水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(6月22日)
No.9
 仙台管区気象台が21日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、梅雨前線や低気圧の影響を受け曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並みか高いが、ここ数日は気温の低い状態が続く見込み。
 平均気温は均してみると平年並みか高い予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は1週目以降も比較的小さく、2週目以後の予報の信頼性も高いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(6月22日〜6月28日):一時晴れる日もあるが、低気圧や梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は低い。
 第2週目(6月29日〜7月5日):低気圧や梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は高い。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は蛇行し、オホーツク海高気圧や寒気を伴う低気圧の影響を受けると予想されます。



6月21日発表:1ヶ月予報(6月22日から7月21日)

 6月28日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.522.513.71.83.914.617.512.12.61.6-4.6-5.4-3.9-3.7-1.1
218.623.713.60.010.315.219.111.41.75.2-3.6-3.6-3.8-2.31.1
319.725.514.60.011.016.420.312.32.55.5-3.5-3.4-4.1-3.32.0
418.824.313.60.010.814.818.910.62.05.2-3.6-3.7-4.2-2.71.4
520.125.715.10.210.116.620.313.13.23.5-3.7-4.0-3.7-2.80.1
616.621.712.60.86.513.316.610.11.92.5-4.5-5.2-4.2-3.1-0.8
717.522.613.81.55.014.517.212.12.51.5-4.8-5.7-4.1-2.8-1.4
816.321.011.80.011.313.617.49.62.27.2-2.8-2.3-4.1-2.13.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並みで推移しています。今後気温は徐々に下がり、平年並かやや低く推移すると予想されます。青森県、岩手県には低温注意報も出ています。また、葉いもちの感染好適条件も多発しています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理や葉いもちの発生などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:深水管理による生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月28日現在
警戒メッシュ説明:
右図は平均気温の過去7日間平均値で分げつの形成遅延を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
@13℃未満の地域草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
A13℃〜15℃の地域分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
B15℃〜17℃の地域17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
C17℃以上の地域(緑)順調な生育が期待できる。
<特記事項>
 補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので直ちに処分して下さい。またいもち病予防粒剤の散布時期でもあります。
 中干しは幼穂形成期までには終えることが重要です。
 
  〜13℃
13〜15℃
15〜17℃
17℃以上
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp