水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(7月24日)

No.14

 仙台管区気象台が23日発表した向こう1か月の予報内容は次の通りです。
 東北地方では、太平洋高気圧に覆われ平年同様晴れの日が多い見込み。日本海側を中心に前線や低気圧の影響を受け天気のぐずつく時期がある。平均気温は「平年並」と予想されています。
 この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(7月24日〜7月30日):晴れる日もあるが、期間の初めは大気の状態が不安定なため、にわか雨か雷雨となるところがある。平均気温は高い見込み。
 第2週目(7月31日〜8月6日):太平洋高気圧に覆われ平年同様晴れの日が多いが、日本海側を中心に前線や低気圧の影響を受け天気のぐずつく時期がある。平均気温は平年並の見込み。
 このようにこの先1週間の気温は、天気は期間の前半にぐずつき平年より高く推移すると予想されています。上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数、極東東西指数、熱帯性低気圧の動きなどの予測を参考に総合的に判断すると、今後太平洋高気圧が張り出す可能性が高いと予想されます。


7月23日発表:1ヶ月予報(7月22日から8月23日)

 月26日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
127.433.121.90.011.025.530.121.63.25.42.93.32.3-1.32.0
227.632.422.80.012.325.229.321.53.15.43.02.92.9-0.90.8
326.932.121.90.010.125.329.322.04.34.42.52.22.9-0.6-0.3
428.032.323.50.012.625.329.621.51.85.73.63.53.3-2.31.8
527.432.921.80.012.225.630.021.97.24.61.91.82.12.4-0.9
626.732.520.80.011.524.429.320.12.26.53.34.32.4-1.42.7
727.332.921.60.011.625.229.621.42.35.22.62.92.1-1.92.0
827.332.022.90.011.424.128.320.60.96.54.04.83.1-3.02.7
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月27日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜17.0℃
17.0〜19.0℃
19.0〜21.0℃
21.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜12.0℃
12.0〜14.0℃
14.0〜16.0℃
16.0℃以上


 現在、東北地域の水稲の生育は減数分裂期前後にあり、作柄やいもち病の発生を左右する最も重要な発育段階にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年よりかなり高く推移しています。今までの気象と生育経過をみると、太平洋側の地帯においては生育の進み方が平年よりかなり早くなっているものと推察されます。そのため、栽培管理に当たってはこの点を十分考慮して下さい。
 今後の天候推移(上図の警戒メッシュ)と南海上の熱帯性低気圧の動きには注意を払い、また各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』『生育・作柄情報』−『発育予測情報』『葉いもち予察情報』頁などを参考にして、適正な水管理、葉いもちの早期発見・早期防除、適正な追肥を実施して下さい。

<天気がぐずつく場合>
 ● 葉いもちの早期発見と早期防除
 ● 穂いもち防除の徹底

<高温時>
 ●根の活力維持のために間断灌漑

<低温時>
 ○幼穂形成期前後にある水稲:前歴深水(10cm程度)管理の実施。
 ○危険期に近づくつつある水稲:危険期深水(可能な範囲で。できれば18cm〜20cm程度)管理の実施。

 


警戒メッシュ説明:
上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。低温障害の回避のための水管理・肥培管理の参考にして下さい。
なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
○ 低温障害が懸念される平均気温(要前歴・危険期深水管理):17度以下
○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均気温(要前歴・危険期深水管理):17〜19度
 
 
ホームページ参照:

 
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