水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


本情報は警戒担当者が現在注目している点をお知らせするものです。

1998年早期警戒情報(4月30日)

No.1

 仙台管区気象台が24日発表した向こう1か月予報によると、この期間は高気圧と低気圧が交互に通り数日の周期で天気が変わり、平均気温は平年並と予想されています。
 また週間予報支援図によると、北日本には断続的に寒気が流れ込む予想で、寒暖の変動が大きく、前線が通過した後に移動性高気圧が張り出すような早朝は放射冷却で遅霜の恐れがあります。


4月24日発表:1ヶ月予報(4月23日から5月24日)

 4月30日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
113.220.46.90.07.213.217.69.42.32.81.20.03.1-0.9-2.4
211.216.05.00.011.912.116.28.41.43.51.30.12.8-1.3-2.1
311.716.25.20.011.012.716.78.81.93.11.80.53.1-1.9-1.8
411.716.94.10.012.411.816.37.60.53.71.30.22.7-2.3-1.5
512.018.46.10.09.513.818.59.61.73.41.50.53.2-1.3-1.6
611.618.14.00.010.712.116.47.81.43.01.70.23.7-1.0-2.1
713.720.46.80.07.213.217.59.42.02.91.60.43.4-0.9-2.0
811.015.83.70.012.310.013.56.30.63.50.5-0.71.5-2.1-2.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              4月30日現在
 現在、水稲は育苗期から田植え始めの時期にあります。
 過去7日間の平均的気象経過は上表の通り、全般的にかなりの高温・日照不足になっています。また、寒暖の変動が大きく推移しています。
このようなことから、水稲苗は軟弱徒長気味に生育する可能性があります。したがって、各県の技術・予察情報を参考に育苗温度や潅水管理に細心の注意が必要です。
 高温時の注意:苗の軟弱徒長、過繁茂による老化。細菌病の発生。
 低温時の注意:苗立枯病の発生


 左図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。田植えの可否の参考にするために作成しました。
なお、気温区分には下の基準温度を参考にしました。
○苗の活着限界気温:13度
○活着期の冷温障害限界気温:11度
       〜11℃不適
     11〜13℃やや不適
     13〜15℃可能
     15℃以上十分可能


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