水稲冷害研究チーム

2003年早期警戒情報

2003年早期警戒情報（5月31日）

No.6

　仙台管区気象台が１日発表した向こう１か月予報によると、この期間の天気は周期的に変わるが、期間の中頃から前線やオホーツク海高気圧の影響でぐずつく時期がある。なお、明日（31日）から明後日（6月1日）にかけ台風第４号の影響で荒れた天気となる見込み。
　平均気温は均してみると平年並か高い予想です。予想される気温区分確率は、第１週については低い可能性が２０％、同平年並み４０％、同高い４０％。同じく第２週については低い可能性が２０％、同平年並み４０％、同高い４０％です。この先２週間の天候予想は次の通りです。
　第１週目(5月31日～6月6日)：明日（31日）から明後日（6月1日）にかけ台風第４号の影響で荒れた天気となる見込み。地震のため地盤の緩んでいる所もあるので土砂崩れ等に注意。その後は高気圧に覆われ概ね晴れる。
　平均気温は平年並か高い。
　第２週目(6月7日～6月13日)：天気は周期的に変わるが、前線や低気圧の影響で一時ぐずつく。
　平均気温は平年並か高い。
　また、この先１週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は期間の前半では日本付近で大きく蛇行するが、期間の後半には北上して南から暖かい空気が入る見込みです。

○5月30日発表：１ヶ月予報（5月31日から6月30日）

　6月6日現在における冷害危険度地帯別にみた過去７日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯	実況平均	実況最高	実況最低	実況降水量	実況日照	移動平均	移動最高	移動最低	移動降水量	移動日照	平年偏差（移動平均－平年）
地帯	実況平均	実況最高	実況最低	実況降水量	実況日照	移動平均	移動最高	移動最低	移動降水量	移動日照	平均	最高	最低	降水量	日照
1	15.1	20.3	10.5	0.0	5.4	17.0	22.1	11.8	4.3	5.4	-0.4	-0.2	-1.3	1.4	1.2
2	15.3	21.5	8.9	0.0	11.5	16.3	21.3	11.4	3.8	6.7	-0.5	-0.3	-1.0	1.6	1.4
3	16.9	23.7	9.8	0.0	12.1	16.8	21.6	12.0	3.3	6.9	-0.9	-0.7	-1.3	0.5	2.0
4	13.6	20.6	6.6	0.0	10.4	16.1	21.2	11.0	3.4	6.4	-0.2	-0.1	-0.7	0.8	1.6
5	18.2	25.0	11.2	0.0	11.0	17.3	22.5	11.9	3.8	6.5	-1.0	-0.9	-1.7	1.7	1.4
6	12.5	18.1	5.5	0.0	8.6	15.5	21.1	9.6	2.2	6.0	-0.2	0.5	-1.2	-0.6	1.4
7	16.0	21.4	11.2	0.0	6.7	17.3	22.1	12.4	4.6	5.9	-0.3	-0.0	-1.1	2.3	1.3
8	11.0	15.6	5.2	0.0	10.2	14.7	18.9	10.0	2.2	7.1	0.3	0.7	-0.7	-0.8	2.4

注）実況値は当該月日の値、移動値は前７日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。

　現在、東北地域の水稲は分げつ初期から活着期にあります。
　過去７日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並から高く推移しています。今後も気温は平年並か高く推移すると予想されます。
　このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え後の水管理などには細心の注意を払って下さい。

　○低温時：深水管理による活着・生育障害の防止。

　○高温時：浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月6日現在

警戒メッシュ説明：
　右図は平均気温の過去７日間平均値で分げつの形成遅延を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。（詳細は気象障害監視のポイントを参照。）

　　　　基準気温　　　　　　　　　　障害の程度
　　　①１３℃未満の地域（赤）　　：草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
　　　②１３℃～１５℃の地域（黄）：分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
　　　③１５℃～１７℃の地域（青）：１７℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
　　　④１７℃以上の地域（緑）　　：順調な生育が期待できる。

	～13℃	草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
	13～15℃	分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
	15～17℃	１７℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
	17℃以上	順調な生育が期待できる。

＜特記事項＞
　入梅時期が近づきつつあります。補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので早期に処分して下さい。

ホームページ参照：

reigai@ml.affrc.go.jp