水稲冷害研究チーム

2005年早期警戒情報


2005年早期警戒情報(5月21日)
No.5
 仙台管区気象台が20日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変化するが、前線やオホーツク海高気圧の影響で天気がぐずつく日がある見込み。東北日本海側は平年と同様に晴れる日が多く、東北太平洋側は平年に比べ晴れの日が少ない。
 平均気温は平年並か低い。

 平均気温は均してみると平年並か低いです。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が30%、同平年並50%、同高い20%。同じく第2週については低い可能性が50%、同平年並40%、同高い10%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(5月21日〜5月27日):期間の初めと終わりは、高気圧に覆われて概ね晴れるが、期間の中頃は気圧の谷の影響で曇りや雨となる。
 平均気温は平年並。

第2週目(5月28日〜6月3日):東北日本海側は天気は数日の周期で変化し平年と同様に晴れる日が多く、東北太平洋側はオホーツク海高気圧の影響で平年に比べ晴れの日が少ない。
 平均気温は低い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は北日本からオホーツク海付近で分流し、北から寒気が流れ込みやすく、またオホーツク海高気圧が一時的に形成される可能性もあります。



5月20日発表:1ヶ月予報(5月21日から6月20日)

 5月27日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はかなり低く経過していました。いよいよ田植えの終盤に入りますが、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生。
深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

5月27日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
 基準気温    障害の程度
   @9℃以下    生育が著しく抑制される。
   A12℃以下   生育の遅れが懸念される。
   B15℃以下   活着は普通に進む。
   C15℃以上   活着とその後の生育は急速に進む。

<特記事項>
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜9℃著しい生育抑制
9〜12℃生育遅れ
12〜15℃普通の生育
15℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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