水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(8月22日)

No.18

 仙台管区気象台が21日発表した予報によると、向こう1か月は前線や低気圧の影響を受けやすく曇りや雨の日が多く、後半は天気が周期的に変化し、平均気温は高い見込みとなっています。
 なお、この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(8月22日〜8月28日):前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は平年並の見込み。
 第2週目(8月29日〜9月4日):前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は高い見込み。
 このように、1,2週目は前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多く、気温は平年並から高いと見込まれています。


8月21日発表:1ヶ月予報(8月20日から9月21日)

 8月28日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
123.726.421.626.00.023.527.320.714.82.80.50.01.28.8-1.6
221.423.519.769.20.022.726.719.113.24.00.60.20.66.9-0.4
321.224.019.456.80.023.027.419.312.24.40.2-0.10.44.40.1
421.323.919.758.70.022.426.318.89.23.70.70.30.82.8-0.1
521.825.519.419.70.123.428.019.87.84.3-0.3-0.50.12.0-0.8
622.426.019.947.20.122.126.318.817.13.50.90.61.413.4-1.0
723.526.521.028.60.323.327.120.419.83.00.50.11.013.0-1.3
821.122.719.841.30.021.624.518.97.32.90.70.31.10.4-1.1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              8月28日現在
 現在、東北地域の水稲は出穂・開花期から登熟初期にあります。
 出穂は一部の地帯を除いて例年並に始まりましたが、幼穂形成直後の7月中旬の低温と8月上中旬の低温・日照不足で傾穂期までに長期間を要しています。また株内、圃場内、圃場間で出穂・開花にかなりのバラツキが見られます。このことは、穂いもちに感染する期間が長く、また防除適期の判定が難しくなるものと考えられます。
 今後1、2週間程度は、前線や低気圧の影響により東北全域で曇りや雨の日が多いと予想されています。生育遅延や穂いもちの発生に厳重な警戒が必要です。各県の技術・予察情報と左図を参考にして、適正な水管理と穂いもち防除を徹底してください。
 
警戒メッシュの説明:
 図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。冷温障害の監視ならびに水管理の参考にするために作成しています。
 なお、気温区分は下の基準温度を参考にしました。
 ○開花受精・登熟初期の温度条件(不適温)  :20度以下
 ○開花受精・登熟初期の温度条件(やや適温):20〜22.5度
 ○開花受精・登熟初期の温度条件(適温)   :22.5〜25.0度
 ○開花受精・登熟初期の温度条件(最適温) :25.0度以上
 
       〜20.0℃不適温
     20.0〜22.5℃やや適温
     22.5〜25.0℃適温
     25.0℃以上最適温

図は最高気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色部分は対象外)で示したものです。
開花・受精には最高気温が大きく影響します。警戒の必要な地域を左図に示します。
気温の区分は次の通りです。
 
       〜21.5℃不適温
     21.5〜24.5℃やや適温
     24.5〜27.5℃適温
     27.5℃以上最適温

特記事項 ○ 青森県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県に「葉いもちと穂いもちの注意報」が発令されています。早期発見・早期防除に努めてください。 ○ 「北日本と東日本の日照不足に関する全般気象情報」が21日に、気象庁から発表されています。
 
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