水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(7月6日)
No.11
 仙台管区気象台が5日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で、曇りや雨の日が平年より多い。なお、東北地方では梅雨明けが遅れる可能性がある。平均気温は平年並か低い見込み。
 平均気温は均してみると平年並みか低い予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は1週目以降も比較的小さく、2週目以後の予報の信頼性も高いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(7月6日〜7月12日):期間の前半は梅雨前線や気圧の谷の影響で、曇りや雨の日が多い。後半は高気圧に覆われ日本海側では晴れる所もあるが、太平洋側では湿った東よりの風の影響で曇りの日が多い。平均気温は平年並。
 第2週目(7月13日〜7月19日):梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で、曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は南北に分流し、オホーツク海高気圧が日本付近に広く張り出し、気温がかなり低くなると予想されます。



7月5日発表:1ヶ月予報(7月6日から8月5日)

 7月12日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
122.827.518.10.59.622.326.019.127.72.61.41.31.421.5-0.1
220.924.317.70.04.820.723.718.115.51.40.3-0.61.010.9-2.7
320.723.717.81.41.921.924.819.710.60.70.4-0.61.54.4-3.2
420.824.418.00.73.820.323.417.721.41.00.2-0.71.116.1-2.7
521.826.018.60.33.922.725.920.317.41.00.80.01.810.4-2.6
621.626.717.10.08.921.025.317.927.92.51.51.91.821.9-0.8
722.326.218.50.07.722.025.419.230.52.20.90.51.224.8-0.9
820.123.816.40.16.518.421.516.122.41.70.30.40.517.7-1.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は最高分げつ期から幼穂形成期前にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年並みから低く推移しています。気温は今後さらに平年よりかなり低く推移すると予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、追肥や葉いもちの防除などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:前歴深水管理の徹底(技術情報参照)

7月12日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは、平均気温前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
@17℃未満の地域かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
A17℃〜20℃の地域耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
B20℃〜22℃の地域予防的な深水管理の実施を検討する。
C22℃以上の地域(緑)被害は予想されない。
<特記事項>
・葉いもちの感染好適条件がほぼ全域で頻度高く現れています。いもち病の早期発見と適切な防除に努めてください。
・中干しは幼穂形成期までには終えること。
 
  〜17℃
17〜20℃
20〜22℃
22℃以上
ホームページ参照:

 
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