水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(7月28日)

No.15

仙台管区気象台が27日発表した「高温に関する気象情報」によると、この先1週間の気温は、平年より著しく高く推移すると予想されます。上空の偏西風の流れ、台風の動きなどの予測を参考に総合的に判断すると、今後とも太平洋高気圧が張り出し、著しい高温が続く可能性が高いと予想されます。


7月23日発表:1ヶ月予報(7月22日から8月23日)

 月29日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
126.731.523.83.53.127.032.222.81.97.74.15.03.1-2.94.4
225.929.523.87.00.726.530.823.03.05.23.83.94.0-0.70.4
326.731.523.66.10.726.531.222.63.55.03.23.43.2-2.2-0.0
426.029.223.51.20.726.731.023.12.05.04.44.34.5-1.91.2
527.232.423.85.01.827.232.422.53.46.83.13.72.4-1.41.3
625.830.522.60.42.926.131.321.51.57.84.55.63.4-2.93.9
725.930.223.53.01.626.531.622.51.77.33.64.52.8-2.74.1
824.726.922.64.80.325.729.822.41.75.25.05.64.5-1.92.0
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月30日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜26.0℃
26.0〜28.0℃
28.0〜30.0℃
30.0℃以上
  〜30.0℃
30.0〜32.5℃
32.5〜35.0℃
35.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.5℃
22.5〜25.0℃
25.0℃以上


現在、東北地域の水稲の生育は減数分裂期前後から出穂直前にあり、作柄を左右する最も重要な発育段階にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年より著しく高く、また降水量は全般に少なく推移しています。高温によっても障害不稔が発生します。最も敏感な時期は開花・受精期で、次いで穂ばらみ期です。(低温の場合とは順位が逆転します。)
 今後の高温(上図の警戒メッシュ)やフェーン現象の発生等に警戒し、また各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』『生育・作柄情報』−『発育予測情報』頁などを参考にして、適正な水管理と用水の確保に注意して下さい。

<著しい高温の場合>
● 掛け流し灌漑による水田・稲体温度環境の制御

<高温時>
●根の活力維持のための間断灌漑

 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。高温障害回避のための水管理の参考にして下さい。
 なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
 ○ 高温障害に注意が必要な最高気温:35度以上
 ○ 平均(30度)と最低気温(25度)については、高温の程度を把握できるように区分した。
 注)図の色分けは冷害対応となっているため、低温側が“赤”、高温側が“緑”となっています。そのため、緑の地帯が警戒の必要なことを示します。

 
 
ホームページ参照:

 
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