水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(5月25日)
No.5
 仙台管区気象台が24日発表した向こう1か月予報によると、天気はおおむね周期的に変わる。前半は高気圧に覆われ晴れる日が多く、後半は低気圧や前線の影響で、天気がぐずつく時期がある。平均気温は平年並か高い見込み。
 平均気温は均してみると平年並か高い予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は比較的小さく、予報の信頼性は高くなっています。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%となっています。この先2週間の天候予想は次の通り。
 第1週目(5月25日〜5月31日):期間の初めは気圧の谷の影響で、東北北部では天気のくずれる所があるが、そのほかは高気圧に覆われて晴れる日が多い。平均気温は平年並。
 第2週目(6月1日〜6月7日):天気はおおむね周期的に変わる。平均気温は平年並か高い。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は東西流となり、天気は周期的に変化するとみられます。




5月24日発表:1ヶ月予報(5月25日から6月24日)

 5月31日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.424.215.82.42.616.222.110.51.16.9-0.50.3-1.4-1.61.9
217.822.514.614.31.515.320.89.83.87.3-0.5-0.0-1.31.81.5
318.922.416.28.90.915.520.810.34.26.3-1.2-0.8-1.71.50.9
418.523.214.812.01.715.120.99.12.96.9-0.40.2-1.50.51.4
519.724.315.74.13.116.322.110.62.16.2-1.1-0.6-1.7-0.20.5
617.723.313.611.52.614.520.88.32.26.5-0.60.4-1.5-0.51.2
719.424.115.73.13.216.221.910.91.37.2-0.50.2-1.3-0.81.8
816.621.913.68.60.814.219.18.72.47.90.51.2-1.1-0.22.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は分げつ始めから活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は太平洋側を中心に低く経過していますが、今後は平年並みに戻る予想となっています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え後の水管理などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月1日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
   @9℃以下生育が著しく抑制される。
   A12℃以下生育の遅れが懸念される。(稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下活着は普通に進む。
   C15℃以上活着とその後の生育は急速に進む。
<特記事項>
 
  〜9℃
9〜12℃
12〜15℃
15℃以上
ホームページ参照:

 
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