水稲冷害研究チーム

2004年早期警戒情報


2004年早期警戒情報(5月22日)
No.5
 仙台管区気象台が21日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変化するが、前線やオホーツク海高気圧の影響を受ける時期があり、東北太平洋側では曇りや雨の日が多い見込み。東北日本海側では、平年と同様に晴れる日が多い。
 平均気温は均してみると平年並です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が20%、同平年並40%、同高い40%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(5月22日〜5月28日):期間の初め(24日)頃気圧の谷の影響で曇りや雨となるが、その他の日は高気圧に覆われ概ね晴れる見込み。平均気温は平年並か高い。
 第2週目(5月29日〜6月4日):天気は数日の周期で変化する。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風はオホーツク海付近で大きく蛇行し、オホーツク海高気圧が一時的に形成されやすくなるとみられます。




5月21日発表:1ヶ月予報(5月22日から6月21日)

 5月28日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.023.115.80.01.615.120.210.73.04.6-1.1-1.2-0.6-0.0-0.7
219.323.915.10.11.215.521.310.21.95.20.20.9-0.3-0.4-0.7
320.225.915.00.02.716.121.911.02.25.50.10.9-0.4-0.8-0.0
418.824.214.10.63.014.620.19.52.05.6-0.4-0.2-0.5-0.80.1
520.726.416.11.62.516.822.611.63.25.30.10.5-0.10.8-0.4
619.324.414.60.04.113.918.99.22.95.1-0.8-1.3-0.10.0-0.4
718.822.216.60.01.015.220.111.02.64.6-1.1-1.2-0.80.2-1.1
815.820.310.80.64.112.817.09.12.34.9-0.7-0.7-0.3-0.5-0.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はかなり高く経過しています。いよいよ田植えの終盤に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生。深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。
5月28日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温    障害の程度
   @9℃以下    生育が著しく抑制される。
   A12℃以下   生育の遅れが懸念される。
   B15℃以下   活着は普通に進む。
   C15℃以上   活着とその後の生育は順調に進む。


<特記事項>
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜9℃著しい生育抑制
9〜12℃生育遅れ
12〜15℃普通の生育
15℃以上順調な生育
ホームページ参照:

 
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