水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(7月13日)
No.12
 仙台管区気象台が12日発表した向こう1か月予報によると、この期間、太平洋高気圧に覆われ、晴れる時期もあるが、梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響を受けやすく、平年より曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並み。
 平均気温は均してみると平年並みの予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は1週目以降も比較的小さく、2週目以後の予報の信頼性も高いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(7月13日〜7月19日):明日(13日)は高気圧に覆われて晴れるが、明後日(14日)以降は、梅雨前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の降る日が多い。平均気温は高い。
 第2週目(7月20日〜7月26日):天気はおおむね周期的に変わり、太平洋高気圧に覆われ晴れる日もあるが、梅雨前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日もある。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は北上し、南から暖かい空気が入ると予想されます。また、台風の動きには注意が必要です。



7月12日発表:1ヶ月予報(7月13日から8月12日)

 7月19日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
124.327.422.35.70.323.827.820.37.73.01.91.91.52.4-0.2
223.827.321.41.61.923.326.920.29.61.61.71.32.15.4-3.0
324.928.422.73.90.623.426.720.618.71.40.70.01.413.1-3.2
422.225.820.02.31.222.626.419.610.62.01.41.01.95.8-2.1
525.429.823.010.30.523.827.920.218.42.20.70.60.712.4-2.4
623.527.120.66.20.122.827.518.67.62.62.22.91.42.9-1.3
723.826.022.24.80.223.527.520.17.02.91.51.61.32.2-0.6
819.223.417.50.23.420.924.718.33.72.31.62.21.6-0.4-1.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は穂首分化期から幼穂形成期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並みから高く推移しています。気温は今後とも高く推移すると予想されます。
 現在、水稲の生育はほぼ平年並みで進んでいると予想されます。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、追肥や葉いもちの防除などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:前歴深水管理による危険期深水効果の増強。
○高温時:中干しや間断灌漑による生育制御や有害物質の発生防止。

7月19日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは、平均気温前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
@17℃未満の地域かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
A17℃〜20℃の地域耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
B20℃〜22℃の地域予防的な深水管理の実施を検討する。
C22℃以上の地域(緑)被害は予想されない。
<特記事項>
・葉いもちの感染好適条件がほぼ全域で頻度高く現れています。葉いもちの発生と蔓延には警戒が必要です。早期発見と防除を徹底して下さい。
 
  〜17℃
17〜20℃
20〜22℃
22℃以上
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp