がっており、今後の課題として残った」と受け止めている。
(日本農業新聞)

○5月12日(水) 省力化農法確立へ 水稲直播栽培を本格化 秋田県昭和町の菅原さん
 昭和町の組合員、菅原権一郎さんの圃場(ほじょう)で6日、水稲直播(ちょくは)栽培播種が行われた。育苗管理がなくなることから省力技術の一つとして注目されているが、機械を購入し本格的に取り入れるのは同管内では菅原さんが初めて。菅原さんは、天候不順であった昨年から、試験的に同播種方法に取り組んでおり、収量差が普通栽培と差がなかったことと省力化の点を重視し、今回作業の本格化を図った。今年は同町で10組の農家から同播種方法の作業委託を受け、合わせて約5ヘクタールの播種をする。「種まきから田植えまでの作業が省力化できるため、家族の作業負担が軽減されるのが魅力。普通栽培の田との収量差が大きくならないよう、気を付けて管理していきたい」と菅原さんは話す。
(日本農業新聞)

○5月13日(木) 全校児童で米づくり挑戦 宮城県古川市宮沢小学校
 全校児童で米作りに挑戦している古川市立宮沢小学校の学習田で7日、同校のPTA会長で学習田の所有者でもある永塚精一さんの指導で、田植え体験が行われた。この日は、数人のPTA会員やJA古川の営農担当者らも応援に駆け付け、全校児童107人が泥だらけになりながらも、楽しく「ひとめぼれ」の苗を植えた。秋には、稲刈りを行い収穫されたお米でおにぎりを作って全校児童で自分たちが育てたお米を味わう予定。今年で3年目の田植え体験を行った大川梨佳ちゃん(9)は「田植えは大変だったけど、秋の稲刈りが今から楽しみ」と笑顔で感想を語った。JA古川では農業を通して食の大切さを知ってもらおうと、学習田や学童農園に取り組む小学生に対し助成をしている。
(日本農業新聞)

○5月13日(木)  学校実習田で直まき作業 山形県藤島町県立庄内農高
 藤島町にある県立庄内農業高校ではこのほど、町内の学校実習田で直まきによる播種(はしゅ)作業を行った。生物生産科・作物コースを選択している2・3年生の生徒が、耕起と同時に播種と施肥を行う最新のトラクターを使ってカルパーコーティング処理した種子と無処理の種を直まきした。同校では、5年前から産学官連携プロジェクト学習として稲作の低コスト・省力化技術の確立と市場性の高い直播の研究に取り組んでいる。今年は「はえぬき」「コシヒカリ」の品種別による生育状況を比較してデータを収集しながら直播栽培の適性について検証を進めていく。
(日本農業新聞)

○5月14日(金) 泥んこの感触に歓声 JAの指導で田植え 岩手・石鳥谷町の小学生
 JAいわて花巻は管内の小学生を対象に、手作業での田植え体験を通じて農業に理解を深めてもらおうと、今年も「農業体験学習」を行っている。トップを切って11日、町立石鳥谷小学校の5年生の74人が、同校南側にある藤島孝一さんが所有する13アールの実習田で田植えを体験した。ほとんどの児童が初めて体験する泥の感触に、圃場(ほじょう)は児童たちの楽しげな歓声がこだましていた。同校の教員や児童の保護者、JA営農指導員が講師になり植え方を指導。児童たちは裸足で田んぼに入り、「ひとめぼれ」を丁寧に植え付けた。体験学習は同JA管内の15小学校、約1250人がエントリーしている。5月中にはすべての参加校が田植えを終え、秋には稲刈り体験をする。
(日本農業新聞)

○5月14日(金) 作業の大変さを実感 育苗センターで勉強 岩手・盛岡市の中学生
 盛岡市立北陵中学校の生徒が10日、紫波町内の水稲育苗センターで勤労体験学習を行い、農業への理解を深めた。訪れたのは同校の2年8組の36人。JAいわて中央赤石支所育苗センターなど4施設に分かれ、それぞれ苗の出荷や潅水(かんすい)などの管理作業を手伝った。同校では、生徒の生きる力になるよう、農場やリンゴ園で体験学習を行っている。
(日本農業新聞)

○5月14日(金) 今年も酔わせます 「江刺金札米」焼酎を販売 岩手・JA江刺市
 JA江刺市は、江刺金札米100%使用の本格米焼酎「えさし乙女」の販売を今月から再開した。えさし乙女は同JAが、加工用米の付加価値を高めようと熊本県の酒造会社に製造を委託したもので、こうじにも江刺金札米を使用し、蒸留ろ過用の木炭も江刺産の極上ナラ材を使用したこだわりの本格焼酎だ。価格はアルコール度数40度(黒色瓶)が2100円ほど、25度(白色瓶)が1313円ほどで市内酒販店と産直施設「江刺ふるさと市場」で販売している。
(日本農業新聞)

○5月14日(金) 餅つき振舞隊 10周年祝う 岩手・一関市もち食普及推進会議
 一関地方の代表的な伝統料理、餅(もち)。その餅食料理を普及しつつ新しい餅料理の開発、もち米の消費拡大を進める一関市もち食普及推進会議の2004年度総会がこのほど、一関市の蔵元レストラン世嬉の一で開かれた。新メニュー開発、PR活動推進のほか、来年の5市町村広域合併をにらみ広域圏における「もちの里づくり」に向けた今年度事業を決めた。一方、同議会の広報部隊として活動している「祝い餅つき振舞隊」が結成10周年を迎えたことから出席者全員で祝った。四季折々の餅料理をバイキング方式で味わった後、振舞隊を代表し佐藤トモ子さんは「おかげさまで10周年を迎えることができました。この地方の餅料理は日本一と自負しています。今後も皆さんの応援をいただきながら世界一の餅料理の里を目指し大いにPRに務めたい」と感謝と抱負を述べた。
(日本農業新聞)

○5月16日(日) 実りの夢膨らむ 稲作体験学習 JAいわて南
 JAいわて南管内で、今年初めて稲作体験学習に取り組む一関市立一関中学校や同市立一関、滝沢、赤萩超学校の各校で田植えが行われている。14日、同市滝沢の同JA青年部真滝支部の小野寺良一委員長が管理する水田では、滝沢小学校の5、6年生児童56人が田植えを行った。小野寺さんは「田植えはみんなが毎日食べている米を育てる大切な仕事。丁寧に植えてください」と児童を激励。同JA職員が植え方を教わった後、早速水田に入った。中には泥まみれになり先生に注意される児童も。同日は同青年部員らも応援し、児童らに植え方のこつを教えた。
(日本農業新聞)

