水稲冷害研究チーム

2003年東北６県発生予察情報

　本情報は青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の病害虫防除所のご協力により，掲載するものです．内容は水稲に限定し，発生が平年より多発すると予察されている事項に重点を置いています．
　情報が入り次第，更新しますが，場合によっては遅れることもありますことをご承知ください．
　青森県の情報については、アップルネットにリンクさせていただいています。アップル農場／病害虫防除情報をご覧ください。
　秋田県の情報については、こまちシステムの農政部病害虫防除所にリンクさせていただいています。
　岩手県の情報については、いわてアグリベンチャーネットにリンクさせていただいています。
　宮城県の情報については、宮城県病害虫防除所にリンクさせていただいています。
　山形県の情報については、山形県病害虫防除所にリンクさせていただいています。
　福島県の情報については、うつくしま農林水産情報ネットにリンクさせていただいています。

東北の発生予察情報一覧

青森県
病害虫発生注意報　第３号（8月6日）
斑点米カメムシ類の多発に注意!!
～穂揃い期とその７～10日後の２回防除の徹底を～

○斑点米カメムシ（アカヒゲホソミドリカスミカメ）:県内全域で、発生時期はやや遅く、発生量はやや多い。

病害虫発生予報　第５号（7月31日）　・　＜ＰＤＦ版＞(533KB)
○穂いもち：発生量はやや多い
○紋枯病：発生量はやや少ない
○ごま葉枯病：発生量はやや少ない
○斑点米カメムシ類：津軽地域で発生量はやや多く、南部地域で平年並み。
○コバネイナゴ：発生量はやや少ない
○フタオビコヤガ：発生量は平年並
○セジロウンカ：発生量は平年並
○ヒメトビウンカ：発生量は平年並
○ニカメイガ：発生量は平年並
岩手県
病害虫発生注意報　第４号（8月8日）
　県南部を中心に穂いもちの発生が多発する恐れがあります。
　葉いもちの発生が見られる場合には、追加防除を実施しましょう。

病害虫発生注意報　第５号（8月12日）

　カメムシ類が広く本田で確認され、斑点米の多発が懸念されます。カメムシ類の発生が多いところでは、乳熟初期（出穂７～１４日後）に薬剤防除を実施しましょう。

○カメムシ類（斑点米の原因となるカスミカメムシ類）：発生量はやや多い。

病害虫発生予報　第６号（8月28日）
○カメムシ類（アカスジカスミカメ・アカヒゲホソミドリカスミカメ）：発生量はやや多い。
宮城県
病害虫発生警報　第１号（7月31日）
穂いもち防除の徹底について
　７月23日付け発生予察情報注意報第２号で穂いもちの防除徹底を呼びかけたところですが，７月29～31日の巡回調査によると県内各地域で葉いもちの発生が急増しています。
　特に，穂いもちの重要な伝染源となる上位葉の葉いもちの発生は平年と比較して非常に多く，穂いもちが多発した昭和63年，平成３年，平成５年に次ぐ発生状況となっています。
　さらに，これまでの天候不良によってイネはいもち病に極めて弱い体質となっており，穂いもちが多発するおそれがあります。また，低温で障害不稔が発生した場合は穂いもちが発生しやすくなります。防除の徹底に努めてください。
○穂いもち：発生量多い

病害虫発生注意報　第４号（8月8日）
斑点米の原因となるカメムシ類の防除を徹底しましょう！
　８月１～５日のすくい取り調査の結果，雑草地及び牧草地における斑点米カメムシ類の発生量が平年より多く，特に本県の主要種であるカスミカメムシ類が多くなっています。また，県南部では，大型のクモヘリカメムシ，ホソハリカメムシが目立っています。
　これらカメムシ類の発生盛期と水稲の出穂期が重なる可能性があり，斑点米の発生が多くなるおそれがあります。
　また，本年は異常低温と日照不足の影響により，割れ籾の発生が多くなることが予想され，さらに被害が助長される可能性があります。
　前年多発した地域や周辺に雑草や牧草が多い地域では，薬剤による防除を徹底してください。

