水稲冷害研究チーム

2003年早期警戒情報


2003年早期警戒情報(5月17日)
No.4
 仙台管区気象台が16日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は概ね周期的に変わるが、期間の後半は前線やオホーツク海高気圧の影響でぐずつく時期がある。平均気温は平年並。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(5月17日〜5月23日):期間の中頃は気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の降る所が多いが、その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れる。平均気温は平年並。
 第2週目(5月24日〜5月30日):天気は概ね周期的に変わる。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は期間の後半に蛇行の程度が大きくなり、南から暖かい空気が入りやすくなるとみられます。



5月16日発表:1ヶ月予報(5月17日から6月16日)

 5月23日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
113.819.59.30.04.214.319.410.50.73.5-1.1-1.20.0-2.8-1.7
214.520.98.90.07.213.918.810.00.35.5-0.6-0.70.3-2.4-0.2
316.223.99.60.07.515.420.411.00.45.70.20.40.5-3.10.4
413.820.67.50.06.913.618.89.20.25.6-0.6-0.70.0-3.20.2
516.824.510.30.05.116.221.811.30.35.60.40.80.6-2.70.2
612.218.76.00.06.512.417.58.10.14.6-1.7-2.0-0.5-3.2-0.8
714.219.19.90.05.414.819.710.90.34.2-0.6-0.60.1-2.5-1.2
810.114.25.20.02.810.714.57.40.23.8-2.1-2.7-1.4-3.0-1.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並で経過しています。いよいよ田植えの終盤に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

 ○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。
 ○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生。深水管理による活着・生育障害の防止。

5月23日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

    基準気温    障害の程度
   @9℃以下    生育が著しく抑制される。
   A12℃以下   生育の遅れが懸念される。(稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下   活着は普通に進む。
   C15℃以上   活着とその後の生育は急速に進む。

  〜9℃生育が著しく抑制される。
9〜12℃生育の遅れが懸念される。
12〜15℃活着は普通に進む。
15℃以上活着とその後の生育は急速に進む。
ホームページ参照:

 
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