1 水稲 (1) 登熟期前半(出穂後15日間)の高温により、乳白米の発生が懸念されるので、その期間は水の入れ替えや可能であればかけ流しを行い、水温・地温の低下を図る。 (2) 早すぎる落水は、胴割米の発生を助長するため、落水時期は、湿田では出穂後20〜25日、乾田では出穂後30〜35日を目安とする。 ※詳細は、臨時農業生産情報をご覧ください。 |
○ 適切な水管理で幼穂の保護と根の老化防止に努めよう!
○ いもち病や斑点米カメムシ類の防除を徹底しよう! 【水管理】 1 穂ばらみ期 @ これから出穂までの期間に、平均気温が20℃以下、又は最低気温が17℃以下になると予想される場合は、15cm以上の深水管理を徹底する。 A 高温が続く場合は、4cm程度の浅水にし、時々水の入れ替えや掛け流しかんがいを行い、根の老化を防止する。特に、湿田、稲わらすき込み田及び休耕田から復元した水田では積極的に行う。 B 水田の見回りを強化し、こまめな水管理や畦畔と水口の整備・補強などにより、水温の調節や節水等に努める。 2 出穂・開花期 @ 出穂後10日間は、イネの一生のうちで最も水を必要とする時期なので5〜6p位の水深にして開花・受精が順調に行われるようにする。 A この時期に低温に当たると、開花・受精が正常に行われず、障害不稔が発生する恐れがあるので、低温時(日平均気温20℃以下)には、10p程度の深水にして保温する。 3 登熟期 @ 登熟期は2〜3p程度の浅水とし、中干しが不十分であった水田や湿田などでは、根の老化を防止するため土壌に軽く亀裂が入る程度の間断かんがいを行う。 A 低温(最低気温15℃以下)が予想される場合は、10p程度の深水にする。 4 落水時期 @ 落水が早すぎると玄米の肥大が抑えられ、屑米等が増加する。 A 落水時期は、湿田では出穂後20〜25日、乾田では出穂後30〜35日を目安とする。砂質土や漏水の甚だしい水田では基準よりやや遅くする。 B 出穂後6〜10日に最高気温が30℃以上の高温となった場合には、胴割米が発生しやすくなるので落水を早めない。また、天候不順などで登熟が遅れている場合は、穂の熟色や稔実程度をよく観察しながら徐々に落水する。 <津波で冠水したほ場の水管理> 塩害を助長しないため、収穫作業に支障がない範囲で、なるべく湛水状態を継続する。 【病害虫防除】 1 いもち病 (1)葉いもち 早期発見・早期防除に努め、穂いもちの感染源となる上位葉への感染を防ぐ。 (2)穂いもち 予防防除を基本とし、防除適期を逃さないようにする。 2 稲こうじ病 3 斑点米カメムシ類 斑点米を発生させる主要カメムシのアカヒゲホソミドリカスミカメは、発生量が平年並と予想されている。また、気温が高いと本田の発生量が多くなるため、次により適期防除等を徹底する。 また、アカスジカスミカメについては、県南地域や津軽地域の海岸沿いに分布し、近年発生が拡大しており、同様に防除に努める。 水田だけでなく畦畔や休耕田の防除も徹底し、地域ぐるみでの実施や広域一斉散布で防除効果を高める。 出穂期間近の草刈りは、斑点米カメムシ類を水田に追い立てることになるので行わない。出穂2週間前〜出穂後4週間の間にやむを得ず草刈りを行う場合は、畦畔や休耕田に殺虫剤を散布した後に行う。 (1)茎葉散布剤による防除 (2)水面施用剤による防除 4 ホールクロップサイレージ(WCS)用イネ及び飼料用米の病害虫防除 (1)WCS用イネ (2)飼料用米 5 薬剤散布上の注意 【台風対策】 ※詳細は、稲作生産情報 第6号をご覧ください。 ●次回の稲作生産情報の発行予定は9月7日です。 |
生育状況:刈り取り始めの目安となる日平均積算気温が950℃に達する日は、平年より2 日程度早まると予想される。収穫時期は日没が早まるので、余裕ある作業計画で適期に収穫すること。 ○コンバインや乾燥調製施設の点検、整備を早めに行うこと。 ○完全落水は出穂後30〜35 日後とすること。(品質低下の防止) ○刈取り適期の判定は、穂の黄化籾率で80〜90%を目安に、適期に収穫すること。 ○籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げること。 ◆ 刈り取り始めの目安となる日(日平均積算気温が950℃に到達する日)は平年より2日程度早まる予想です。収穫時期は日没が早まりますので、余裕のある作業計画で、適期に収穫しましょう。 ◆ コンバインや乾燥調製施設の点検、整備は早めに行いましょう。 ◆ 完全落水は出穂後30〜35日後としましょう。(品質低下の防止) ◆ 刈取適期の判定は黄化籾率で80〜90%を目安に、適期に収穫しましょう。 ◆ 籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げましょう。 ※詳細は、農作物技術情報 第6号をご覧ください。 ●次回の農作物技術情報の発行予定は9月27日です。 |
これからの栽培管理の要点 ○ 高温障害に備え,出穂期の水管理を徹底(水を切らさない) ○ 登熟期の最低気温が23℃前後以上となる場合には,昼間深水・夜間落水管理や走り水等の水管理を行い,根の活力を維持 ○ 止葉・次葉の葉いもち発生に注意 ○ 穂いもちの適期防除 ※詳細は、稲作情報 第4号をご覧ください。 ●次回の農作物技術情報の発行予定は9月13日です。 |
籾の黄化程度を確認して適期に刈り取りを!
