水稲冷害研究チーム

2005年早期警戒情報


2005年早期警戒情報(6月11日)
No.8
 仙台管区気象台が10日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は前線やオホーツク海高気圧の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が20%、同平年並50%、同高い30%。同じく第2週については低い可能性が40%、同平年並40%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月11日〜6月17日):期間のはじめと終わりは前線や気圧の谷の影響で曇りや雨となるが、期間の中頃は高気圧に覆われておおむね晴れる。
 平均気温は平年並。

第2週目(6月18日〜6月24日):前線やオホーツク海高気圧の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い。一時低温となる見込み。
 平均気温は平年並か低い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風はオホーツク海付近で徐々に大きく蛇行し、北海道の東海域に中心をもつ高気圧の影響を受ける見込みです。



6月10日発表:1ヶ月予報(6月11日から7月10日)

 6月17日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.020.115.01.70.618.822.416.22.62.20.4-0.21.5-2.2-1.1
216.920.914.51.41.918.021.515.02.92.30.2-0.61.1-0.6-2.3
318.220.616.24.40.319.723.216.83.63.60.9-0.01.8-0.9-0.6
415.418.513.74.61.017.020.614.24.12.1-0.5-1.30.80.0-2.2
518.921.716.23.90.820.223.816.92.53.50.8-0.11.6-1.9-0.8
615.218.813.15.50.816.419.714.13.61.9-0.5-1.51.3-0.9-1.8
717.220.414.92.31.019.022.916.21.92.60.50.21.1-2.4-0.9
812.514.411.53.60.913.615.612.35.90.2-1.8-3.30.01.9-4.0
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は太平洋側で平年並、日本海側で高く経過しています。今後気温は平年並に推移すると予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、分げつ形成を促進するような水管理に努めてください。

○低温時:分げつを促す水管理の実施

○高温時:表土剥離や有害物質の発生防止。
6月17日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で分げつの形成遅延を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
 基準気温    障害の程度
   @13℃未満の地域(赤):草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃の地域(黄):分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃の地域(青):17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上の地域(緑):順調な生育が期待できる。

<特記事項>
・いもち病の蔓延可能域も広がりつつあります。補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので至急に処分すること。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜13℃生育遅延
13〜15℃分げつ遅れ
15〜17℃緩慢な生育
17℃以上順調な生育
ホームページ参照:
 
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