水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(6月29日)
No.10
 仙台管区気象台が28日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並か高い見込み。
 平均気温は均してみると平年並みか平年より高い予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は1週目以降も比較的小さく、2週目以後の予報の信頼性も高いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(6月29日〜7月5日):梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並みか高い。
 第2週目(7月6日〜7月12日):梅雨前線や低気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い。平均気温は高い。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は北上し、南から暖かい空気が入ると予想されます。



6月28日発表:1ヶ月予報(6月29日から7月28日)

 7月5日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
121.225.518.20.31.019.623.017.24.01.5-0.5-1.00.3-2.1-1.3
221.426.217.70.03.119.723.416.63.33.90.2-0.10.5-1.0-0.1
323.429.118.20.03.421.825.917.95.24.61.21.40.7-1.11.0
420.425.716.70.13.019.223.316.03.53.70.1-0.00.3-1.9-0.1
524.330.319.11.63.422.126.218.45.93.91.01.20.8-0.40.4
620.926.217.10.02.418.923.015.53.62.50.10.20.3-2.0-0.9
721.225.218.60.41.619.722.817.34.91.5-0.6-1.20.2-0.4-1.5
816.718.515.20.00.116.418.814.52.62.4-0.8-1.6-0.1-2.5-1.1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般に平年よりかなり低く推移してきました。平均気温は今後平年並かやや高く推移すると予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理や葉いもちの発生などには細心の注意を払って下さい。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

○低温時:深水管理による生育障害の防止。

7月5日現在
警戒メッシュ説明:
右図は平均気温の過去7日間平均値で分げつの形成遅延を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
@13℃未満の地域草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
A13℃〜15℃の地域分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
B15℃〜17℃の地域17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
C17℃以上の地域(緑)順調な生育が期待できる。
<特記事項>
 葉いもちの感染好適条件がほぼ全域で頻度高く現れています。いもち病の早期発見と適切な防除に努めてください。
 中干しは幼穂形成期までには終えること。
 
  〜13℃
13〜15℃
15〜17℃
17℃以上
ホームページ参照:

 
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