水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(7月17日)

No.13

 仙台管区気象台が16日発表した向こう1か月の予報内容は次の通りです。
期間のはじめは気圧の谷の影響で、平年同様曇りや雨の日が多い。その後は太平洋高気圧に覆われ平年同様晴れの日が多く、平均気温は「平年並」と予想されています。
 この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(7月17日〜7月23日):期間の中頃まで気圧の谷の影響で曇りの日が多く、雨や雷雨となる所がある。期間の終わり頃は日本海側では曇る日が多いが、太平洋側では高気圧に覆われ概ね晴れる。平均気温は平年並の見込み。
 第2週目(7月24日〜7月30日):太平洋高気圧に覆われ平年同様晴れの日が多いが、大気の状態は不安定。平均気温は平年並の見込み。
 このように気温は、天気はぐずつくものの平年並みに推移すると予想されています。上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数、台風の進路などの予測を参考に総合的に判断すると、期間の前半に一時的にオホーツク海高気圧が発達する可能性もあると予想されます。


7月16日発表:1ヶ月予報(7月15日から8月16日)

 月23日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
126.531.623.12.24.323.727.221.14.81.81.71.22.2-0.3-1.9
226.430.723.55.11.123.627.720.33.45.02.01.92.1-1.0-0.7
326.331.023.55.32.524.528.621.45.33.72.22.22.60.2-1.5
426.230.223.75.31.023.127.319.83.04.22.01.92.1-1.10.0
526.832.622.80.43.724.528.421.57.42.21.30.92.01.8-3.8
625.430.822.02.63.122.025.619.14.72.91.71.72.20.5-1.1
726.231.622.80.93.823.526.920.94.61.71.51.02.0-0.4-2.0
825.329.022.91.31.121.224.618.41.54.81.71.91.6-2.30.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月23日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜17.0℃
17.0〜19.0℃
19.0〜21.0℃
21.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜12.0℃
12.0〜14.0℃
14.0〜16.0℃
16.0℃以上


現在、東北地域の水稲の生育は減数分裂期から幼穂形成期にあり、作柄やいもち病の発生を左右する重要な発育段階にあります。
過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年より高く推移しています。今までの気象と生育経過をみると、太平洋側の地帯においては生育の進み方が平年より早くなっているものと推察されます。そのため、栽培管理に当たってはこの点を十分考慮して下さい。
今後の天候推移(下図警戒メッシュ)と予報には特段の注意を払い、また各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』『生育・作柄情報』−『発育予測情報』『葉いもち予察情報』頁などを参考にして、適正な水管理、適正な追肥時期と量、葉いもちの早期発見・早期防除を実施して下さい。

<低温時>
● 幼穂形成期前後にある水稲:前歴深水(10cm程度)管理の実施。適正な追肥時期と量の判断。また危険期深水管理のできる態勢の準備。
● 危険期に近づくつつある水稲:危険期深水(可能な範囲で。できれば18cm〜20cm程度)管理の実施。

 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。低温障害の回避と生育促進のための水管理・肥培管理の参考にして下さい。
 なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
○ 低温障害が懸念される平均気温(要前歴・危険期深水管理):17度以下
○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均気温(要前歴・危険期深水管理):17〜19度
 
 
ホームページ参照:

 
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