○5月16日(日) 田植え体験で食の大切さ実感 岩手県宮守村鱒沢小学校
 宮守村の鱒沢小学校は14日、総合学習として稲作体験授業を実施し、全学年51人が校舎から200メートルほど離れた田んぼで、昔ながらの田植えを体験した。今回は、地元の菊池幸雄さんが所有する4アールの水田を借用。田んぼに集まった児童は、JAとおのの営農指導員から植え方の手ほどきを受けた後、横1列に並んで「ヒメノモチ」の苗を植え付けた。最初は、冷たくて深い田んぼに戸惑っていたものの、すぐに慣れ「粘土みたいで気持ちいい」「滑って転びそう」などと大はしゃぎ。手足を泥だらけにしながら、夢中で作業した。今後は、菊池さんや地元のJA女性部が田んぼを管理し、児童らは草刈りなど一連の管理作業を手伝いながら、生育状況を観察。秋には稲刈りや脱穀作業を体験し、11月ごろ収穫祭を開く予定だ。
(日本農業新聞)

○5月16日(日) 五穀豊穣願い実践大田植え 宮城県岩沼市竹駒神社
 岩沼市にある竹駒神社で14日、竹駒穂徳田卸田植祭が開かれ、宮城県農業実践大学校1学年の学生34人が神社脇の穂徳田5アールに田植えをした。同校学生は、神社側で準備をした田植え用の作業服に着替えた。男子は「五穀豊穣(ほうじょう)」と染め抜かれた鉢巻きを締め、女子はかすりの早乙女姿。巫女(みこ)を含め総勢37人での田植えだ。穂徳田前で神社や各種団体関係者らが参列してのお祓(はら)いの後、植えやすいよう、30センチ×15センチの枠線が引かれた田んぼで、学生らは竹駒田植え歌に合わせて「ひとめぼれ」の苗を植えた。学生らは、なれない手植えということで、事前に植え方を練習し、田植え祭に参加した人もいたようだ。収穫は9月21日の予定。
(日本農業新聞)

○5月16日(日) 冷害教訓今年こそ 耐冷品種導入進む 岩手県内田植えピーク
 県内の田植えはピークを迎え、十五日は北上川流域の水田地帯を中心に、田植え機の音が響いた。昨年の冷害を教訓に、耐冷性品種の導入が進み、県などは低温から稲を守る深水管理の徹底を呼び掛ける。一方、コメ政策改革大網による各種施策の初年度で、コメどころでは産地形成に向けて作付面積を増やす地域もある。豊作への願いを込め、本格的な農作業シーズンが幕開けした。県農業県研究センターによると、田植えの進ちょく状況は平年並みで、県南部で八日ごろから始まり、北上川流域の平地で六割以上が十五日までに終了。今週末には県内ほぼ全域で完了する見込みという。同センターは昨年末から二〇〇三年産種子の性質や育苗の調査を実施。良質な種子選別の徹底、気候に応じた適地適作を呼び掛ける。県北地方では今年、低温に弱い「あきたこまち」などから低温耐性「極強」の「いわてっこ」への切り替えが顕著。作付けは昨年の2260ヘクタールから3000ヘクタールを超す見通しだ。北いわて農協(本店二戸市)管内は、二戸市を中心に一〜二割が「いわてっこ」に切り替える見込み。深水管理の徹底も呼び掛けており、田植え前にあぜを高くしたり水漏れを防ぐ補修をするなどの対策も進んでいる。一方、本年度から改正食糧法の施行で「減反面積」が「生産する面積」に変更。本県の生産目標数量は、県南のコメどころを中心に昨年産より1920トン増加した30万8420トンが配分された。岩手ふるさと農協(本店胆沢町)管内は、600ヘクタール以上作付けが増える見込みだ。昨年は七月の低温でわせ品種に生育被害が出たことから、例年より遅めの田植えを指導するなど万全の態勢を敷く。同センターは、六月から十日おきに各地の生育状況調査を実施する。水田作研究室の高橋政夫室長は「さまざまな対策は講じた。深水は地区内の配水調整の話し合いも重要。情報を随時提供するので、地域で協力し営農に努めてほしい」と語る。
(岩手日報)

○5月17日(月) 稲の遅植え今年も徹底 1等米増加目指す 富山、新潟、宮城で効果
 昨年から本格的に遅植えに取り組んだ富山県は今年も昨年と同様、5月10〜15日を中心に田植えをするよう指導。前年産は全国的に品質低下が指摘された中で1等米比率が前年に比べ30%程度上がった。「遅植えの効果はあった」と同県は評価する。「いかに大規模農家に徹底できるかが課題。今のところ連休中に田植えをした農家は例年と比べ減っている」との報告を受けているという。現場で指導に当たる新川農業改良普及センター(黒部市)によると「遅植えは疎植にしたり、施肥量を少なくするなど通常栽培と栽培マニュアルが異なる。連休田植えに比べ育苗期間が短くなり、省力化やコストダウンになることが農家の理解につながっている」とみる。
 新潟県は2001年から遅植えを本格的に推進している。今年も例年と変わらず、平たん地では5月10日以降の田植え、中山間地では15日以降の田植えを徹底するよう指導している。JAえちご上越では「適期田植え」という認識で現場での指導に当たる。以前は苗の供給開始時期を限定したり、水路を開けないなどの策を講じてきたが、現在は自然に田植え時期がずれ込むようになったという。5月15前後の適期の田植えがほぼ前農家で定着。「農家の意識も変わった」としている。
 宮城県は5月10〜25日の田植え、出穂を8月20日に合わせるよう指導している。同県では出穂時期を遅らせる栽培法を「晩期栽培」と呼ぶ。これまで晩期栽培は「ササニシキ」「みやこがねもち」などの品種に力を入れていたが、今年は一部で「ひとめぼれ」「まなむすめ」などの中生品種まで広げる。
(日本農業新聞)

