水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


本情報は警戒担当者が現在注目している点をお知らせするものです。

2001年早期警戒情報(9月29日)
No.23
仙台管区気象台が28日発表した向こう1か月予報によると、天気は周期的に変わり、後半は寒気の影響で一時気温が低くなる見込みです。平均気温は平年並か高い見込みです。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は2週目以降大きくなり、2週目以後の予報の信頼度は低いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
第1週目(9月29日〜10月5日):期間の中頃までは雨や曇りの日が多く、その後はおおむね晴れる見込み。平均気温は平年並ですが、期間の初めは平年より低く、その後は平年並か平年より高い。
第2週目(10月6日〜10月12日):天気は周期的に変わり、平均気温は高い。
また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、蛇行の程度が大きくなり、北から寒気が入りやすい状態が続くと予想されます。



9月28日発表:1ヶ月予報(9月27日から10月28日)

 10月5日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
115.31713.716.8015.219.2119.63.10.1-0.605-0.3
214.817.412.66.90.314.818.610.96.93.60.5-0.41.24.2-0.4
315.818.413.89.10.215.119.110.98.530.3-0.50.75.7-0.8
414.216.212.25.7014.118.110.111.63.40.3-11.28.6-0.6
516.519.914.47.20.615.319.711.26.430.1-0.40.32.4-0.5
614.116.711.8150.113.717.79.512.12.60-0.70.68.4-0.8
715.317.213.712.5014.918.710.873.1-0.1-103.9-0.6
814.716.512.74.20.114.317.610.214.63.4-0.2-10.111.3-1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は黄熟期から成熟期、収穫期にあり、遅延型冷害の最も危険な時期にあります。
過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年より低く経過しています。太平洋側において8月上旬に出穂・開花期にあった品種では、一穂や株内の籾の登熟ムラが顕著に現れています。さらに、22、23日の極端な低温による葉色の退色がほぼ全域でみられます。ほとんどの水稲は成熟期〜収穫期に達しています。登熟のムラや葉色の退色により刈り取り適期の判定やその後の乾燥調製が非常に難しくなっています。本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、玄米発育予測、参照リンクならびに各県の技術情報などを参考にして、収穫時期の判定と乾燥調製には細心の注意を払って下さい。

 ○成熟期に達している稲の速やかな刈り取りと適正な乾燥調製の励行



10月5日現在
警戒メッシュ説明:
 登熟停止が懸念される最低気温として、八柳(1960)は10℃を設定している。それを基に、極端な低温が来た地域の移り変わりを、最低気温の前3日の移動平均値で図示する。
  〜10℃かなりの低温
10〜12℃低温
12〜14℃やや低温
14℃以上


 
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