水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(5月11日)
No.3
 仙台管区気象台が10日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、おおむね周期的に変わる。東北日本海側では、平年と同様に晴れの日が多い見込み。東北太平洋側では、オホーツク海高気圧の影響で、天気がぐずつく時期がある見込み。平均気温は平年並。
 平均気温は均してみると平年並の予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は比較的小さく、予報の信頼性は高くなっています。予想される気温区分確率は低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%となっています。この先2週間の天候予想は次の通り。
 第1週目(5月11日〜5月17日):期間の初めは気圧の谷の影響で天気が崩れるが、その後は高気圧に覆われおおむね晴れる見込み。平均気温は平年並。
 第2週目(5月18日〜5月24日):天気はおおむね周期的に変わる。東北太平洋側では、オホーツク海高気圧の影響で、天気がぐずつく日がある見込み。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、蛇行の程度がやや大きくなり、オホーツク海高気圧の影響を一時的に受ける可能性があります。




5月10日発表:1ヶ月予報(5月11日から6月10日)

 5月10日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
111.614.97.61.01.613.618.19.25.23.3-0.3-1.00.51.2-1.8
212.718.57.60.06.512.817.48.23.05.40.2-0.40.50.0-0.2
315.020.58.70.17.413.617.79.15.84.50.3-0.40.71.5-0.5
412.418.75.10.07.512.717.47.75.05.10.3-0.50.61.7-0.4
513.819.19.10.24.314.018.49.88.13.80.1-1.01.24.3-1.5
610.214.74.80.94.112.417.17.74.44.1-0.2-0.90.90.9-1.2
711.315.07.31.02.713.217.79.15.63.8-0.4-0.90.22.3-1.4
810.614.64.30.07.511.716.07.13.26.10.40.00.30.20.4
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は育苗期から田植え盛期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はほぼ平年並みで経過しています。またこの時期は寒暖の変動が大きいのも特徴です。いよいよ田植えの最盛期に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害

5月10日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
   @9℃以下生育が著しく抑制される。
   A12℃以下生育の遅れが懸念される。(稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下活着は普通に進む。
   C15℃以上活着とその後の生育は急速に進む。
  〜9℃
9〜12℃
12〜15℃
15℃以上
ホームページ参照:

 
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