○5月18日(火) 福島大学生の稲作スタート 福島・飯野町で田植え
 福島大学教育学部の学生たちによる1年間の稲作がスタートした。16日、飯野町の水田で、桜の聖母短期大学の学生や地元の児童親子らも参加、約40人が元気な声を交わしながら田植えを行った。教員の卵たちによる稲作は教育実践学実習「食農教育、農業農村体験学習」として行われているもので、今年で9年目。田植え、除草、脱穀、もみすりなど昔ながらの手作業で行う。12月には収穫祭を開き、取れたもち米を使ってもちつきなどをして、地域住民と収穫の喜びを分かち合う。
(日本農業新聞)

○5月19日(水) 北東北は平年並み 東北各県の田植え状況
 東北地方の田植えは、宮城県で遅植えが目立ち平年より3日遅いほかは、ほぼ平年並みで推移している。北東北では、好天に恵まれ、今週末にかけてがピークになるようだ。青森県の田植えの始期は11日で、昨年より1日早い。15日現在の田植え進ちょく状況は県全体で41%。平年並みに推移。地区別では東青26%、西青70%、中弘12%、南津軽33%、北五48%、上東三43%、上北3%、三八13%。育苗も4月下旬に寒い時期はあったが、その後は好天続きで順調。岩手県の田植え進ちょく状況(15日現在)は県全体で59%。地区別では北上川下流74%、同上流57%、東南57%、下閉伊46%、北部2%。15日現在の5カ年平均では60%でほぼ平年並み。今週末で、北部を残す感じで90%を超す見込み。秋田県内の田植えの進ちょく状況(15日現在)は30・6%(平年値36・1%)と、おおむね平年並みで進んでいる。田植え始期(5%終了)は7日で、平年より2日早かった。最盛(50%終了)は平年並みの17日ごろに迎えたもよう。
(日本農業新聞)

○5月19日(水) 5年生90人がバケツ稲作り 青森県黒石市 黒石東小学校
 黒石市立黒石東小学校で11日、少額5年生90人を対象にしたバケツ稲作り体験が行われた。この取り組みは、JAが窓口となり、希望する小学生に対し、無償提供しているバケツ稲のセットで、簡単な稲作りを子どもたちに体験してもらうのが目的。はじめにJA黒石市の千葉和仁指導員が、バケツ稲作りの作業内容と、JAの業務内容を分かりやすく説明。児童らは、稲作りで注意しなければならない点や、JAについて積極的に質問していた。その後、なれない手つきで担当者や先生の指導を受けながら、土に肥料を混ぜる作業や、種もみを播(ま)く作業を楽しそうに行っていた。
(日本農業新聞)

○5月19日(水) コメ不足 一転 コメ余り ブレンド米に消費者流れる 岩手県03年産の販売苦戦
 「新米が余っている?」。本県の二〇〇三年産米の販売が苦戦している。不作の影響で当初はコメ不足が心配されたが、価格の高騰で、消費者が値ごろ感のあるブレンド米に流れたほか、政府米が大量に市場に放出されたことなどが原因。このままの状態が続くと本県産価格や今後の生産体制にも影響しかねず、関係団体は急きょ販売促進キャンペーンを開始するなど完売に向け必至だ。全農全農県本部によると、〇三年産自主流通米の販売実績は、主食のうるち米(約11万5千トン)が三月末で42%。前年同期より3ポイント低く、全国平均を9ポイントも下回る。〇三年の集荷量は、主力のひとめぼれが8万3362トン(当初計画比72・2%)。自主流通米の市場価格は昨年十二月に60キロ二万四千九百円(前年同期比63%高)に上昇し、店頭の平均価格も10キロ六千七百円まで跳ね上がった。卸売業者が買い占めに走った結果だが、安価な政府備蓄米などの古米が入ったブレンド米も流入。十二月の店頭価格は10キロ五千円程度とあって、新米との価格差が消費者を引き付けた。全国的には前年より111万トンの減収だったが、98万トンの政府米が〇三年度に放出されたこともコメ余りを加速させた。本県にとっては、九年連続で食味ランキング「特A」を獲得していた県産ひとめぼれが、作況指数の低下で審査対象外だったことも痛手で、関係者は「アピールポイントが少ない」と渋い表情だ。市場価格は、四月で60キロ一万七千八百円。店頭も10キロ四千八百円ほどに値を下げている。
(岩手日報)

○5月20日(木) 田植え作業を学校田で体験 秋田県飯田川町
 飯田川町の飯田川小学校田で13日、同町の菊地栄一さん指導の下、小学校5年生52人による田植えが行われた。この日は、ボランティアで集まった飯田川町老人クラブの会員や児童の祖父母ら35人とともに5アールを手植えした。田の泥の感触に歓声を上げたり、中には泥に足を取られ転倒する児童もいたが、顔に泥をつけながらも楽しげにベテラン陣の指導で、「あきたこまち」と古代米の手植え作業を行った。また同校ではバケツ稲作りも行っており、児童らは田植え後に、6日にまいた苗の間引きを行った。児童たちは定期的に栽培観察を続け、今秋、大曲市で行われる秋田県種苗交換会に研究結果を出展する。
(日本農業新聞)


 
−−−−−−−−−   下旬   −−−−−−−−−


○5月21日(金) 一関・両磐地方の03年産大豆 品質向上が課題 岩手
 一関・両磐地方の2003年産大豆の成績は、前年対比71・3%増の5809袋(1袋30キロ)、1等比率も同0・3ポイント上回る6・1%となった。東北農政局岩手農政事務所地域第三課のまとめによると、収穫量の増加は、02年産の台風による冠水被害などによる減収分が、03年度回復したことが主な増加要因だ。半面、汚損粒や粒の不ぞろいが目立ったことを挙げ、品質向上対策が今後の課題と指摘した。同課の03年産大豆検査成績によると、JAいわて南管内で検査した大豆は2831袋で、1等が45袋、2等2357袋、3等403袋、合格10袋、規格外が16袋。台風6号で大幅に収穫量が落ちた02年産の検査数量が676袋だったことから、約4倍に増えた。同課は「転作組合など協同で栽培した大豆には雑草の汁が付着した汚損粒が、また個人で栽培したものは粒の不ぞろいが目立った。今後品質向上が必要」と注意を促した。
(日本農業新聞)