病害虫発生予報　第８号（8月28日）
○穂いもち：発生量は多い、警報第１号発表中
○斑点米カメムシ類：発生量は多い、注意報第４号発表中
秋田県
病害虫発生注意報　第５号（8月20日）
斑点米多発の恐れ！
～カメムシ類の水田侵入量が多く危険！～
　傾穂始期の散布から14日後の防除を必ず実施する

病害虫発生予報　第５号（8月21日）
○穂いもち：発生量は平年並み
○斑点米カメムシ類（アカヒゲホソミドリカスミカメ）：発生量は多い
山形県
病害虫発生注意報　第２号（8月11日）
○斑点米カメムシ：発生量は多い
ア．穂揃期および穂揃期７～１０日後の２回の薬剤防除（基本防除）を必ず実施する。なお、粒剤を散布する場合は、穂揃期に湛水して散布する。
イ．本年の出穂期は平年より６日程度遅れているため（平年の出穂盛期:８月５日）、水稲の出穂状況をよく観察し、適期防除を行う。

病害虫発生注意報　第４号（8月22日）
○穂いもち：発生量は多い、県下全域（特に最上地域、置賜地域）

ア．８月１５日現在の葉いもちの発生は少ない。しかし、８月後半に行った巡回調査の結果、最上地域と置賜地域において、葉いもちの発生ほ場率が高まっている。また、全域で葉いもちの病斑の上位葉への進展がみられる。
イ．予察ほ場（山形市、新庄市）における葉いもちの発生は、例年病勢の低下がみられる８月２半旬になっても、緩慢な進展がみられる。
ウ．ＢＬＡＳＴＡＭによると、８月に入ってからも葉いもちの感染に好適な条件が広域的に出現していることから、葉いもちの病勢拡大と穂いもちの発病が予想される。
オ．出穂後も低温・日照不足で経過しているため、いねの体質は弱いと考えられる。

病害虫発生予報　第５号（7月30日）　・　＜ＰＤＦ版＞(173KB)
○穂いもち：発生量は平年並
○紋枯病：発生量は平年並
○斑点米カメムシ類：発生量はやや多い
福島県
病害虫発生警報　第１号（8月13日）　・　＜ＰＤＦ版＞(113KB)
○穂いもち：発生時期は遅い、発生量は多い
警報発令の根拠
① ８月上旬の調査では、葉いもち発生ほ場率の増加が近年５か年の中で最も著しかった。特に中通りと阿武隈山系で急増しており、浜通り山沿いの発生程度も平坦部と比較して高かった。
② 中通り西側の山沿いから平坦、阿武隈山系から浜通り山沿いにかけて「ずりこみ症状」の水田が多く見られる。
③ 現在のところ、出穂期は６～１１日程度遅れると予想されており、穂いもちの発生と関連が高い上位葉で、今後さらに葉いもちの病勢進展が懸念される。
④ 向こう１か月の気温は平年並か低く、降水量は平年並か多く、日照時間は平年並か少ないと予想されているが、天気がぐずつくと、湿度が高まるため穂いもちに感染しやすくなるとともに、出穂が不揃いになって出穂期間が長くなることから感染する機会が多くなる。
⑤ 本年のこれまでの気象経過は穂いもちの多発年と似ており、出穂期の天気もぐずつくと予想されていることから、過去の冷害年と同様に穂いもちの多発が懸念される。
防除法
① 現在、葉いもちの発生が見られるほ場では、直ちに散布剤（液剤、粉剤等）による防除を実施して、上位葉での病斑の増加を防ぐ。
② 穂いもちを対象に散布剤を使用する場合は、穂ばらみ末期と穂揃期の２回の薬剤散布が必須であるが、多発が予想される場合には、傾穂期の散布を追加する。
③ すでに穂いもちに対する水面施用剤を使用しているほ場でも、葉いもちが多発していると穂いもちに対して十分な防除効果を発揮できない場合があるので、散布剤による追加防除を行う。

病害虫発生予報第８号（8月28日）　・　＜ＰＤＦ版＞(57KB)
○いもち（穂いもち）：発生量はやや多い（浜通り山沿いは多い）
○斑点米カメムシ類：発生量は平年並み、浜通りはやや多い。
○セジロウンカ：発生量は平年並み、会津はやや多い。