水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(6月13日)

No.8

仙台管区気象台が12日発表した予報によると、向こう1か月は梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多くなり、平均気温は平年並の見込みとなっている。なお、この先2週間の予報内容は次の通り。
第1週目(6月13日〜6月19日):梅雨前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は平年並。
第2週目(6月20日〜6月26日):梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は平年並。
このように、今後ともオホーツク海高気圧の張り出しが予想され、太平洋側では気温の低い時期がある可能性が大きいと考えられます。


6月12日発表:1ヶ月予報(6月11日から7月12日)

 6月18日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.023.915.20.04.217.921.714.85.02.4-0.2-0.90.61.1-0.4
218.524.113.90.010.816.820.614.04.33.5-0.8-1.50.41.10.3
319.426.212.80.011.218.221.815.05.23.5-0.2-1.10.91.00.2
418.425.312.30.011.416.620.613.37.03.9-0.6-1.20.53.40.8
520.927.914.70.010.619.123.115.93.23.3-0.2-1.00.9-0.6-0.6
617.021.613.60.05.916.219.913.17.23.1-0.4-1.31.11.70.3
719.424.414.70.06.117.821.614.73.22.7-0.4-1.00.3-0.5-0.2
816.221.611.40.012.814.918.012.59.64.5-0.2-0.90.75.91.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              6月18日現在
現在、東北地域の水稲は活着期〜分げつ期にあります。
過去7日間の平均的気象経過は上表の通りで、全般的にかなりの低温・日照不足の状態が長期間続いています。
今後も太平洋側を中心に気温の低い状態が数日続くと予想されます。6月2日以降かなりの低温・日照不足が続いている地帯1,2,4,6,7,8では生育の遅延が心配されます。また、これらの地帯の内、太平洋側北部沿岸部の「やませ」が直接侵入するところでは、活動中葉や新葉の退色、葉先の枯れ上がりなどの冷温障害の症状が現れ始めています。各県の技術・予察情報と左図を参考にして、適正な管理を実施してください。

○ 低温時:深水管理。
○ 葉いもちの予防と防除の徹底
 
警戒メッシュの説明:
図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。冷温障害の発生監視ならびに水管理の参考にするために作成しました。
なお、気温区分には下の基準温度を参考にしました。
○苗の活着限界気温:13度
○苗の生育に必要な下限気温:16度
 ○16度以上の地域では気温が高いほど、苗の活着と分げつに有利な条件。
 
       〜13℃冷温障害要注意
     13〜16℃生育遅延、水管理注意
     16〜19℃
     19℃以上

現在、青森県太平洋側、岩手県、宮城県、福島県には低温注意報が継続して出されています。
 
ホームページ参照:

 
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