○5月21日(金) 米卸社員が田植え 体験通し商品学ぶ 岩手・JAいわて花巻
 横浜市の米穀卸業者「潟~ツハライス」の社員9人が13、14の両日、JAいわて花巻を訪れ、取り扱っている米の商品知識の習得や作業体験を通して、商品化になるまでの過程などを研修した。同社の米取扱量は岩手県産がトップ。昨年から県農業研究センターやJA全農いわて、同JAなどの指導で2日間の研修を行っている。中でも、一番の作業体験は手植えによる田植え体験で、社員のほとんどは関東出身のため田植えは初めて。研修を企画した同社営業部の坂野勝則課長代理は「私たちは米を商品として扱っているが、米が生まれるまでのストーリーを社員に、見て触って話して聞いてほしい。」。研修に参加した石野みどりさんは「田植えは初めてで、本当に大変だった。戻ったら農家の皆さんの苦労を社員に伝え、お客様にも商品の生まれるまでをお話ししたい」と話していた。
(日本農業新聞)

○5月21日(金) 岩木山神社で豊作祈願 青森県農協農政対策委
 県農協農政対策委員会は19日、岩木町百沢の岩木山神社で豊作祈願を行った。昨年は6月下旬以降の異常低温と日照不足で、米をはじめとする農産物に大きな被害があった。作況指数は県平均で「53」の「著しい不良」と全国最低の数字となった。特に県南・下北では「14」と記録的冷害となった。また、昨年9月13日から14日にかけて本県を襲った台風14号は、最大瞬間風速が30メートルを超え、リンゴの落果、枝ずれなど、91年の台風19号以降、最大の被害をもたらした。豊作祈願には種市委員長ら約15人が出席。米やリンゴなどを奉納し、今年の豊作を祈った。
(日本農業新聞)

○5月21日(金) 東京の生徒が農業体験学習 岩手・JA新いわて
 東京都昭島市の啓明学園の生徒98人が13日、農作業体験学習で雫石町を訪れ、JA新いわて青年部雫石中央支部の部員らの指導で田植えを行った。産地と消費地の相互理解を目的とした同学習は、今年で12年目。青年部員らから植え方の指導を受け、はだしになった生徒たちは横一列に並び、「あきたこまち」の苗を丁寧に植え付けた。生徒たちは泥の感触を楽しみながら、中にははしゃぎすぎて泥だらけになる生徒もいたが、1時間半ほどで田植え体験は終了した。この「あきたこまち」は収穫後、秋に行われる同学園のバザーで生徒や来場者に振る舞われる。
(日本農業新聞)

○5月21日(金) 「地蔵田」復活 児童ら田植え 岩手県千厩町
 千厩町奥玉の地蔵院近くに昔から守り伝えられてきた奉納田「地蔵田」が復活。16日、半世紀ぶりの田植えが行われた。1955(昭和30)年代ごろまで、地蔵田と呼ばれる円形の田があり、その水田で収穫された米は、地蔵院本尊の水引地蔵と韋駄尊天に奉納する習慣があったという。その後、圃場(ほじょう)整備などが進み地蔵田も姿を消した。言い伝えに沿って再現された地蔵田は2アールで、直径約10メートル。朝から小雨が降る中、地域住民や同町立奥玉小学校の児童ら約50人が参加。水田近くに地蔵院から移設された水引地蔵に、同院の大場浩俊住職が五穀豊穣(ほうじょう)を願い焼香を行った後、田植え作業に取り掛かった=写真。児童たちは地元農家の指導を受け、泥に足を取られ、歓声を上げながら「ひとめぼれ」の苗を植えた。また、「歌うのは30年ぶり」と言う地元の千葉カノエさんが田植え歌を披露。復興発起人代表の伊藤薫さんは「自然の恵みに感謝し、守り伝えてきた伝統を次世代にも伝えたい」との思いから所有の休耕田に地蔵田を設置した。秋には収穫を行い、11月23日に地蔵講に奉納される予定だ。
(日本農業新聞)

○5月21日(金) 冷めてもおいしい県産水稲『山形84号』 06年一般作付けへ 山形県農試
 県産の新たな水稲品種として今後の作付けに期待が掛かる「山形84号」の原種生産が、県農業試験場で始まった。米消費量が伸び悩む中、冷めても粘りが強く、食味も落ちないという特性で、外食産業の需要に応える次代のエース候補=B同試験場では二〇〇六年ごろからの一般作付けを目指して、種子生産を進める。山形84号は、一九九五年に同試験場庄内支場で育種された。コシヒカリの流れをくむ「庄1658号」と、「はなの舞」の系統の「山形63号」を交配した品種。特性調査や現地適応性の試験を経て、今年二月に、今後作付けが期待される県の「認定品種」となった。早生種で、倒れにくく、低温に強い中山間地向けの品種。去年、最上町で行った現地適応試験では、山形84号だけが冷夏の影響を受けなかったという実績≠烽る。特筆されるのが、食味低下の原因とされるアミノロース含有量の低さ。食味ランキングで特A受賞を続けるなど味には定評の「はえぬき」の約20%よりさらに低い11・5%前後で安定している。低アミノロース米の特徴として粘りも強い。これらの特性が最も生きるのが、炊飯後に冷めた時。味も落ちず、粘りが強いコメは、コンビニエンスストアなどで販売量を増やしているおにぎり、弁当など、食品加工や外食産業分野などで大きな需要が見込まれる。同試験場は本年度、計十アールの水田で、形質を保持するための「原々種」と、種子生産のもとになる「原種」の育成に着手。県内における山形84号の本格生産に向けた取り組みがスタートした。今年生産する原種で、来年度に種子を増殖。早ければ、〇六年度から一般の作付けが始まる見通し。同試験場の阿部吉克水田営農研究専門員は「特性を生かして加工や外食産業に入ることができれば普及する。名称の検討など品種登録に向けた作業も進んでおり、久々に期待される品種になる」と話している。
(山形新聞)

