水稲冷害研究チーム

2001年早期警戒情報


本情報は警戒担当者が現在注目している点をお知らせするものです。

2001年早期警戒情報(9月1日)
No.19
 仙台管区気象台が24日発表した向こう1か月予報によると、この期間の前半は、高気圧に覆われて晴れる日が多い。後半は、天気は周期的に変化するが、平年同様曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並か高い。平均気温は均してみると平年並か高い予想ですが、1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は2週目以降大きくなり、2週目以後の予報の信頼度は低いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(8月25日〜8月31日):高気圧に覆われ、おおむね晴れる。平均気温は平年並。
 第2週目(9月1日〜9月7日):高気圧に覆われて晴れる日が多い。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、北に偏った高気圧の影響を受け、太平洋側では海風が入ることが予想されます。



8月31日発表:1ヶ月予報(9月1日から9月30日)

 9月7日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.52216.70.20.419.92416.43.33.8-1.1-1.1-1.1-2.81.4
219.221.416.92.80.32024.5161.86.4-0.10.2-0.4-3.92.6
320.423.917.93.60.72125.81716.10.20.8-0.1-4.22.2
418.921.415.82.10.219.323.615.31.24.7-0.4-0.6-0.6-4.91.7
52124.617.91.71.421.125.817.11.25.2-0.3-0.1-0.4-4.61.6
618.922.215.40.41.61821.814.55.22.9-1.6-1.9-1.30.10.4
718.921.1160.30.219.723.716.224.2-1.1-1.1-1.1-2.42.2
818.82017.47.20.218.821.515.91.83.3-0.8-1.7-0.4-4.60.4
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



 現在、東北地域の水稲は穂揃い期から黄熟期にあり、遅延型冷害の最も危険な時期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。太平洋側では気温が低くまた日照不足なっています。この低温と日照不足の傾向は今後とも続くと予想されます。現在、水稲の生育は7月下旬から8月中旬の低温で太平洋側を中心に遅れています。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、玄米発育予測、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、穂いもちとカメムシ類の防除などには細心の注意を払って下さい。
 穂いもちの発生と蔓延には特段の警戒が必要です。防除を徹底して下さい。

○低温時:生育時期に応じた水管理による各種障害回避。
○高温時:気温が異常に高くなる場合には、乳熟期から糊熟期にかけて灌漑水のかけ流しの実施。

9月7日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは平均気温前7日間の移動平均値を用いて下の基準温度で図示しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

@平均気温17℃以下:かなりの生育遅延が予想される。
A平均気温17℃〜19℃:生育遅延が懸念される。
B平均気温19〜21℃:生育遅延が心配される。
C平均気温21℃以上:生育遅延は予想されない。
  〜17℃かなりの生育遅延
17〜19℃生育遅延
19〜21℃やや生育遅延
21℃以上
<特記事項>
なし
 
ホームページ参照:

 
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