水稲冷害研究チーム

早期警戒情報


1997年早期警戒情報(7月19日)

No.16

仙台管区気象台が7月18日に発表した向こう1か月の予報によると、7月25日以降オホーツク海高気圧の影響でぐずついた天候になり、気温も平年より低いと予報されています。

<概 要>
向こう1か月についてみると、
・平均気温は平年より低い可能性が大きい見込みです。
・降水量は東北太平洋側で平年より多く、東北日本海側で平年並みの可能性が大きい見込みです。
・日照時間は平年より少ない可能性が大きい見込みです。

○ 7月19日(土)から7月25日(金)
梅雨前線は東北地方に停滞するが、活動は弱く、時々晴れる。
 平均気温は平年並みの見込み。(詳細は週間天気予報を参照)
○ 7月26日(土)から8月1日(金)
 予報の信頼度は小さい。オホーツク海高気圧の影響を受け、曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年より低い見込み。
○ 8月2日(土)から8月15日(金)
予報の信頼度は小さい。オホーツク海高気圧や寒気の影響で天気のぐずつく時期がある。
平均気温は平年より低い見込み。

 7月19日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。
 このように、ほぼ全域で気温は平年より比較的高く推移、また日照時間も平年より多く推移していますが、このところ最低気温が17度を下回る日が続いています。
東北地域の水稲は幼穂形成期から低温に最も弱い減数分裂期にあります。
1か月予報では、予報の信頼度は小さいものの、7月25日以降にオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、気温は低いと予報されています。
これから8月中旬までは、稲の作柄を大きく左右する重要な時期のひとつです。冷害危険度の高い地域では、幼穂形成期の前歴深水灌漑、減数分裂期の深水灌漑が冷温障害回避に有効な技術です。ただし、用水温が17度を下回る地帯では、日ごろから徐々に水深を深くしつつ、水田水温の上昇に努めることが大切です。(一度用水温を測ってみてください。)
また、穂肥の施用時期となっています。各県の技術指導情報を参考にして、天候に応じた適切な栽培管理が求められます。
なお、いもち病に関しては、岩手、秋田、山形の3県で発生注意報が発令されています。今後もぐずついた天候が予報されているので、各県の予察情報を参考に「早期発見・早期防除」を徹底する必要があります。

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