○5月22日(土) 田んぼの楽校で入学式と田植え 町全体が"屋根のない博物館" 宮城県山元町
 「田園空間博物館事業」を行っている宮城県山元町でこのほど、「久保田田んぼの楽校(がっこう)」が開校し、入学式と田植えを行った。田園空間博物館は、町全体を"屋根のない博物館"とみなし、農家の自給自足の暮らしをテーマに、町内外から訪れた人が体験や学習ができる施設の設備やイベントを企画している。田んぼの楽校は同博物館の企画展示活動として、町民グループ「野外ぐるりん友の会」と同町が主催。生徒として同町の住民や町外の家族連れ、大学生ら32人が参加している。参加者は時折混じる方言に戸惑いながらも元気よく田植えをして、土の感触を味わっていた。指導は地元住民が行い、今後、草刈り、かかし祭り、稲刈り、収穫祭などを行う予定。収穫した者は、出席率に応じて配分する。
(日本農業新聞)

○5月22日(土) 安全・安心全面にPR 食育支援にも力 いわて純情米需要拡大推進協が総会
 岩手県やJA全農いわてなど6団体で組織する「いわて純情米需要拡大推進協議会」の総会が21日、盛岡市内のホテルで開かれた。同協議会は、県産米の評価向上対策や販売促進対策、米消費拡大などに取り組んでいる。総会には、関係者ら約30人が出席、国連が定める「国際コメ年」にちなんだ消費拡大セミナーや、「ごはんをたべよう国民運動大会」の招致・開催などの事業計画を承認した。また、今年も全農家が自ら記帳する「純情手帳」を利用したトレーサビリティー(生産・流通履歴を追求する仕組み)や食育支援などを実施するとした。
(日本農業新聞)

○5月22日(土) 米飯給食拡大めざす 福島県推進連絡会議が総会
 福島県米消費拡大推進連絡会議は21日、県庁で2004年度総会を開き、@「もう一杯!元気な手が出るふくしまごはん」を合い言葉に一層の福島米消費拡大の普及を図るA児童生徒の「米飯学校給食」を現行週2・8回を4回にするなど、米改革アクションプログラムの実現に向け米の消費拡大に取り組むことを決めた。同連絡会議は県、農業会議、JA福島中央会、JA全農福島など26機関・団体で構成、18人が出席した。具体的には、@7月4日うつくしまライシーホワイト3人を選考、県内外でPR活動A米飯給食拡大推進ポスターコンクールの実施B米飯学校給食・地産地消推進の地場産品を使った献立カードの作成や講習会、出前講座の開催C県内各種イベントで関係団体と一緒になったライシーホワイトによる福島米、みそ、しょうゆ、酒のPRD9月に札幌、10月に沖縄、1月に大阪、2月に東京などで開催予定の県主催観光物産展イベントでのPRE構成団体が行う行事への参加に取り組むことを決めた。
(日本農業新聞)

○5月22日(土) 田植え体験通じ農家の苦労学ぶ 秋田市港北小5年生
 秋田市立港北小学校の5年生117人が20日、農業体験学習で田植えを行った。秋田市飯島の農家、藤田正義さんから約4アールの水田を提供してもらい「あきたこまち」の苗を植え付けた。作業の前には、藤田さんから植え付けのこつや生育の流れについて説明を受けた。また、児童の代表が「田植えを楽しみにしていた。社会科で米の勉強をしているので、今日は頑張りたい」と抱負を話した。作業が始まると、水田のあちこちから児童たちの歓声が上がり、泥に足を取られ、悪戦苦闘しながら、夢中になって苗を植え付けていた。
(日本農業新聞)

○5月22日(土) 能代の児童に田植えを指導 JAあきた白神
 能代市向能代小学校の5年生59人が19日、総合学習の一環で田植えに挑戦し、泥の感触に歓声を上げながら、丁寧に手植えした。田植えは「究極のおにぎりを作ろう」をテーマに、総合学習の一環で行われ、田植えや稲刈りなどの農作業を通して、米や農業への関心を高めるのが狙い。JAあきた白神青年部員で東雲開拓地区の農家、長谷山富雄さん所有の水田の一部を借りて行った。児童たちは長谷山さんらJA青年部員から植え方のこつを聞いた後、早速、はだしで水田へ。独特の泥の感触にあちこちから歓声が上がり、にぎやかな田植えとなった。最初は手つきがおぼつかなかった児童も、慣れてくると手つきも様になり「苗ください」と元気な声が響かせながら、水田にきれいな緑のラインを並べていった。
(日本農業新聞)

○5月22日(土)  田植え作業を学校田で体験 岩手県矢巾町徳田小5年生
 田植えシーズンを迎え、矢巾町立徳田小学校の5年生55人は13日、矢巾町西徳田の学校田(約5アール)で田植えの体験学習を行った。平井進校長が「収穫を迎える秋まで皆さん大事に育ててください」と激励。駆け付けた地元農家の菊池伸章さんから田植えの説明を受け、一斉に田植えを行った。児童らははだしで田んぼに入ると歓声を上げながら、慣れない手つきで「ヒメノモチ」の苗を2、3本ずつ丁寧に植えていた。同校では9月に稲刈り、11月に世話になった人を学校に招き、餅(もち)をついて収穫祭を開く予定。
(日本農業新聞)

○5月23日(日) 外国産米の需要低迷 落札残、全面安に SBS取引
 外国産米の需要が冷え込みだした。10年ぶりの国産米不作を受け、代替商品として需要を伸ばした昨年末から一転、国産米の価格下落や、割安な政府米古米の流通量増加で、急速に魅力が薄れだしている。21日にあった2004年度第1回SBS取引(売買同時入札取引)は、平均価格が前年度比2割安となり、1年ぶりに落札残が出た。主食用に回る外国産米はSBSを通じ日本に輸入。主に弁当業者や外食といった業務用で流通する。年間輸入枠は10万トン。03年度のSBS取引では、国産米不作と価格高騰で外国産米需要が伸長。取引量(輸入量)は02年度の5万トンから倍増し、政府の予定数量10万トンが成約、価格も前年度比4割高となった。例年はうるち米が多いが、国産の不作で極度に逼迫(ひっぱく)感が高まったもち米の増加が目立った。  今回の取引では、政府が予定した2万5000トンのうち、2万1000トンが落札。4000トンが残った。落札されたのは、中国産1万3000トン、オーストラリア産4300トン、米国産2700トンなど。前年度、全体の4割を占めたもち米の需要はしぼみ、取引量は3000トンにとどまった。「年末・正月を過ぎ、引き合いが弱まった」(商社)。  需要低迷で価格も全面安の展開だった。代表規格である「うるち精米短粒種」の価格は、中国産(03年産)が前年度第4回取引(12月)に比べて21%安の1キロ249円で、米国産が22%安の258円。04年産新米のオーストラリア産(玄米)は269円だった。「外国産は、業務用需要として1キロ200円前後となっている政府米古米と競争しており、まだ高め」(商社)の水準と業界では受け止めている。  農水省は「国内の流通業者は安い政府米を大量に持っており、昨年末のような供給不安は後退している。業者の買い意欲は低く、外国産米の需要環境は一変した」とみる。今回落札された2万1000トンの外国産米は、9月から10月に日本に輸入される予定。 (日本農業新聞)

