水稲冷害研究チーム

2000年早期警戒情報


2000年早期警戒情報(4月22日)

No.1

 仙台管区気象台が21日発表した向こう1か月予報によると、この期間は低気圧と高気圧が交互に通り、天気は周期に変わるが、寒暖の変動が大きく、降霜の恐れもあります。平均気温は「平年並」と予想されています。気温が低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%となっています。この先2週間の予想は次の通り。
 第1週目(4月22日〜4月28日):期間の中頃に高気圧に覆われ晴れる日があるほかは、気圧の谷の影響で曇りや雨に日が多い。平均気温は平年並み、期間前半は低い日がある見込み。
 第2週目:(4月29日〜5月5日):低気圧と高気圧が交互に通る。天気は周期的に変わる。平均気温は平年並みの見込み。
 また偏西風の流れの予想によると、偏西風は日本付近で蛇行し寒気が流れ込む可能性もあります。また、降霜にも注意が必要です。


4月21日発表:1ヶ月予報(4月20日から5月21日)

 月28日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
110.614.37.73.13.611.315.87.29.64.6-0.3-1.31.16.1-2.3
28.411.35.93.10.59.613.26.46.52.9-0.8-2.41.13.7-3.7
38.510.76.411.60.410.013.56.68.52.8-0.6-2.41.24.4-3.4
48.111.45.42.20.49.312.86.28.32.5-0.8-2.71.55.1-3.9
59.011.26.616.00.810.714.87.28.33.0-1.1-2.81.05.1-3.6
68.712.85.41.94.39.814.35.610.35.0-0.8-1.70.95.3-2.1
79.512.56.80.52.810.614.76.99.14.2-0.9-2.30.76.1-2.7
87.610.74.92.80.38.611.75.79.92.8-0.4-1.71.06.9-3.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              4月28日現在
 現在、東北地域の水稲は育苗期から田植え始めの時期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。全般的に低温・日照不足で推移しています。また、寒暖の変動が大きいのも最近の特徴です。
 このようなことから、各県の技術・予察情報などを参考にして育苗温度や潅水の管理に細心の注意が必要です。
 ○低温時:苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生
 ○高温時:苗の軟弱徒長や過繁茂による老化。細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
 
警戒メッシュ説明:
 下図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には安全作期で使用している下の基準温度を参考にしています。
 ○夏作物の生育可能気温:10度
 ○稚苗移植の早限を示す平均気温:12度
 ○中苗・成苗移植の早限を示す平均気温:13度
 
  〜10.0℃不適
10.0〜12.0℃やや不適
12.0〜13.0℃稚苗
13.0℃以上中苗


 
ホームページ参照:

 
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