水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


2001年早期警戒情報(5月26日)
No.5
 仙台管区気象台が25日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気はおおむね周期的に変化するが、前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多い。後半は、オホーツク海高気圧の影響で一時気温が低くなる見込み。平均気温は平年並か高い。
 平均気温は均してみると平年より高い予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は比較的大きく、予報の信頼性は1週目後半から低くなっています。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%となっています。この先2週間の天候予想は次の通り。
 第1週目(5月26日〜6月1日):期間の初めと終わりは気圧の谷や前線の影響で雨の降る所があるが、その他の日はおおむね晴れる。平均気温は平年並。
 第2週目(6月2日〜6月8日):天気はおおむね周期的に変化する。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は日本付近で蛇行し、後半にはオホーツク海高気圧の影響を受ける可能性もあります。



5月25日発表:1ヶ月予報(5月24日から6月25日)

 5月31日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.719.416.221.00.117.321.813.03.53.70.80.11.41.3-0.9
217.419.315.68.70.016.120.112.02.64.70.3-0.81.11.0-1.3
317.619.715.612.20.016.720.912.53.34.40.2-0.60.91.4-1.7
417.319.015.811.50.015.620.111.32.94.60.3-0.71.21.0-0.6
518.220.616.014.10.017.622.013.02.64.30.3-0.80.90.6-1.8
616.818.815.110.80.015.720.610.71.93.81.00.51.30.5-1.3
717.519.016.019.40.117.321.613.23.53.70.6-0.21.22.0-1.4
814.917.113.29.20.113.417.49.62.35.3-0.2-0.50.00.50.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は分げつ始めから活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。日本海側の地帯3と8では気温の高い状態が続いています。また北部太平洋側沿岸部では最高気温が低く経過しています。田植えは北部太平洋側を中心に終盤に入ります。なお来週1週間は気温は平年並みに戻り、後半には太平洋側を中心にオホーツク海高気圧の影響を受ける可能性もあります。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え後の水管理などには細心の注意を払って下さい。

 ○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

 ○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月1日現在
警戒メッシュ説明:
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温      障害の程度
   @9℃以下      生育が著しく抑制される。
   A12℃以下      生育の遅れが懸念される。(稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下      活着は普通に進む。
   C15℃以上      活着とその後の生育は急速に進む。
  〜9℃
9〜12℃
12〜15℃
15℃以上
ホームページ参照:

 
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