図説:東北の稲作と冷害
活着期水管理のポイント
田植えから活着期における水管理のポイントを紹介する。
活着期水管理のポイント
東北地域は夏が短いために、水稲の苗は温度を外気より高く維持できるハウスやトンネルなどで育てられる。そのため、種まきは水稲の生育には不適な4月中に行うことができ、5月に入ると各地で田植えが始まり、下旬には北部でも田植えを終える。
田植えは普通気温が12〜13度に達すると可能であるといわれる。
下図は東北地域の田植え時期をおおまかに示す。
水稲の苗は田植機などで移植されると、機械的な断根で生育が一時的に止まる。水温や気温が高いと、1週間程度で新しい根が伸びて生育を再開する。これを活着という。
東北地域では田植えから活着までの期間に、低温に遭遇することがしばしばある。
できるだけ早く活着させるための水管理のポイントは次の通りである。
○ 田植え後は深水にして苗の萎ちょうを防ぎ、活着後は浅水で管理する。
○ 水温を日中にできるだけ高くするために、灌漑は朝夕に行う。
○ 低温時は深水にして苗を冷気から防ぐ。
参照図説:
水田水面の熱収支
水田水面の熱収支5要素の日変化
質 問:水温を高くすると、どのような効果があるのですか?
reigai@ml.affrc.go.jp