水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


2001年早期警戒情報(5月12日)
No.3
 仙台管区気象台が11日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気はおおむね周期的に変化するが、低気圧や前線による天気の崩れは小さい見込み。2週目以降は、オホーツク海高気圧の影響で天気のぐずつく時期がある見込み。平均気温は平年並。
 平均気温は均してみると平年並の予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は2週目以降大きく、予報の信頼性はやや低くなっています。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み50%、同高い30%となっています。この先2週間の天候予想は次の通り。
 第1週目(5月12日〜5月18日):期間の中頃に気圧の谷の影響で天気が崩れるところがある。その他の日は高気圧に覆われおおむね晴れる。平均気温は平年より高い。
 第2週目(5月19日〜5月25日):天気は概ね周期的に変化するが、オホーツク海高気圧の影響で天気のぐずつく時期がある。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は15日頃までは北上し、南から暖かい空気が入り、その後南下し蛇行の程度も大きくなり、寒気が入りやすくなる見込み。



5月11日発表:1ヶ月予報(5月10日から6月11日)

 5月17日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
115.721.99.30.112.316.523.09.80.78.92.33.60.6-3.43.1
215.021.18.20.011.415.421.68.81.18.32.13.30.5-1.62.3
314.820.09.10.211.515.020.69.22.27.71.32.20.1-0.62.4
414.320.67.60.211.315.221.78.31.08.22.33.40.7-2.52.6
515.519.18.40.412.115.922.39.41.48.01.32.5-0.1-2.02.4
613.319.86.40.011.515.422.37.90.68.62.54.30.4-2.32.7
715.921.710.50.212.116.322.310.20.88.82.13.30.6-1.92.9
814.020.57.20.411.014.320.68.21.08.32.74.40.7-2.21.9
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は育苗期から田植え盛期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。最高気温は太平洋側北部でかなり低く経過しています。また寒暖の変動が大きいのも最近の特徴です。いよいよ田植えの最盛期に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。なお来週1週間は雨が少なく、またかなりの高温が予想されています。田植え直前にある苗の管理には特に注意が必要です。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害

5月18日現在
警戒メッシュ説明:
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温 障害の程度
   @9℃以下 生育が著しく抑制される。
   A12℃以下  生育の遅れが懸念される。(稚苗移植可能気温と同じ)
   B15℃以下      活着は普通に進む。
   C15℃以上      活着とその後の生育は急速に進む。
  〜9℃
9〜12℃
12〜15℃
15℃以上
<特記事項>
○東北南部の少雨に関する東北地方気象情報 第2号(平成13年5月11日11時35分 仙台管区気象台発表)
(本文)
 東北地方は、4月は高気圧に覆われて晴れる日が多く、各地で記録的な少雨となりました。5月は、7〜9日に低気圧や前線の影響で東北北部を中心にまとまった降水がありました。このため、東北北部の少雨は概ね解消されましたが、岩手県の沿岸南部や東北南部では引き続き降水量の少ない状態が続いています。向こう1週間も16日頃に天気の崩れる所がありますが、その他の日は高気圧に覆われ概ね晴れる見込みですので、水や農作物の管理には十分注意してください。
 
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