図説:東北の稲作と冷害
寒冷地における水管理の主な役割
水管理は、水温を通して水稲の生育を直接的に制御することと、土壌養分の発現の仕方を変えて生育を間接的に制御する重要な技術である。また、土壌中の有害物資を除去したり、冷温障害を回避するためにも有効なものである。
寒冷地における水管理の主な役割
水田における水管理は、主に次のような効果を通して水稲の生育を制御したり、各種障害を回避する重要な技術である。
- 水稲の生育に必要な水を供給する。
- 水稲に必要な珪酸、石灰、マグネシウム、カリ、窒素などが灌漑水を通して天然供給される。
- 窒素やリン酸などの土壌養分の発現の仕方を制御する。
- 土壌中に発生した硫化水素や有機酸などの有害物質を除去する。
- 雑草の発生を抑制したり、除草剤の効果を発揮させる。
- 水温の制御を通して水稲の生育を調節したり、深水によって冷温障害を回避する。
このような効果をもつ水管理を適切に実施するために、水田圃場を次のように整備・補強することが大切である。
- 田面の均平化:効果的な水管理、除草剤の効果発現、圃場内の生育均一化等に不可欠となる。
- 漏水の防止:無機養分の損失を減らし、水温上昇効果を高める。
- 畦畔のかさあげと補強:減数分裂期の深水管理を容易にする。
参照図説:
水田の水収支
質 問:<寒冷地における水管理のポイントは?>
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