水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(6月5日)

No.7

 仙台管区気象台が28日発表した向こう1か月予報によると、この期間は前線や低気圧の影響を受け、平年に比べ曇りや雨の日が多く、平均気温は「平年並み〜高い」と予想されています。また、オホーツク海高気圧の影響を受ける時期がある見込みです。
 この先2週間の予報は次の通り。
 第1週目(6月5日〜6月11日):天気は周期的に変わり、気圧の谷が通る7日頃と1週目の終わりに南部を中心に天気が崩れる。平均気温は平年並みの見込み。
 第2週目:(6月12日〜6月18日):前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並みの見込み。
 このように、今後1週間では気温は平年並みで推移すると予想されています。また、上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数などの予測では、オホーツク海高気圧の発達と東北地域への張り出しは週の前半には予想されていません。


6月4日発表:1ヶ月予報(6月3日から7月4日)

 月10日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.124.09.20.012.118.223.213.52.26.10.40.60.1-0.32.7
216.123.08.80.012.816.320.512.42.85.0-1.0-1.6-0.40.8-0.6
316.523.310.00.010.917.221.413.44.45.1-0.6-1.50.32.2-0.1
416.323.78.70.012.516.120.712.04.04.5-0.7-1.10.11.9-0.4
517.324.99.80.011.718.322.614.43.85.8-0.6-1.50.52.00.7
615.523.06.20.012.415.920.910.92.45.4-0.3-0.1-0.7-0.31.6
717.124.19.50.012.318.223.013.72.06.50.20.1-0.1-0.52.7
815.821.210.10.013.214.618.411.23.34.1-0.3-0.70.20.8-0.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              6月11日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜13.0℃
13.0〜16.0℃
16.0〜19.0℃
19.0℃以上
  〜16.0℃
16.0〜19.0℃
19.0〜22.0℃
22.0℃以上
  〜8.0℃
8.0〜10.0℃
10.0〜12.0℃
12.0℃以上


 現在、東北地域の水稲は比較的順調に活着し、分げつ期に入り始めました。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年並みからやや高く推移しています。最高気温は平年より高く最低気温は平年より低く、そのため日較差が大きくまた日照時間も平年より多く、分げつ形成には有利な天候条件で推移しています。

 このようなことから、各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』などを参考にして適正な水管理を実施して下さい。
 また、葉いもち病の発生に注意すべき時期になりました。取り置き苗の早急な処分などいもち病予防に万全を期す必要があります。

  低温・強風時:深水管理。
  高温時:浅水管理による分げつ発生の促進。表土剥離や有害ガスの発生防止。
 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。生育を促進するための水管理等の参考にして下さい。
なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
 ○ 冷温の障害が懸念される平均気温(要深水管理):13度以下
 ○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均温度:13〜16度
 ○ 他の区分温度は、東北全域の気温推移を把握するために設定しています。
 ○ 最高と最低気温は日較差を把握するためで、日較差が大きいほど分げつ形成に有利といわれています。
 
 
ホームページ参照:

 
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