水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(5月2日)

No.2

仙台管区気象台が1日発表した向こう1か月予報によると、この期間は高気圧と低気圧が交互に通り数日の周期で天気が変わり、平均気温は平年より高いと予想されています。また、日本付近は北に寒気があり、太平洋高気圧が強いため低気圧の活動が活発で降水量は多いと見込まれています。
 第1週目(5月2日〜8日)は、前線の通過後高気圧が北に偏って張り出すため太平洋側では北東からの海風によって曇りや雨が予想されています。
 また、週の始めは低気圧に向けて南から暖かい空気が吹き込むため日本海側ではフェーン現象が起こる可能性もあります。寒暖の変動が大きく、遅霜の恐れもあります。


5月1日発表:1ヶ月予報(4月30日から6月1日)

 5月7日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
118.625.613.10.19.314.921.08.92.35.81.52.31.0-1.10.0
216.624.510.30.48.114.220.68.15.35.72.03.11.12.6-0.7
319.726.612.50.18.515.822.39.26.76.23.44.92.02.91.1
414.021.88.10.07.813.320.46.76.05.81.42.90.53.3-0.1
521.228.214.20.69.217.124.010.06.46.93.64.82.13.21.2
615.022.79.80.18.213.220.36.61.36.01.52.91.3-1.50.0
719.026.113.40.68.714.720.69.02.95.61.82.51.1-0.3-0.3
810.816.97.00.06.611.417.45.56.66.10.61.9-0.74.3-0.7
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              5月7日現在
現在、水稲は育苗期から田植え始めの時期にあります。
過去7日間の平均的気象経過は上表の通り、平均気温は全般的に平年並に戻りましたが、最低気温がやや高く経過しています。
このようなことから、水稲苗は軟弱徒長気味になる可能性があります。各県の技術・予察情報を参考に育苗温度や潅水管理に細心の注意が必要です。また苗の生育に合わせた田植え適期の判定が重要です。
高温時の注意:苗の軟弱徒長、過繁茂による老化。細菌性病害の発生。田植え適期の判定。
低温時の注意:苗立枯病の発生。


 図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。田植えの可否や水管理の参考にするために作成しました。
 なお、気温区分には下の基準温度を参考にしました。
 ○移植苗の活着限界気温:13度
 ○活着期の冷温障害限界気温:11度
       〜11℃不適
     11〜13℃やや不適
     13〜15℃可能
     15℃以上十分可能


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