水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(6月12日)

No.8

 仙台管区気象台が11日発表した向こう1か月予報内容は次の通りです。
 この期間の前半は、天気が周期的に変化し、平年に比べ晴れの日が多い。後半は、梅雨前線の影響で平年同様に曇りや雨の日が多い。平均気温は「平年より高い」と予想されています。
 この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(6月12日〜6月18日):期間の終わりに天気が崩れるが、その他の日は曇りまたは晴れる。平均気温は平年より高い見込み。
 第2週目:(6月19日〜6月25日):天気は周期的に変化し、平年に比べ晴れの日が多い。平均気温は平年より高い見込み。
 このように、今後1週間では気温は平年より高く推移すると予想されています。また、上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数、極東東西指数などの予測結果を総合して判断すると、オホーツク海高気圧の発達と東北地域への張り出しは予想されていません。


6月11日発表:1ヶ月予報(6月10日から7月11日)

 月18日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
116.118.614.53.30.020.525.316.03.44.22.42.81.8-0.61.4
218.222.514.30.31.920.826.115.51.45.93.14.01.9-1.92.7
317.320.214.70.70.420.124.715.33.64.51.71.91.2-0.51.2
419.424.615.70.03.421.026.515.50.46.13.94.72.7-3.22.9
516.318.314.72.90.020.525.215.96.54.61.21.10.92.70.7
616.119.213.32.60.619.925.014.61.25.23.13.62.0-2.52.4
716.318.614.62.60.020.324.816.13.64.52.02.41.5-0.41.4
819.324.015.90.03.920.225.215.20.16.65.06.23.5-3.43.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              6月18日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜13.0℃
13.0〜16.0℃
16.0〜19.0℃
19.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜10.0℃
10.0〜12.0℃
12.0〜14.0℃
14.0℃以上


 現在、東北地域の水稲は比較的順調に分げつ期に入りました。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は日本海側ではやや低く、太平洋側では平年並みで推移しています。
 気温は今後高く経過すると予想されることから、各県の稲作技術・予察情報ならびに『図説:水管理』などを参考にして、適正な水管理と根の活力低下の防止策が必要です。
 また、葉いもち病の発生に注意すべき時期になりました。取り置き苗の早急な処分や予防粒剤の散布などいもち病の発生予防に万全を期す必要があります。なお、6月7日に、感染好適条件が一部地域に出現したと推定されています(『生育・作柄情報』−『葉いもち予察情報』頁の6月8日判定結果参照)。これら地域は特に注意する必要があります。

 高温時:浅水管理による分げつ発生の促進。表土剥離や有害ガスの発生による根の活力低下の防止。
 低温時:深水管理
 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。生育を促進するための水管理等の参考にして下さい。
 なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
  ○ 冷温障害が懸念される平均気温(要深水管理):13度以下
  ○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均気温:13〜16度
  ○ 他の区分温度は、東北全域の気温推移を把握するために設定しています。
  ○ 最高と最低気温は日較差を把握するためで、日較差が大きいほど分げつ形成に有利といわれています。
 
 
ホームページ参照:

 
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