○5月23日(日) 「減減栽培」を本格化 特色ある良食味米へ 青森・JA八戸広域
 JA八戸広域は今年から、福地支店管内全域で、水稲の減農薬減化学肥料栽培を本格化させる。生産資材を一本化し、化学合成された農薬と肥料の使用量・成分数を慣行の5割以下に減らす。特色のある良食味米として、産米のPRなどに生かし、売れる米作りに拍車をかけていく考えだ。同JAは減農薬減化学肥料栽培を積極的に進めるため、福地村内の栽培農家を募集し、生産者22人で「ふくち特別栽培米研究会」を03年末に立ち上げた。今年は、同村内の水稲作付面積(約270ヘクタール)の4%に当たる約11・5ヘクタールで減農薬減化学肥料栽培に取り組む。品種は「つがるロマン」。施肥は、有機態窒素を約7割含む指定肥料を、田植え前に基肥として10アール当たり60〜80キロ散布する。追肥はしない。防除は、除草剤や箱施用剤の成分数などを見直した結果、慣行の半分以下の8成分に抑えた。収量目標は10アール当たり8・5俵(1俵60キロ)。同県の特別栽培農産物認証を取得するための看板(107カ所に設置)の費用は、同JAが負担する。
(日本農業新聞)

○5月25日(火) 冬季湛水水田 不耕起栽培に期待 宮城・田尻町が現地ワークショップ
 宮城県田尻町は今年から、自然環境との共生を目指し、冬季湛水(たんすい)水田・不耕起栽培を実施している。抑草効果や省力化などで期待が高まる中、23日には1回目の現地ワークショップを開き、直播(ちょくは)などによる田植え作業を披露。生産性の上がる栽培技術の実証にも力を入れている。同町では、渡り鳥の飛来地の蕪栗沼(かぶくりぬま)と接する伸萠集落で、昨年から20ヘクタールで冬季湛水を実施。12月上旬から田植え前まで水を張り続けた。「飛び地が多く、水の確保が大変だったが、(ねぐらや餌場を求めて)ハクチョウやガンが数多く来ていた」(町農政商工課)。田植えは今月15日前後が中心で、平年と比べると1週間から10日遅れ。主に田植え前の耕起は行わず、深さ5センチほどに浅く代かきして、普通の田植機で移植をした。「秋と春の耕起作業が不要なので、省力化も期待できる」(同)。ワークショップに参加した東北大学大学院農学研究課の伊藤豊彰助教授は「冬季湛水を行ったほ場は、耕起をしたほ場と同じくらいに軟らかく、苗を痛めずに植え付けが出来、初期生育も期待できる」と評価。冬期湛水によって雑草種子の発芽が抑えられ、代かき10日後ぐらいに見られる雑草が、今年は生えていないという。栽培方法は、無農薬無化学肥料栽培と減農薬減化学肥料栽培が8ヘクタールずつで、慣行栽培が4ヘクタール。同町では90アールの試験ほ場を設置し、農薬・化学肥料施用の有無や耕起方法、移植と直播などを組み合わせて比較試験をしている。「環境に優しいだけではなく、生産性が上がる方法を見いだすのが重要」(町農政商工課)。
(日本農業新聞)

○5月25日(火) 増田知事が酒米田植え 岩手・二戸市
 売れる米作りを支援するため増田寛也岩手県知事は24日、二戸市の水田で県オリジナル品種の酒造好適米「ぎんおとめ」を植え付け、豊作を願った。主催はJA北いわてや地元商工会などで組織する穀彩王国ミレットフェア実行委員会。会場は地元酒造会社と契約栽培する金田一営農組織の水田。今年度からの水田ビジョンに対応して、特徴ある売れる米作りを実践している。「ぎんおとめ」は1999年、「吟ぎんが」の妹分として奨励品種となった。「すっきりした味に仕上がる」と評判で、今年は県全体で110ヘクタールに作付けする。
(日本農業新聞)

○5月25日(火) 育てた苗で田植え 秋には東京の児童と稲刈り 宮城・角田市の西根地区こども会育成会
 「食」への意識を高めようと、角田市の西根地区こども会育成会などはこのほど、西根小学校児童の米作り体験会を開始、田植え体験を行った。田植えを行った品種はもち米の「ミヤコガネ」。児童らおよそ60人が田植えに汗を流した。当日は、JAみやぎ仙南角田地区青年部員らも応援に駆け付け、田植えを指導した。稲は今秋、東京都目黒区の月光原小学校の児童とともに稲刈りをしながら交流をする予定。
(日本農業新聞)

○5月26日(水) 値下がり銘柄目立つ 全量落札0.1%安の1万8723円 03年産米入札
 全国米穀取引・価格形成センターは25日、2003年産米の第13回入札取引を行った。値下がり銘柄が目立ったが、新潟「コシヒカリ」など一部銘柄が反発、全銘柄の落札平均価格は、60キロ1万8723円と前回比0・1%(15円)安にとどまった。全国から52銘柄、5万8500トンが上場。全量落札されたものの、米卸の調達意欲は弱かった。上場量に対する卸の申し込み倍率は前回の2・5倍から、2・1倍に下落。全体の6割の銘柄は値下がりする結果となった。03年産入札は終盤戦に入っており、店頭の人気銘柄など14銘柄は価格が上昇した。今回が最終上場となった新潟・一般「コシヒカリ」は続伸し、3・1%高の2万1869円。上げ幅が最も高かったのが福岡「夢つくし」で、4・7%高の2万212円となった。同日は、センター改革の一環で上場量が少ない場合や、減農薬栽培など特殊な米を別格で上場できるよう新設した「基本取引に準じる取引」も初めて実施。4月に売り手として新規登録した米卸など3業者が宮城・登米郡産「ひとめぼれ」など7銘柄、572トンを上場したが、6銘柄が売れ残る結果となった。
(日本農業新聞)

