水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(8月21日)

No.19

 仙台管区気象台が20日発表した向こう1か月の予報内容は次の通りです。
 東北地方は、天気は周期的に変化する。日本海側は低気圧や前線の影響を受け、一時天気がぐずつく。この期間の平均気温は高い見込み。
 第1週目(8月21日〜8月27日):気圧の谷の影響で曇りの日が多く、東北北部では22日と期間の終わりは雨となる見込み。平均気温は高い見込み。
 第2週目(8月28日〜9月3日):天気は周期的に変化する。平均気温は平年並の見込み。
このように気温は、この先1週間平年より高く推移すると予想されています。


8月20日発表:1ヶ月予報(8月19日から9月20日)

 月26日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
123.427.720.23.16.025.829.722.74.45.22.62.33.0-1.90.1
222.326.518.74.16.525.028.821.95.04.82.41.93.1-0.8-1.8
323.226.320.05.43.825.529.522.37.54.62.21.53.00.9-1.4
420.824.218.214.44.524.528.321.410.13.72.41.83.23.9-2.2
523.727.220.41.45.425.930.122.68.34.91.81.32.52.5-1.4
621.024.518.43.14.724.128.320.65.75.62.42.62.6-0.10.4
722.926.619.80.76.325.529.322.83.24.82.52.13.0-3.1-0.8
820.423.518.122.07.623.626.821.19.83.92.42.33.03.4-2.2
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              8月27日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0〜26.0℃
26.0℃以上
  〜25.0℃
25.0〜27.5℃
27.5〜30.0℃
30.0℃以上
  〜17.5℃
17.5〜20.0℃
20.0〜22.5℃
22.5℃以上


 現在、東北地域の水稲の生育は傾穂期から黄熟始めにあり、品質を左右する重要な発育段階にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般に高く推移してきました。乳熟期から糊熟期の期間に著しい高温に遭遇すると、小粒化や乳白・腹白・心白・背白・基白粒などが多発し玄米の粒質が著しく低下することがあります。
 今後は日本海側を中心に著しい高温(上図の警戒メッシュ)やフェーン現象の発生等に特に注意し、また各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』『生育・作柄情報』−『発育予測情報(穂の発育編)』頁などを参考にして、用水の確保と適正な水管理ならびに適期収穫の準備を徹底して下さい。

<著しい高温の場合>
● 常時深水で湛水。可能ならば掛け流し灌漑による水田・稲体温度環境の制御
● 灌漑用水の確保と計画的利用

<高温時>
●根の活力維持のための間断灌漑
 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。高温障害回避のための水管理の参考にして下さい。
なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
○ 高温障害に注意が必要な最高気温:30度以上
○ 平均と最低気温については、高温の程度を把握できるように区分。
注)図の色分けは冷害対応となっているため、低温側が“赤”、高温側が“緑”となっています。そのため、緑の地帯が警戒の必要なことを示します。
 
○ 発育予測や各種情報を総合すると、登熟の進み方は地帯・品種によっては10〜14日昨年より早まっていると判断されます。適期に収穫・調整を行い、高品質を確保するため早めに収穫準備に入って下さい。
 
ホームページ参照:

 
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