水稲冷害研究チーム

2000年早期警戒情報


2000年早期警戒情報(8月12日)

No.17

 仙台管区気象台が11日発表した向こう1か月予報によると、この期間ははじめ台風の影響で天気がぐずつくが、高気圧に覆われて晴れの日が多く、後半は低気圧や前線の影響を受ける見込み。平均気温は高い見込み。
 この先2週間の予想は次の通り。
 第1週目(8月12日〜8月18日):13日頃から中頃にかけて台風9号の影響で天気が崩れるところがある。その他の日は概ね晴れる見込み。平均気温は高い見込み。
 第2週目(8月19日〜8月25日):高気圧に覆われる日もあるが、上空の寒気の影響で天気がぐずつく時期がある。平均気温は平年並の見込み。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想や各種情報によると、15日頃まで台風9号の影響で天気がぐずつくが、その後は高気圧に広く覆われるとみられます。


8月11日発表:1ヶ月予報(8月10日から9月11日)

 月18日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
123.12917.608.323.728.419.81.44.800.4-0.4-2.90.3
223.329.716.3010.323.629.118.30.79.30.31.4-1.1-3.23.3
324.231.217.4011.124.730.319.60.19.40.71.5-0.3-3.33
421.928.41509.422.527.617.50.18.1-0.30.2-1.4-4.43.3
524.931.318.9010.425.330.620.40.48.40.61-0.1-3.61.5
620.825.316.406.921.325.1181.44.3-0.7-0.8-0.4-2-1
723.329.517.507.823.92919.51.95.60.31.1-0.8-1.40.9
821.32615.309.221.425.117.50.57.1-0.4-0.1-1.3-43.1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              8月18日現在
 現在、東北地域の水稲は出穂・開花期〜糊熟期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般的にやや高く、日照時間は平年並みに推移しています。今後とも概ね高気圧に覆われ、気温は高く経過すると予想されています。ただ台風9号の動きには注意して下さい。
 アメダス監視地点、モニター圃場や盛岡の穂の発育予測図からみると、太平洋側を中心に生育が7〜12日程度早くなっています。これから出穂・開花期〜糊熟期を迎え、適切な水管理やいもち病ならびにカメムシ類の防除を実施する時期です。各県の技術・予察情報、図説(高温障害編)の情報ならびに高温障害警戒メッシュ図と発育予測などを参考にして、生育がかなり進んでいることを十分に考慮して適切な栽培管理を実施して下さい。
 また、昨年のように出穂・開花期から糊熟期までの期間に異常な高温に長期間遭遇すると、光合成、呼吸、転流過程に悪影響が出て、玄米品質の劣化が起こります。

 ○異常高温時:出穂・開花期〜糊熟期までの期間は水稲の水消費量が最も多い時期に当たります。深水にして水を十分に供給することが重要です。また異常高温が長く続く時にはさらに用水の掛け流しで水温・地温を下げるように努める。
 ○高温時:間断灌漑で根の活力を維持し、稲体の健全性を保持する。
 ○強風時:深水にして水分供給を保持する。
 
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去5日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には次の基準温度を参考にしています。
  ○高温障害に警戒が必要:27度以上
  ○高温障害に注意が必要:26度〜27度
 
  〜25℃
25〜26℃
26〜27℃
27℃以上

警戒メッシュ説明:
 右図は最低気温の過去5日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。
 なお、最低気温区分には次の基準温度を参考にしています。
  ○高温障害に警戒が必要:24度以上
  ○高温障害に注意が必要:23度〜24度
 
  〜22℃
22〜23℃
23〜24℃
24℃以上

<特記事項>
・各県からは斑点米カメムシ類の注意報・警報や高温に対する技術情報が出されています。これらを参考に今後の管理には十分に注意して下さい。

 
ホームページ参照:

 
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