水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(5月29日)

No.6

 仙台管区気象台が29日発表した1か月予報によると、向こう1か月は気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は高いと予想されています。
 第1週目(5月30日〜6月5日):気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は平年並の見込み。
 第2週目(6月6日〜6月12日):天気は周期的に変化し、平均気温は平年並の見込み。
 このように、強い寒気の南下は今のところ予想されていません。



5月29日発表:1ヶ月予報(5月28日から6月29日)

 6月4日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
116.922.513.03.74.717.221.812.94.64.40.1-0.50.52.30.5
212.916.110.818.10.516.220.612.04.35.3-0.3-0.90.22.41.1
315.719.413.016.60.517.221.313.43.54.40.3-0.71.31.30.4
411.012.79.228.40.115.619.611.86.05.2-0.4-1.70.94.01.6
517.221.314.29.51.617.822.113.71.94.2-0.2-1.30.80.1-0.6
613.918.210.411.54.215.319.410.84.44.2-0.4-1.60.72.30.3
716.622.212.66.53.916.921.312.83.54.7-0.4-1.20.01.30.5
89.410.38.335.60.014.017.510.78.24.4-0.2-1.10.55.40.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              6月4日現在
 現在、東北地域の水稲は活着期〜分げつ始めにあります。
 過去7日間の平均的気象経過は上表の通りで、全般的にやや高温で経過しています。
 今後は平年並で経過すると予想されています。各県の技術・予察情報と左図を参考にして、田植え後の水管理に注意してください。
 ○ 低温時:深水管理。
 ○ 高温時:活着後は水温の日格差を大きくするために浅水管理。土壌還元の急速な進展に伴う根腐れ。
 
 左図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。冷温障害の発生監視ならびに水管理の参考にするために作成しました。
 なお、気温区分には下の基準温度を参考にしました。
  ○苗の活着限界気温:13度
  ○苗の生育に必要な下限気温:16度
  ○16度以上の地域では気温が高いほど、苗の活着と分げつに有利な条件。
 
       〜13℃冷温障害要注意
     13〜16℃生育遅延、水管理注意
     16〜19℃
     19℃以上

3日朝、青森・岩手・宮城・福島に低温注意報が出されました。冷温障害の発生が懸念されます。
左図は平均気温(6月2日からの平均値)の分布図です。これを参考に水管理等に注意してください。
なお、気温の区分は次のとおり。
 
       〜11℃冷温障害警戒
     11〜13℃冷温障害要注意
     13〜16℃生育遅延要注意
     16℃以上

 東北農政局は、管内の内陸部と日本海側で冬期間の降雪量が平年を大きく下回り雪解けも早かったこと、今後多雨が期待できないため、農業用水の確保に支障をきたす恐れがあるとして、用水の適切な運用と節水を呼びかけています。
 
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