水稲冷害研究チーム

1998年早期警戒情報


1998年早期警戒情報(8月15日)

No.17

 仙台管区気象台が14日発表した予報によると、向こう1か月は前線や低気圧、オホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、後半は天気が周期的に変化し、平均気温は低い見込みとなっています。
 なお、この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(8月15日〜8月21日):気圧の谷や前線、オホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は低い見込み。
 第2週目(8月22日〜8月28日):オホーツク海高気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多く、平均気温は低い見込み。
 このように、1,2週目は気圧の谷や前線、オホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多く、気温は低いと見込まれています。


8月14日発表:1ヶ月予報(8月13日から9月14日)

 8月21日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
128.618.80.07.523.226.620.59.22.3-0.2-1.10.54.0-1.8
226.616.90.010.822.526.319.36.93.4-0.5-1.10.12.3-1.7
326.117.00.09.322.826.420.010.23.0-0.9-2.00.43.5-1.9
427.017.50.011.522.626.519.26.14.30.0-0.50.51.0-0.2
527.217.90.09.023.427.120.611.22.8-1.1-2.30.26.2-2.6
627.516.80.09.021.825.518.97.03.0-0.0-0.71.01.8-1.6
728.518.70.09.123.026.420.412.52.7-0.4-1.30.47.8-1.4
826.418.00.010.821.424.718.99.84.30.0-0.10.54.40.7
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              8月21日現在
 現在、東北地域の水稲は穂ばらみ期から傾穂期にあります。この時期、異常な低温に遭遇すると、障害不稔が多発します。また低温が長期にわたると、受精障害ならびに生育遅延や穂いもちの発生が懸念されます。
 オホーツク海高気圧や前線の影響で7月29日から、太平洋側を中心に低温傾向と全域で日照不足の状態が長く続いています。
 さらに、今後1、2週間程度は、気圧の谷や前線、オホーツク海高気圧の影響により東北全域で気温が低くまた日照の少ないぐずついた天候が続くと予想されています。東北地域のほとんどの水稲は出穂・開花の最中で、冷温障害や穂いもちの発生に厳重な警戒が必要です。
 各県の技術・予察情報と左図を参考にして、適正な水管理と穂いもち防除を徹底してください。
 
警戒メッシュの説明:
 図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色の部分は対象外)で示したものです。冷温障害の監視ならびに水管理の参考にするために作成しています。
 なお、気温区分は下の基準温度を参考にしました。
 ○ 開花の温度条件(不適温)  :20度以下
 ○ 開花の温度条件(やや適温):20〜22.5度
 ○ 開花の温度条件(適温)    :22.5〜25.0度
 ○ 開花の温度条件(最適温)  :25.0度以上
 
       〜20.0℃不適温
     20.0〜22.5℃やや適温
     22.5〜25.0℃適温
     25.0℃以上最適温

 図は最高気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象(白色部分は対象外)で示したものです。
 開花・受精には最高気温が大きく影響します。警戒の必要な地域を左図に示します。
 気温の区分は次の通りです。
 
       〜21.5℃不適温
     21.5〜24.5℃やや適温
     24.5〜27.5℃適温
     27.5℃以上最適温

特記事項 ○ 青森県・秋田県・岩手県・宮城県・福島県に「葉いもちと穂いもちの注意報」が発令されています。早期発見・早期防除に努めてください。 ○ 低温注意報が15日午前5時半現在、青森県、岩手県に発令されています。
 
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