− 斑点米カメムシ類の追加防除は確実に− − 早期の完全落水は避ける− 3 当面の技術対策(8月下旬〜10月上旬) 本年の生育は、穂数が多く、1穂着粒数が少ない状況である。 水管理を徹底して登熟の向上を図るとともに、刈り取り時期を適正に判定し、刈り遅れ等がないように行う。 (1)登熟の向上を図る水管理 (2) 斑点米カメムシ類の防除 1)薬剤散布 8月下旬に斑点米カメムシ類が確認されるほ場では、出穂期24日後頃にキラップ剤(使用時期は収穫14日前まで)を畦畔を含めて散布する。 なお、以下のようなほ場条件では8月下旬に斑点米カメムシ類が確認される可能性が高いので、薬剤散布を検討する。 @出穂期10日後頃の薬剤散布を実施しなかったほ場や、散布適期に防除を行わなかったほ場。 A出穂期〜穂揃期に水田内で斑点米カメムシ類が多かったほ場。 B水田内にホタルイ類等のカヤツリグサ科雑草やノビエが多いほ場。 Cイネ科植物が主体の牧草地や休耕田等の雑草地に隣接しているほ場。 2)雑草管理 畦畔・農道等の草刈りは収穫2週間前から行う。 (3) 台風等による被害対策 (4) 適期の刈り取り (5) 農作業計画 (6) コンバイン収穫 (7) 高品位米に仕上げるための乾燥・調製 (8) 農作業事故の防止 (9) 農薬の飛散防止と安全使用の徹底 (10) 稲わら等の有効活用の推進 ●次回の農作物技術情報の発行予定は12月20日です。 |
本年の県全体の出穂始期は8月4日で平年より1日遅れ、出穂盛期は8月7日で平年並となった。平坦部「はえぬき」の穂数は平年よりやや多く、一穂籾数は平年よりやや少なく、u当たり籾数はほぼ平年並となっている。 出穂後は高温で経過しており、胴割粒の発生や白粒の発生など、品質低下が懸念されるため、根の活力を維持する間断灌水を励行し、登熟を高める水管理を徹底するとともに、適期刈取りと適正な乾燥調製により高品位米の安定生産を図る。 特に、登熟スピードが速い傾向にあり、刈取適期の幅が狭くなることも想定されるので、圃場の観察をこまめに行い、刈り遅れにならないように十分留意する。 1 品質・登熟を高める水管理 (1)水管理の徹底 出穂後30日頃までは玄米肥大が旺盛な時期であり、間断灌水や飽水管理をきめ細かに行い、根の活力維持を図る。 (2)早期落水の防止 平坦部「はえぬき」で、少なくとも9月5日頃、「つや姫」では、9月中旬頃までは落水を行わず、十分な土壌水分を保持する。 2 収穫機、乾燥機の事前点検 (1)早目の準備 刈取り時期が早まることを想定し、作業能率・精度の向上とトラブルを防止するため、バインダー、コンバイン、乾燥機の整備点検を早急に実施する。 3 適期刈取りの推進 (1)登熟状況のこまめな確認 刈取適期は、出穂後の積算平均気温を目安に、枝梗の黄化、青籾歩合、籾水分、倒伏程度などを加味して総合的に判断する。また、出穂期やuあたり籾数の違いから、圃場毎に刈取適期が違う可能性があるため、こまめなチェックで登熟状況に十分注意するとともに、計画的に刈取作業を進める。 (2)品種別の積算気温 出穂後の積算気温から刈取り適期を判断する場合、「はえぬき」は950〜1,200℃(但し、出穂後30日間の日平均気温が25℃以上の場合は、900℃〜1,150℃)、「つや姫」は1,000〜1,200℃(同様に高温登熟の場合は950℃〜1,150℃)を目安とする。 4 適正な乾燥・調製 仕上がり玄米水分は15%になるようにし、過乾燥にならないように注意する。特に、本年は出穂後に高温で経過しており、胴割米の発生が懸念されるため、急激な乾燥を避ける。 籾ずりは、籾を十分放冷し、適正水分であることを確認してから行う。脱ぷ率80〜85%を目安に、必ず「試しずり」を行う。 選別は、1.90o網目(LL)の使用を基本とし、整粒歩合の向上を図る。 5 農作業の事故防止 6 台風対策 ※詳細は、やまがたアグリネットをご覧ください。 |