○5月26日(水) 児童の稲作応援 HPで情報発信 JAいわて花巻女性部
 JAいわて花巻女性部の「こだわり米グループ」は23日、代表を務める花巻市の高橋眞さんの圃場(ほじょう)7アールで小学生を対象に田植え体験を行った。3種類の「紫黒稲」を用意し、子どもたちは実りの秋にIBC岩手放送のキャラクター「ちゃおくん」と「うのちゃん」の顔が圃場に浮き出るようにと田植えを楽しんだ。田植えには、同女性部員の子どもたち約50人が参加した。高橋さんから植え方のポイントを教わり、泥の感触に歓声を上げながらも古代米の紫黒稲を手で丁寧に植えていた。同グループでは、高所作業車を利用しての観察会や、稲の生育状況など随時岩手放送のホームページで伝える。
(日本農業新聞)

○5月26日(水) 一味違う?! 機械化農業体験 JA秋田ふるさと管内の児童
 5月下旬から6月上旬にかけJA秋田ふるさと管内の小学校で農業体験学習が盛んに行われる中、十文字町立睦合小学校で21日、児童たちによる田植え体験が行われた。田植え体験の多くは、作業は手植え。しかし、同校では数年前から田植機を使った作業を体験させている。圃場(ほじょう)を提供し指導に当たる斉藤光司さんは、「次代を担う子どもたちに『農業は難儀なもの』でなく、楽しいものと感じてほしい」と話す。児童たちは初めての体験からやや緊張した面持ちでハンドルを握っていたが、数メートル進むと顔が笑顔に変わり、楽しそうに運転していた。
(日本農業新聞)

○5月26日(水) 今年は夏らしい暑さ 北日本は雨多め 3カ月予報
 気象庁は25日、8月までの3カ月予報を発表した。気温は北・東日本が平年並み。西日本と南西諸島は平年より高く、梅雨明け後は全国的に夏らしい天気が続きそうだ。同庁は「昨年の長梅雨、冷夏を招いたオホーツク海高気圧が極端に南に下がって強まることはなく、現れても一時的」とみている。北日本はぐずつき、降水量が多くなる。6月は梅雨前線が活発で、南西諸島を除き、全国的に曇りや雨の日が多い。降水量も多い見込み。気温は北・東日本で平年並み、西日本と南西諸島で高い。7月は北日本で曇りや雨の日が多い。降水量は多いが、平年並みの気温。東・西日本は平年と同様の天気で降水量も平年並み、気温は高い。8月は、平年と同様に晴れる日が多い。北日本ではぐずつく時期がある。気温は北・東日本で平年並み、西日本と南西諸島は高い。
(日本農業新聞)

○5月28日(金) リスナーが田植え 岩手・胆沢町で大阪ABCラジオ
 大阪ABCラジオの「ゆめろく2004田植え体験ツアー」が23日、胆沢町の石川千早さんの圃場(ほじょう)10アールで行われた。参加した15組30人のリスナーは、「楽しいわー」と額に汗をにじませながら稲作の苦労と喜びを味わっていた。これは、関西地方のラジオ番局・大阪ABCラジオの番組企画。今年で7回目。同ラジオ局では今秋、稲刈り体験ツアーも予定している。昨年は、JA岩手ふるさとを通じ、プライベートブランド米「いわて純情ゆめろく」として、5キロ入り2万袋が関西地方で限定販売された。
(日本農業新聞)

○5月28日(金) 生協組合員と田植え交流会 ごはんを作る会など 青森・JA木造町
 JA木造町おいしいごはんを作る会とコープあおもりは22日、八木橋豊光さんの約10アールの水田で「つがるロマン」の苗で、田植え体験交流会を開いた。出席した同会会員の人たちから「3〜5本の苗を押し込むように植えてください」と、手植えの説明を聞いた後、参加者ははだしで水田に入り、泥の感触を味わいながら田植えを楽しんだ。参加者は「普段は自然に触れる機会が少ないので、貴重な体験が出来た」と感想を語った。今後、この水田はアイガモ農法で管理し、秋にはおいしいお米の稲刈り体験交流会も予定されている。
(日本農業新聞)

○5月28日(金) 新酒搾り楽しみ 米作りから開始 岩手県釜石市酒造り体験塾
 酒造りのすべてを体験する釜石市の酒造業・浜千鳥の「酒作り体験塾」は22日、酒の原料となる米作りからスタートし、市内外から参加した約60人の親子らが、隣町の大槌町での田植えを体験した。酒造り体験塾は、地産地消を狙いに、地元産米を使った酒造りに理解を深めてもらおうと実施。田植えは、大槌町の佐々木重吾さんが所有する田んぼで行われ、参加した親子や浜千鳥の杜氏(とうじ)らが、「お田植え」の神事で、豊作や稲作期間の安全を祈願した後、田んぼに入り、酒造好適米「吟ぎんが」の苗を丁寧に植え付けた。昼は、ホオノキの葉で赤飯を包んだ「田の神」と呼ばれる郷土料理などが振る舞われたり、豊作を祈って郷土芸能の鹿子(しし)踊りも披露されたりして、体験塾の取り組みを盛り上げた。今後は、9月上旬に稲刈り、11月には杜氏の指導で酒の仕込み、12月には新酒搾りの体験塾を開く予定だ。
(日本農業新聞)

○5月28日(金) 歓声響かせ田植え体験 秋田県大館市上川沿小5年生
 大館市上川沿小学校の5年生36人が24日、田植えを行った。同校では毎年、お金を出せば簡単に買えるものでも時間と手間が掛かっていることを体験して理解させたいと5年生が稲作の体験学習を行っている。田植えの指導に訪れた児童の祖母2人から説明を受けた後、児童が型枠を転がして型をつけ「あきたこまち」の苗を手植えした。今後、稲の生育を視察しながら、環境問題についても学習。また、収穫した米の使い道についても自分たちで考えることにしている。
(日本農業新聞)

○5月28日(金) 実りに夢膨らむ 田植えで交流 生活クラブ生協岩手と都里米生産協
 生活クラブ生協岩手と都里夢(ドリーム)米生産協議会の田植え交流会が23日、一関市の水田で行われ、同生協の組合員、同協議会会員やJA職員ら約70人が秋の実りに夢を膨らませながら手植えを行った。
(日本農業新聞)

