水稲冷害研究チーム

2000年早期警戒情報


2000年早期警戒情報(5月13日)

No.4

仙台管区気象台が12日発表した向こう1か月予報によると、この期間の前半は低気圧と高気圧が交互に通り、天気は周期的に変化する。東北太平洋側では、一時湿った東風の影響で天気がぐずつく時期がある。後半は前線や寒冷低気圧の影響をうけ、平年に比べ曇りや雨の日が多い。また、オホーツク海高気圧の影響で、太平洋側を中心に低温となる時期がある見込み。また寒暖の変動が大きく、降霜の恐れもある予想です。
平均気温は均してみると平年並か平年より低い予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーの予想は平年より低くなる可能性もあります。気温が低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%となっています。この先2週間の予想は次の通り。
第1週目(5月13日〜5月19日):期間の初めは日本海側では晴れる日があるが、太平洋側では東海上からの湿った気流の影響を受け、曇りの所が多い。期間の中頃は気圧の谷の影響で天気の崩れるところがある見込み。期間の終わりは高気圧に覆われておおむね晴れる見込み。平均気温は平年並の見込みです。
 第2週目:(5月20日〜5月26日):低気圧と高気圧が交互に通り、天気は周期的に変化する。平均気温は平年並の見込みです。
ま た、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は日本付近で南北に大きく蛇行し、オホーツク海高気圧の影響を受ける可能性もあります。


5月12日発表:1ヶ月予報(5月11日から6月12日)

 月1日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
113.218.59.10.95.311.516.47.04.64.7-0.7-1.40.51.20.8
211.014.98.00.91.89.614.15.62.74.5-1.4-2.2-0.1-0.00.0
311.716.98.30.73.010.314.56.54.73.5-0.9-2.00.60.4-0.4
410.115.16.70.71.29.313.65.64.54.3-1.4-2.70.51.70.1
513.219.09.30.44.711.116.06.74.93.6-1.3-2.20.11.6-0.3
611.917.76.90.64.39.814.75.25.45.7-1.2-2.00.41.91.5
713.518.99.01.45.611.115.76.83.74.9-0.9-1.70.30.40.7
89.112.16.50.41.58.111.64.85.85.1-1.4-2.7-0.43.10.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              5月19日現在
 現在、東北地域の水稲は育苗期〜田植え時期〜活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。地帯8を除き、全般的に気温は平年並みから高く、日照時間は平年並みから少なく推移しています。今後ともオホーツク海高気圧の影響で太平洋側沿岸部を中心に気温が低くなる可能性があります。
 このようなことから、各県の技術・予察情報、ホームページの安全作期や図説の情報などを参考にして、育苗温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意が必要です。
 活着期にある地域については、警戒メッシュで12度以下のところでは水管理に特に注意が必要です。

 ○低温時:活着期水管理、育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生
 ○高温時:苗の軟弱徒長や過繁茂による老化。細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
 
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。育苗管理や田植え時期の判定、活着期水管理等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には安全作期で使用している下の基準温度を参考にしています。
 ○夏作物の生育可能気温:10度
 ○稚苗移植の早限を示す平均気温:12度
 ○中苗・成苗移植の早限を示す平均気温:13度
 
  〜10.0℃不適
10.0〜12.0℃やや不適
12.0〜13.0℃稚苗
13.0℃以上中苗

岩手県には「日照不足に関する岩手県気象情報 第2号」が盛岡地方気象台から5月12日14時10分に発表されています。内容は次の通り。
 「岩手県では,4月下旬から寒気を伴った低気圧や、オホーツク海高気圧の影響で,曇りや雨の日が多く、日照時間が少なく、降水量の多い状態が続いています。また、沿岸北部を中心に日最高気温が平年に比べて3度程度低くなっています。来週の中頃までは低気圧やオホ−ツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、ぐずついた天気が続く見込みですので農作物の管理等には十分注意して下さい。」


 
ホームページ参照:

 
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