水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(5月8日)

No.3

 仙台管区気象台が8日発表した向こう1か月予報によると、この期間は高気圧と低気圧が交互に通り数日の周期で天気が変わり、平均気温は平年並と予測されています。
 第1週目(5月9日〜15日)は、気圧の谷が通過する12〜13日は天気が崩れるが、他の日は概ね晴れの日が予想されています。
 第2週目(5月16日〜22日)は、天気は数日の周期で変化し、平均気温は高いと予想されています。
 このように、極端な低温は予想されていません。しかし、寒暖の差は引き続き大きくまた晩霜の恐れも念頭におく必要があります。


5月8日発表:1ヶ月予報(5月7日から6月8日)

 5月14日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
113.516.910.50.51.813.818.39.63.83.7-0.1-0.80.8-0.6-0.8
211.614.28.90.91.411.916.27.56.04.7-0.9-1.8-0.33.5-0.2
312.415.310.12.50.712.817.18.310.13.4-0.1-0.80.36.1-0.6
410.312.68.41.80.511.716.46.74.94.8-0.9-1.6-0.42.0-0.2
512.815.810.21.71.713.517.89.28.13.3-0.7-1.70.24.7-1.0
610.614.48.01.51.512.517.47.41.74.20.1-0.41.1-1.9-0.5
713.015.910.00.61.613.417.69.55.13.7-0.4-1.30.61.7-0.8
88.811.07.23.30.411.015.46.36.15.5-0.2-0.5-0.63.90.2
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              5月14日現在
 現在、水稲は育苗期から田植え盛期の時期にあります。
 過去7日間の平均的気象経過は上表の通り、気温は全般的に高温で経過し、特に日本海側(地帯3と5)ではその程度が大きくなっています。
 このようなことから、軟弱徒長した苗の老化が心配されます。各県の技術・病害虫発生予報を参考にして、育苗の温度と水管理、また苗の生育に合わせた田植え適期の判定と田植え後の水管理に注意する必要があります。
 高温時の注意:苗の軟弱徒長、過繁茂による老化。細菌性病害の発生。田植え適期の判定。
 低温時の注意:苗立枯病の発生。田植え後から活着までの深水管理。
 図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。田植えの可否や水管理の参考にするために作成しました。
 なお、気温区分には下の基準温度を参考にしました。
 ○移植苗の活着限界気温:13度
 ○活着期の冷温障害限界気温:11度
       〜11℃不適
     11〜13℃やや不適
     13〜15℃可能
     15℃以上十分可能


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