水稲冷害研究チーム
早期警戒情報
1997年早期警戒情報(7月12日)
No.15
仙台管区気象台が7月11日に発表した向こう1か月の予報によると、期間の前半を中心にオホーツク高気圧や梅雨前線の影響でぐずついた天候になり、気温は平年より低い可能性が大きいと予報されています。
<概 要>
向こう1か月についてみると、
・平均気温は平年より低い可能性が大きい見込みです。
・降水量は平年並みの可能性が大きい見込みです。
・日照時間は平年並みの可能性が大きい見込みです。
○ 7月12日(土)から7月18日(金)
梅雨前線の影響を受け、曇りや雨の日が多い。
平均気温は平年より低い見込み。(詳細は週間天気予報を参照)
○ 7月19日(土)から8月1日(金)
予報の信頼度は小さい。オホーツク海高気圧や梅雨前線の影響を受け、曇りや雨の日が多い。
平均気温は平年より低い見込み。
○ 7月26日(土)から8月8日(金)
予報の信頼度は小さい。オホーツク海高気圧の影響で天気のぐずつく時期がある。
平均気温は平年並みの見込みだが、気温の低くなる時期がある。
7月12日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。
- 地帯1:気温(平均−最高−最低)22.3−25.8−19.4度。日照2.2時間。平均気温は平年より2.1度、最高気温は1.9度、最低気温は2.3度程度高く、日照時間は平年並み。
- 地帯2:気温(平均−最高−最低)21.3−25.1−18.2度。日照2.4時間。平均気温は平年より1.6度、最高気温は1.6度、最低気温は1.8度程度高く、日照時間は平年より1.5時間少ない。
- 地帯3:気温(平均−最高−最低)21.4−25.1−18.4度。日照2.2時間。平均気温は平年より0.8度、最高気温は0.5度、最低気温は1.5度程度高く、日照時間は平年より1.2時間少ない。
- 地帯4:気温(平均−最高−最低)21.5−26.0−18.2度。日照3.1時間。平均気温は平年より2.5度、最高気温は2.9度、最低気温は2.5度程度高く、日照時間は平年並み。
- 地帯5:気温(平均−最高−最低)22.2−25.7−19.4度。日照1.6時間。平均気温は平年より0.8度、最高気温は0.2度、最低気温は1.6度程度高く、日照時間は平年より1.7時間少ない。
- 地帯6:気温(平均−最高−最低)21.4−25.5−17.8度。日照3.4時間。平均気温は平年より2.7度、最高気温は3.0度、最低気温は2.4度程度高く、日照時間は1時間程度多い。
- 地帯7:気温(平均−最高−最低)22.1−25.3−19.3度。日照1.7時間。平均気温は平年より2度、最高気温は1.5度、最低気温は2.2度程度高く、日照時間は0.7時間少ない。
- 地帯8:気温(平均−最高−最低)20.1−24.1−16.9度。日照3.2時間。平均気温は平年より2.8度、最高気温は3.8度、最低気温は2.2度程度高く、日照時間は平年より1時間多い。
このように、ほぼ全域で気温は平年より比較的高く推移、また日照時間は日本海側を中心に平年より少なく推移しています。
東北地域の水稲は分げつ後期から幼穂形成期にあります。
1か月予報では、期間の前半に梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、気温は低いと予報されています。
これから8月中旬までは、稲の作柄を大きく左右する重要な時期のひとつです。冷害危険度の高い地域では、幼穂形成期の前歴深水灌漑、減数分裂期の深水灌漑が冷温障害回避に有効な技術です。また、穂肥の施用時期が近づいています。各県の技術指導情報を参考にして、天候に応じた適切な栽培管理が求められます。
なお、いもち病に関しては、岩手、秋田、山形の3県で発生注意報が発令されています。今後もぐずついた天候が予報されているので、各県の予察情報を参考に「早期発見・早期防除」を徹底する必要があります。
ホームページ参照:
ホームへ
前へ
次へ
戻る
reigai@tnaes.affrc.go.jp