○5月29日(土) 平年並みの進ちょく率で終了/東北各県の田植え/宮城県で晩期栽培が急増
 今年の東北各県の田植えは、ほぼ平年並みの進み具合で終了した。ただ、宮城県では晩期栽培面積(平坦部で今月15日以降に田植えされる面積)が約7700ヘクタール(県全体の約10%)と、昨年の562ヘクタールから10倍以上に拡大するなど、全県的に田植えを遅らせる傾向が見られた。青森県では、25日現在で県全体の97%が終了。残っている地区は下北80%、中弘90%、三八94%以上。県全体の終期(95%終了時)は昨年と同じ25日。「台風の影響はまったくなかった。全般に平年並みで順調だった」(県農産園芸課)。 岩手県の田植え進ちょく状況(25日現在)は県全体で97%。盛期(50%終了時)だった22、23日がピークで、ほぼ終了した。あとは北部地域が残るだけ。県では「台風2号の風で苗が飛ぶなどの被害を心配したが、影響はなかった。活着も順調で平年並みに終了しそうだ」(農産園芸課)。秋田県では、天候に恵まれ、田植えの進み具合はほぼ平年並みで、25日現在、県全体の96・8%で田植えが終了した。盛期は17日、終期は24日でともに平年と同じだった。盛期前後の平均気温が平年より高く推移したことから、活着も良好という。
(日本農業新聞)

○5月30日(日) 「もみ発芽玄米」を製造・販売 自然に近い健康食と注目 山形県南陽市の青木さん
 南陽市の青木功樹さんは「もみ発芽玄米」の製造・販売に取り組んでいる。発芽玄米は、もみを取り除いて玄米から発芽させるのに対して、もみ発芽玄米はもみの状態から発芽させる。しかも玄米からの発芽は、高温での処理や乾燥に新たな機械が必要だったが、もみ発芽玄米は既存の米乾燥機を使えるメリットがあった。作り方は、もみを水に漬け1ミリほどの芽を出す。これを水洗い、脱水、乾燥させてもみすりし、1週間から10日で出来上がり。専門家によると、もみ発芽玄米はギャバ(ガンマアミノ酪酸)が発芽玄米の2、3倍という。米は粘りの強い「ミルキークイーン」を使用。水にもこだわり、強酸性水やセラミック使用水など、少しでも健康に良くおいしい米づくりを工夫している。「もみ発芽玄米」は市内の産直店やスーパー、デパートで販売されている。
(日本農業新聞)

○5月30日(日) JA役員らが豊作を祈願 青森県岩木町岩木山神社
 JA木造町役員、同町助役、木造地域農業改良普及センター所長、同町商工会長、同町農業委員長ら19人は26日、岩木町にある岩木山神社で豊作祈願をした。昨年は夏の日照不足による冷害に見舞われ、同町の主力農産物である米をはじめ、大きな打撃を受けた。今年こそは天候にも恵まれ、農作物の豊作をとの期待を込め、生産者を代表して、参加者一人一人が玉ぐしを奉納し豊作を祈った。
(日本農業新聞)

○5月31日(月) やませの種*k欧上空 波動、風に乗り1週間 オホーツク海高気圧 成長
 梅雨や冷夏などの日本の夏の気候を左右するオホーツク海高気圧は、北欧上空の大気の動きが種≠ニなり、そのエネルギーがシベリア上空を経て東に伝わることによって生まれることを中村尚東京助教授(気候力学)と気象庁海洋気象情報室の深町知宏さんが突き止めた。オホーツク海高気圧は春から夏にオホーツク海上に現れる高気圧。夏に強まると「やませ」という冷たく湿った北東風を北日本に吹かせ、冷害を起こす。今回の研究は長年の謎だった成因を解明し、予報の精度アップに道を開く画期的成果として注目される。中村さんらは米海洋大気局の過去三十年の気象データを分析。七月にオホーツク海高気圧ができる際、約一週間前に北欧上空で高気圧が強まり、それが弱まるとシベリアの北極海沿岸で低気圧ができ、その衰えとともにオホーツク海高気圧が成長していた。中村さんらは「ロスビー波」という大気エネルギーの波動が、北極海沿岸の約十キロ上空を吹く秒速約十メートルの西風、ジェット気流に乗り東に伝わることで、これら一連の変化が起きることを解明。気流出口に当たるオホーツク海の北で高度約十キロに高気圧が発生し、冷たい同海の上に東風を吹かせる。海上で冷やされた空気は同海西部にたまりオホーツク海高気圧が発生するメカニズムを突き止めた。昨年と一九九三年の冷夏では特にロスビー波の動きがはっきりしており、北欧のさらに西の北大西洋や北米西岸でロスビー波が発生し、二週間ほどかけオホーツク海上へと伝わっていた。中村さんは「予報精度を上げるには北欧の気圧の監視や、ロスビー波を伝えるジェット気流の研究を進める必要がある」と話している。
 【解説】オホーツク海高気圧は南の太平洋高気圧と並び、東アジアの夏の気候を決める主役。しかし生成メカニズムは長い間謎に包まれていた。まずルーツは二つあった。冷夏をもたらす七月のオホーツク海高気圧ははるか北欧から伝わる大気波動が起源。一方、五月は北太平洋中部で生まれた高気圧が数日かけて北西に進み、同高気圧になっていた。六月は二つの型が混在する。五月型と七月型では構造も違う。五月型は地表から約十キロ上空まで真っすぐ延びた背の高い高気圧。七月は高さ二〜三キロまでの気圧の中心はオホーツク海上にあり、それより上では北極海沿岸上空に中心を持つ高気圧とつながっている。日本が冷夏、猛暑のどちらになるかは、北欧からエネルギーを伝えるシベリア上空のジェット気流の丈夫さ≠ェ鍵を握る。冷夏の年はこの気流が強く、昨年は北欧の猛暑と日本の冷夏が強いジェット気流で結びついていた。逆に北欧上空に低気圧が出ていればオホーツク海上に低気圧ができ、北日本は南西風が吹いて暑い夏になっていた。温暖化が進むとジェット気流が強まり、極端な冷夏や猛暑が日本を襲うとみられている。
(岩手日報)


 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp