水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(5月15日)

No.4

 仙台管区気象台が14日発表した向こう1か月予報によると、この期間は低気圧や高気圧が交互に通り、天気は周期に変わるとのことです。しかし、期間の後半は太平洋側を中心に、前線の影響を受け一時天気がぐずつく見込みです。平均気温は「平年並」と予想されています。この先2週間の予報は次の通り。
 第1週目(5月15日〜5月21日):気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は低い見込み。
 第2週目:(5月22日〜5月28日):低気圧や高気圧が交互に通る。天気は周期的に変わる。平均気温は平年並みの見込み。
 このように、第1週目は、天気がぐずつき、気温の低い状態が続く予想となっています。また偏西風の流れにも変化が予想されています。移動性高気圧に広く覆われるような早朝は放射冷却で晩霜にも注意が必要です。


5月14日発表:1ヶ月予報(5月13日から6月14日)

 月20日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.420.912.80.64.314.118.19.93.34.5-0.3-1.20.4-1.2-1.4
216.118.513.91.33.212.917.38.22.36.5-0.5-0.9-0.4-0.90.1
315.717.514.22.43.213.718.38.82.66.10.10.1-0.1-1.80.3
416.419.013.72.73.312.517.77.02.27.2-0.5-0.3-0.9-1.51.1
516.318.913.73.83.814.519.110.11.95.3-0.2-0.80.3-1.9-1.0
616.819.713.20.05.312.216.87.42.45.6-0.7-1.1-0.1-1.3-0.5
717.019.813.70.14.913.817.69.93.04.6-0.6-1.70.2-0.8-1.3
815.919.513.30.65.611.516.16.51.58.6-0.30.0-1.3-1.91.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              5月21日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜11.0℃
11.0〜12.5℃
12.5〜14.0℃
14.0℃以上
  〜16.0℃
16.0〜20.0℃
20.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜6.0℃
6.0〜8.0℃
8.0〜10.0℃
10.0℃以上


 現在、東北地域の水稲は育苗期、田植え期〜活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は、太平洋側では平年より高く、日本海側では平年並みで推移していますが、寒暖の変動が大きい傾向にあります。
 このようなことから、各県の技術・予察情報を参考にして育苗温度や潅水の管理、田植え時期の決定、田植え後の水管理に細心の注意が必要です。
 低温時:苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)、植痛みの発生、活着期の深水管理。
 高温時:苗の軟弱徒長、過繁茂による老化、表土剥離や有毒ガスの発生。細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。

 

警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。育苗管理、田植え時期の判定、本田の水管理等の参考にして下さい。
 なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
  ○ 中苗・成苗田植えの早限を示す平均気温:14度
  ○ 生長点における葉の形成を抑制する温度:10〜11度
  ○ 他の区分温度は、東北全域の気温推移を把握するために設定しています。
 
 
ホームページ参照:

 
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