水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


本情報は警戒担当者が現在注目している点をお知らせするものです。

2001年早期警戒情報(9月15日)
No.21
仙台管区気象台が7日発表した向こう1か月予報によると、この期間は、天気は概ね周期的に変わり、平均気温は高い見込みです。平均気温は均してみると高い予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は2週目以降大きくなり、2週目以後の予報の信頼度は低いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み30%、同高い50%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
第1週目(9月15日〜9月21日):期間の前半は気圧の谷の影響で雨の降る日がある。その後は高気圧に覆われ、概ね晴れる見込み。平均気温は平年並であるが、前半は平年より高く、後半は平年並か平年より低い。
第2週目(9月22日〜9月28日):天気は周期的に変わり、平均気温は高い。
また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、17日頃から蛇行の程度が大きくなり、北から寒気が入りやすくなると予想されます。



9月14日発表:1ヶ月予報(9月13日から10月14日)

 9月21日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
115.518.210.61.902023.51732.52.11.42.9-2.3-1.7
213.217.27.21.60.618.422.115.15.72.61.30.42.12.2-2.6
313.917.48.12.80.419.423.215.97.52.51.60.62.34.2-2.7
41318.46.20.11.418.12214.662.21.40.42.31.9-2.5
515.218.89.62.6020.524.616.852.92.31.72.70.9-2.4
613.817.38.41.20.118.322.115.14.82.22.31.93.30.5-2.1
715.1189.70.7019.823.116.72.72.22.11.22.7-0.8-2.3
813.118.86.802.617.621.114.56.32.50.60.11.71.2-2.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



現在、東北地域の水稲は糊熟期から成熟期、収穫期にあり、遅延型冷害の最も危険な時期にあります。
過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年より高く経過していますが、日射量不足が続いています。太平洋側において8月上旬に出穂・開花期にあった品種では、一穂や株内の籾の登熟ムラが顕著に現れています。これらの品種は成熟期に達しつつありますが、刈り取り適期の判定が非常に難しくなっています。
現在、水稲の生育は7月下旬から8月中旬の低温・日照不足、さらにこのところの不順な天候で太平洋側を中心に遅れています。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、玄米発育予測、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理や収穫時期の判定には細心の注意を払って下さい。
 ○適期刈り取りの励行
○低温時:生育時期に応じた水管理による各種障害回避。


9月21日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは平均気温前7日間の移動平均値を用いて下の基準温度で図示しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
@ 平均気温17℃以下:生育遅延がかなり懸念される。
A 平均気温17℃〜19℃:生育遅延が懸念される。
B 平均気温19〜21℃:生育遅延が心配される。
C 平均気温21℃以上:生育遅延は予想されない。
  〜17℃かなりの生育遅延
17〜19℃生育遅延
19〜21℃やや生育遅延
21℃以上
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp