図説:東北の稲作と冷害

活着期の水温と気温推移


活着期における水田の水温と気温の実測データを基に、水温が気温よりいかに高く推移しているかを紹介する。

活着期の水温と気温推移


活着期において、水田の水温と気温はどの程度の違いがあるのかを紹介する。
下図に示すデータは、1997年盛岡市の東北農業試験場水田で測定されたものである。同年は5月下旬から6月上旬にかけて、オホーツク海高気圧に覆われ、日照不足でかなりの低温で推移し、活着障害が大きな問題となった。同水田では5月19日に移植し、分げつの初発を観察できたのは6月13日であった。代枯れは生じなかったが、葉先の枯れ上がりなどがみられ、生育の遅延が心配された。
活着期の水温と気温推移
上の測定データは5月23日〜6月4日までのものである。
水田の水温と気温の推移には次のような特徴がある。
    ○ 水温は気温よりも高く推移し、日中の午後は5度以上高くなる。
    ○ 晴れた日の水温は30度以上にも達する。曇雨天の日は水温の上昇が鈍いが、それでも気温と比べると5度程度高くなる。
    ○ この期間の積算温度で比較すると、水温は気温よりも約20%高くなる。

 このような水温の推移は水管理の方法によって大きく影響されるので、水温を高く維持して、活着を促進することが重要である。

参照図説:
水田水面の熱収支5要素の日変化
活着期水管理のポイント
活着期の水温上昇効果

 
GotoHome Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp