水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


2001年早期警戒情報(5月5日)
No.2
 仙台管区気象台が4日発表した向こう1か月予報によると、この期間の前半は高気圧に覆われる日が多く、天気は平年に比べ晴れの日が多い。後半、天気は概ね周期的に変化するが、オホーツク海高気圧や前線の影響でぐずつく時期がある見込み。
 平均気温は均してみると平年並の予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は大きく、予報の信頼性はやや低くなっています。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み50%、同高い30%となっています。この先2週間の天候予想は次の通り。
 第1週目(5月5日〜5月11日): 7日頃に気圧の谷の通過で天気が崩れるが、その他の日は高気圧に覆われ概ね晴れる。平均気温は平年並。
 第2週目(5月12日〜5月18日):高気圧に覆われ晴れの日が多い。平均気温は高い。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は7日以降東西流となり、天気は周期的に変化する予想です。第1週目の前半はオホーツク海高気圧の影響で太平洋側沿岸部では気温が低くなる可能性が高い。



5月4日発表:1ヶ月予報(5月3日から6月4日)

 5月11日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
113.517.78.41.35.614.018.610.24.52.80.3-0.41.80.5-2.0
29.89.96.74.10.211.815.78.46.91.9-0.7-2.01.04.5-3.6
311.013.69.36.90.813.617.69.99.52.40.5-0.31.76.8-2.3
410.613.48.53.11.111.114.78.010.11.8-1.1-3.11.37.2-3.5
512.416.48.96.92.614.919.510.34.22.81.00.21.80.9-1.9
611.817.46.40.95.511.916.57.65.52.80.2-0.31.72.7-2.1
712.917.28.92.15.613.817.910.33.82.80.3-0.71.61.2-2.3
88.711.36.82.71.08.610.97.09.50.7-2.5-4.90.37.0-5.2
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は育苗期から田植え期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。最低・最高気温は太平洋側でかなり低く経過しています。今まではあまり田植えに適した気温条件とはいえません。また寒暖の変動が大きいのも最近の特徴です。いよいよ田植えの時期に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

  ○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害
  ○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。

5月11日現在
警戒メッシュ説明:
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
基準気温   障害の程度
   @9℃以下      生育が著しく抑制される。
   A12℃以下  生育の遅れが懸念される。(12℃は稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下      活着は普通に進む。
   C15℃以上      活着とその後の生育は急速に進む。
  〜9℃著しい生育抑制
9〜12℃生育遅れ
12〜15℃普通の生育
15℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@affrc.go.jp